駅から遠い店にやっとの思いで突撃して「麺切れです」と言われて泣いて帰る。こういうのはすごく痛い!とにかく腹が減ったのだ。その空腹を抑えてやってきたのに本当に泣きたい気分になる。特に澄み切ったような透明の醤油ブラウンが恋しいのだ。車で来るしかなかったこの店を後にして・・・・まっすぐ家に帰る気分にはなれなかった。甲州街道に出たところで、空腹感がMAX。路肩に車を止めて、スマホで鬼のようにラーメン情報を検索して、ようやく見つけ出したのがこの店「柴崎亭」さん。訪問する時間も中途半端なのでありましたが・・・・
早よ食わしてくれ・・・・
という言葉が頭の中をよぎるばかり。訪問して3名の外待ちに連結した途端に思い出したのですが、たしか何かの雑誌の調査ランキングの載ってたのですね。受賞のステッカー等そういう情報が貼ってあるので、空腹な上に期待のボーダーが上がりまくり状態ですやん! とにかく店前にポスター的に貼ってある「醤油らーめん(あっさり味)」の写真うつりが気に入ったから、もうこれを食うしかないと・・・・座禅の気分で待ち続けます(笑)。
・・・などと考えながら、入店してお姉ちゃん店員さんが注文聞きに来るのもまてず「醤油のあっさり!」とオーダーの声を張った私。なんか前につんのめったような対応になりちょっと恥ずかしい。前のお客より先に注文すると、早めに出てくるかな・・・というちっぽけな野望があったのですが、ちゃんと入店された順番で料理は出てくるわけで、ちょっと自分の邪心が嫌になるね(笑)。
【スープ:きらめく醤油ブラウン!キッパリとしたエッジング!!】
<クリスタル醤油ブラウンの色合い!醤油エッジングもキッパリとした味わい>
麺顔がピカピカ!それが私の第一印象。香味油とかラードでスープの表面をコーティングしているという見映えはよくあるけれど、この麺顔は、スープそのものが研ぎ澄まされたような明るさと輝きがあるといったことこか・・・。クリスタル醤油ダレが初々しくも思えるのだわ。しかも、醤油の色合いがとても定番なるブラウンぶりなので、まるでトレードマークのような清々しさがある。おそらく、青葱の小口切りではなく、白葱とクレソン??のトッピングもいい感じでして、大衆系とニューウェーブ系の丁度中間という見映えが楽しい。
レンゲですくって味わってみると、「!」予想以上にキッパリと感じる醤油エッジングが楽しい!塩気と酸味が完全に一体化しており、舌に残った感覚がそのどちらか区別がわからんという感覚。淡い魚介とややシャープに感じる醤油ダレの感覚。食べはじめの前半は、節の使い方が秀逸と、そんな感覚で食べ進める。しかし・・・徐々にそういうステレオタイプなスープでもないのが徐々に気づいてくる・・・。
<具の影響と遠くにあるペッパー感で酸味の感覚が研ぎ澄まされる??>
食べ進めると味の輪郭に僅ーーーーーーかに、ジリリとした部分がありますな・・・。どこか、ペッパー感にもにた感覚。チャーシューから滲み出る成分か、はたまた分かり得ぬ隠し薬味の表出か。メンマの塩分濃度に徐々に近づいて行くような感覚。実は・・・チャーシューの下に隠された「モヤシ」に仕業かも?と少し思っている。
たいてい「もやし」ってやつは、味を薄めることが多いので、味噌ラーなどでは重宝する存在感なのですが、クリア醤油系では味がぼやけるようで少し遠慮がちな存在。しかし、今回はこのモヤシには下味が付いていて、それがスープにも影響を与えているのかと邪推しております。何か出汁とかタレとかを絡ませてからトッピングしているのか???はたまた胡麻油など油分を滲み込ませているモヤシなのかは不明。されど、モヤシがクタクタになっている中に、どこか芳ばしいところも感じたのか感じていないのかわからない仄かな香りのよさが、何とも言えないのだが・・・。いかに。
【麺:ボリューム満点で質実なり!残さず食おう!ワンコインなら!!】
<ボリューム感あり!中加水がクシリとした沈みこむ歯応えがナイス!>
まず嬉しいのは「大盛りサービス有り」という点。この一杯はワンコイン(500円)なので、それで大盛り対応が無料というのが実にうれしい。しかし、その分麺を残したりすると、1杯分の追加料金を徴収するとのこと(メニューに書いてある)。一所懸命に麺サービスしているのだから、無駄にはして欲しく無いという心意気を感じる姿勢です。
しかもこの麺は、決して安物感がしないのだ。もともとデフォルトでも多めだと思うし、適度な中加水で麺の密度も高いタイプ。だから、歯応えは全体的に「クシリ!」とした質実感あるものでして、これは無駄に残して欲しく無いと思えるよな・・・。前歯でスパスパと千切れ、その後は奥歯でクニクニっと少し淡い沈み込みのあとすり潰す。もやしも絡んですり潰すと、いろいろな歯応えが混じり合ってまた楽しい。
<汁を吸ってクシリからクチリへと歯応え変わる微妙さが楽しい!>
しかも、後半に意外と汁を吸い込むタイプ。スープへも麺の風味を提供し、麺はスープから味わいを染み込ませられる。そして、腰つきがしなやかになってゆき、腹が一杯にならなければ、いつまでもどこまでも食い続けていきたいと思える・・・これ好き!と思える。後半のしなやかぶりは、「クチリ!」と短いタップのあと瞬間的に喉奥へと落ち込んで行く。
思えば茹でのコントロールも素晴らしいのであった。確かテボでなく、平ザルで湯切りをしていたと記憶。カウンターからは良く見えないので、平釜かどうかは不明なれどテクニックは感じますな。
【具:真面目さ伺えるチャーシュー!シンプル・イズ・ベストで古風と華やかさがマッチ】
<トラディショナルで薄味芳ばしく!仕上がりが質実なるチャーシュー>
チャーシューは中々古風と感じるタイプ。しっかりと「焼豚」している。燻す行程がありそうでして、周囲の端っこが気持ちよい焦げがある。味の染み込み具合はやや浅めでして、これはスープの味わいと共に食うタイプ。脂と筋肉質の交互な層が見事でして、このタイプだと・・・白飯というより、日本酒や焼酎の方が合いそうな仕上がり具合かも。スープに影響を与えず、スープから影響をウケて旨しと思える肉味。
<峠を越えたもやしがまた良い!>
ちょっと峠を越えたようなシナシナした全体感覚がある「もやし」。上述の通り、少し味つきなところもあり単品でも食って旨しなのかも。調味油がかかっていると思いますが、ごま油の他の可能性があるとしたら、鶏ガラスープのペーストを少し投入して染み込ませてあるかのような淡ーーーーーーーーい塩味がええね!
総じまして、普段絶対に使わない各駅停車駅近くの一杯に、庶民系の中の崇高性を感じたという話。柴崎駅って、甲州街道にも近いのに、なぜか通り過ぎるだけで駅前も微妙な感じ。商店街というより古ぼけた店が並ぶという感じで、逆にそれが心の底からほっとする街。仙川、調布、千歳烏山、つつじヶ丘などはよく利用したのだが・・・・10数年前に京王線を通勤として使っていた時は、一度も降り立ったことがなかった。近隣にはコインパーキングが乱立していて、少し寂しさあるけど、だったらクルマで来るにはちょうど良い。また来て食いたい店であります。なので詠います!
穴場なり
通過駅側
見過ごしで
庶民嬉しい
ワンコイン麺
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!

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