ラーメン食べて詠います

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【今週のラーメン5935】中華soba いそべ(東京・矢口渡)白旨にこにこワンタン麺 〜矢口渡で途中下車する価値あり!白旨出汁、麺、雲呑が三位一体となった上質ワンタン麺!

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午後の勤務先へ向かう中、予定調和の矢口渡で胃袋だけ途中下車!ワンタン麺大好き!

 

 
 午後の勤務場所へ移動する途中、久しぶりに東急多摩川線の矢口渡駅でふと足を止めました。駅名の「渡し」という響きが、どこか昔の川風を連れてくるようでして、都会の中にありながら、ほんの少し時間の流れが緩むような感覚があります。もちろん、現実には午後の予定があり、ランチタイムの持ち時間は限られています。けれども、こういう移動途中の一瞬にこそ、ラーメンの神様は悪戯を仕掛けてくるものです。
 

 
 改札を抜け、駅前の空気を吸い込みながら歩くと、ほどなく現れるのが「中華soba いそべ」。看板には、どこか軽やかで親しみやすい文字。店先には穏やかな気配が漂い、昼時の街の喧騒から少しだけ切り離されたような空間があります。
 

 

 今日の狙いは「白旨にこにこワンタン麺」。この“にこにこ”という響きが、すでにもう反則的に面白く感じてしまうじゃないか。うへへ・・・午後の予定へ向かうはずの身体は、いつの間にかカウンターへ着席。これはもう不可抗力です。途中下車というより、胃袋の緊急停車。矢口渡にて、昼の幸福へ乗り換えです。
 

 
 
 

<全体> 黄金色の白旨出汁になみなみと浮かぶ麺線と雲呑!丼の中がすでに春の水面!

 
 配膳された瞬間、思わず背筋がすっと伸びる。白い丼の中に、なみなみと注がれた黄金色の出汁。淡く澄み、柔らかく光を受け止めながら、表面には上品な油のきらめきが散っています。いわゆる醤油色の強い迫力で攻めるのではなく、薄金色の透明感で静かに魅せてくるタイプ。これは一見おしとやかですが、相当に手強い美人です。
 

 
 麺線は整然。細いストレート麺が、湯面の下で静かに流れを作っています。まるで春の小川の水草のように、たおやかで美しい。そこへ大ぶりのワンタンがふわりふわりと浮かび、まさに“にこにこ雲呑”。このワンタンたち、ただ浮いているだけなのに存在感がすごい。丼の上で「我々が主役級です」と無言で語っております。
 

 
 さらに、艶やかなチャーシュー、青葱、海苔、短尺太めのメンマ。どれも過度に飾り立てることなく、必要な位置にすっと収まっている。豪華絢爛というより、構成美です。足し算の美しさではなく、余白まで含めた完成度。見た瞬間に「ああ、これは丁寧な一杯だ」と分かる面構えです。ランチタイムの急ぎ足の心を、丼の水面がやさしく落ち着かせてくれます。
 

 
 
 

<出汁> 白醤油の円やかさ、豚鶏の膨よかさ、イリコの甘味が重なり、柔らかいのに芯が強い!

 
 まずはレンゲでひと口。おお……これは柔らかい。けれど、ただ薄いわけではありません。白醤油らしい円やかさが舌先をそっと包み込み、その奥から豚と鶏の膨よかな旨みが、じわりじわりと広がってきます。さらに、イリコを思わせる甘味が上品に追いかけてくる。魚介が前に出て「どうだ!」と主張するのではなく、背後から光を当てるように全体を支えている印象です。
 

 
 この出汁、実に“押しつけがましくない旨さ”です。強烈なパンチや濃厚な粘度で引っ張るのではなく、飲むほどに旨みが増してくる。白醤油の淡い塩気が、豚鶏の丸いコクを引き立て、イリコの甘味が最後にふっと余韻を残す。まるで、よくできた和出汁に中華そばの輪郭を与えたような構成です。
 

 
 そして中盤からがまた面白い。麺を啜り、ワンタンを浸し、メンマが出汁を含み始めると、丼の中で少しずつ味の表情が変わっていきます。特に麺から滲む炭水化物の甘さが出汁に溶け込むと、序盤の澄んだ美しさに、ふくよかな丸みが加わってくる。最初は清らかな黄金。途中からは旨みを湛えた黄金。最後には、丼全体がひとの“食べる出汁”になっていきます。
 

 
 
 

<麺> 自家製ストレート細麺!粉甘味とシルキーな啜り心地!ワンタンだけでなく麺がホント旨い!



 

 この店の魅力をワンタンだけで語ってしまうと、少々もったいない。なぜなら、この自家製ストレート細麺が実に旨いからです。箸で持ち上げると、細く整った麺線がすっと立ち上がり、黄金色の出汁をまとって艶めきます。その姿だけで、すでに一枚の写真として完成しているような美しさです。
 

 
 啜ると、表層はとてもシルキー。唇を滑る感覚がなめらかで、出汁の持ち上げも素晴らしい。細麺でありながら頼りなさはなく、すすり込むたびに白旨出汁の円やかさをきちんと連れてきます。そして噛み締めた瞬間、粉の甘味がふわりと立ち上がる。これがたまりません。冒頭から麺そのものの味がしっかり感じられ、出汁の旨みと麺素地の甘味が奥歯のあたりで一体化します。
 

 
 派手な弾力で跳ねるタイプではなく、しなやかに伸び、軽やかに切れ、噛むほどに甘いタイプ。これが白旨出汁に合うのです。あまりに自然に美味しいので、つい無意識に啜り続けてしまいます。ワンタンを楽しみに来たはずなのに、気がつけば麺がどんどん減っている。これは危険です。雲呑界の名店かと思いきや、麺界からも刺客を送り込んでくる。中華soba いそべ、なかなか隙がありません。
 

 
 
 

<チャーシュー> 淡い出汁に寄り添う二種の肉!ロースト感と素朴な旨みが丼に静かな厚みを添える!

 
 チャーシューは、これまた出汁の世界観にきちんと寄り添っています。まず目を引くのは、赤身の中に脂身が細やかに網のように広がる豚肩ロース。しっとりとしたピンク色の断面に、外縁の焼き色がほどよく入り、見た目からして丁寧な火入れが伝わります。これはもう、ラーメンの具材というより、上質なローストポークが丼に参加している感覚です。
 



 
噛むと、赤身の旨みがじんわりと広がり、脂身がふっと甘くほどけます。強い味付けで押すのではなく、肉そのものの旨みを穏やかに出す設計。白旨出汁の繊細さを壊さず、むしろ肉の香りで奥行きを加えてくれます。出汁に少し浸してから食べると、表面に白醤油の円やかな旨みが絡み、ローストポークの甘味がさらに引き立ちます。
 

 
 そして、もう一方のシンプルな豚ロース。こちらは肩ロースに比べると控えめながら、薄出汁に実によく合う存在です。脂で圧倒するのではなく、噛むほどに豚の素直な旨みが出てくる。派手さはありません。けれど、この一杯においては、その控えめさこそが美徳です。白旨の世界に余計な影を落とさず、淡いスープの中に肉の輪郭を静かに描く。こういうチャーシュー、好きです。
 

 
 
 

<ワンタン> 海老二個、肉二個、だからにこにこ!大ぶり雲呑が口中で旨みの花火を打ち上げる!

 
 さて、いよいよ主役級のワンタン。海老雲呑と肉雲呑がそれぞれ二個ずつ。合わせて四つの大ぶり雲呑が、丼の中で長閑に浮かんでおります。見た目はふわりと優しげ。しかし、箸で持ち上げると、ずしりとした存在感があります。これは可愛い名前に似合わぬ本格派。にこにこして近づいてきて、いざ食べると旨さでこちらを黙らせるタイプです。
 

 
 そして海老雲呑!これがまた素晴らしい。すり身の中に小海老を丸ごと感じるような食感で、噛み締めるとぷりっと弾けます。海老の甘味が明るく立ち上がり、白旨出汁の円やかさと実に相性が良い。二種が交互に現れることで、丼の中に小さな合奏が生まれます。しかも皮が旨い。ここが重要です。餡だけでなく、皮そのものが出汁を吸って美味しくなる。厚みがあるからこそ、ただの膜ではなく、ひとつの具材として成立しています。雲呑を食べているのか、出汁をまとった小さな包み料理を食べているのか。途中から分からなくなります。分からなくなりますが、にこにこだけは止まりません。
 

 
 まず肉雲呑。皮はやや厚めに感じられ、つるりとしながらも、しっかりと餡を包み込んでいます。口に入れると、皮が出汁を含んでとろんと広がり、続いて中の肉餡がむっちりと現れる。味付けはシンプルに塩胡椒寄り。だからこそ肉の歯ごたえと旨みがよく分かります。噛むほどに肉餡の旨みが出て、白旨出汁と重なる。ワンタンの皮が吸ったスープと、餡から出る肉汁が口の中で合流する瞬間、思わず心の中で拍手です。
 

 
 
 

<メンマ> 太め短尺ながら驚くほど柔らかい!出汁を吸ったサクリ食感が白旨の余韻を深めます!

 

 

 メンマは太めで短尺。見た目には少し力強い印象がありますが、食べるとこれが驚くほど柔らかい。前歯を軽く入れるだけで、サクリと裂けます。ゴリゴリと噛み切るタイプではなく、繊維がほどけるような優しい食感です。味わいも実にこの一杯向きです。下味をしっかり含みつつ、主張しすぎない。噛むとメンマが抱え込んだ出汁の旨みがじゅわりと出てきて、白旨スープの世界に自然と溶け込んでいきます。
 

 
 太めのメンマというと、時に味が強すぎたり、歯応えが勝ちすぎたりすることもありますが、こちらは違います。存在感はありながら、全体の調和を壊さない。まるで合唱の中で低音を支える名脇役です。麺を啜り、出汁を飲み、ワンタンでにこにこし、チャーシューで肉の余韻を味わい、そこへメンマを挟む。すると口の中が一度整います。このメンマ、単なる箸休めではありません。白旨出汁の味わいをもう一段深く感じさせる、静かな調整役です。
 

 

 
 

総じまして・・・「矢口渡で途中下車する価値あり!白旨出汁、麺、雲呑が三位一体となった上質ワンタン麺!」

 

 白旨にこにこワンタン麺は、名前の可愛らしさに反して、実に完成度の高い一杯でした。黄金色に澄んだ白旨出汁は、白醤油の円やかさ、豚鶏の膨よかな旨み、イリコの上品な甘味が折り重なり、淡いのに物足りなさがありません。自家製ストレート細麺は、シルキーな啜り心地と粉の甘味が魅力で、スープとの一体感が見事。そして海老雲呑と肉雲呑は、それぞれが主役を張れる存在感。二種二個で“にこにこ”という名前どおり、食べ進めるほど顔が緩みます。
 
 さらに、丁寧なチャーシューと柔らかなメンマが脇を固め、丼全体に品のよい厚みを添えています。移動途中のランチタイム。普通なら慌ただしく済ませてしまう食事時間が、この一杯によって小さな旅になりました。矢口渡で途中下車して、黄金色の出汁に心を渡す。そんな昼の物語でございました。全体を振り返ると、この一杯は「派手に驚かせるラーメン」ではなく、「静かに満たしてくれるラーメン」です。けれど、その静けさの中に、出汁、麺、雲呑、肉、メンマ、それぞれの仕事がきちんと積み重なっています。食べ終えた後、午後の勤務へ向かう足取りが少し軽くなる。そんな力を持った、日常の中のご褒美的な一杯でした。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!
 
 

 
 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!

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