<徐々に名が知れてますねー>
・・・・などと考えながら、また二日続けて新店舗「和渦」に来てしまいました。もうラーメンラバーの中ではアンテナに引っかかっている様子で、もう開店と同時に満席でございます。ご近所の方も食べに来てるようで、昨日よりも店主はかなり忙しく動いておられます。この一角だけ、住宅街の中に飲み屋が数店舗ある感じでして、入れ替わってラーメン店が入ったという感じ。小さな舟ででありますが、小さな渦から、やがて大きな渦になって欲しい「和渦」さんです。
【貝類の出とホタテのゆったりさが滲む海鮮の上品さ!甘海老アメリケーヌでより明るく】
今回は、完全に定点観測がてら、前回とは違うメニューで攻めたかっただけ。「塩そば」をチョイスです。三種類ある中では一番影が薄そうだけど、「甘海老の和風アメリケーヌ 海の恵み」というサブタイトルは非常にそそられます。本当にこの店、和風なんだか洋風なんだかわからなくなってきますが、その折衷バランス感覚は、なかなかイケてる感じがしてきます。
混んでても6席ばかりですから、座れば割と早く配膳が進みます。受け皿に載せられたのを恭しくキャッチして、まずは麺顔拝見。おおー、ものすごく穏やかなどんぶりの中の風景。醤油そばがターナーの絵筆タッチだとすれば、塩そばは、ルノワールのような面持ちです。霞が穏やかに流れる春の海といった感覚でまずは写メモに手早く収めます。
味わうと、エキス感はしっかりしているのに、味わいは軽やか・・・・そしてシルキー。ベースの貝の出汁が優しくもじんわりと寄り添って来るような、引っ掛かりが異様に少ない塩味。ホタテのエキスも溶け込むというゴージャスな海鮮の味わいです。煮干し系ばかり日頃食ってますから、とても新鮮に感じたのでしょうか。塩も三種類使用とのこと。岩塩、海塩、藻塩をバランスさせたらしく、とても試行錯誤があったことを想像してしまいます。これは、醤油とは対立しますがこれはこれですごく良い。後で水を欲するような塩気ではありません。
甘海老のアメリケーネソースが、チャーシューからずれてスープにゆっくりと漂いだします。そこだけを味わうと、確かに和風だ。甲羅の香ばしさギトギトなイメージは全くなく、海老香ばしいというより、海老のエキスというよりまろやかさでして、ベースの塩だれに素晴らしくマッチ!全体に溶かし込んでも、劇的に味変化を起こすでもないですし、むしろ上品さが増すといった感覚。旨いと書くより、美味いと書きたい次第。いかん、カウンターでまた唸ってしまっている自分であります。
【汁をチョイと吸い気味で緩やかな滑りだしがナイス】
麺は前日と同じイメージ。引き締まりのあるテンピュール感覚。角麺がやや膨れっ面したような淡いイエローのストレート麺。醤油そばでは、牡蠣のアヒージョインパクトに負けない強さを感じましたが、塩そばでは、ハーモナイズする器用さを感じてしまいました。
特に少し汁を吸い込んでからの味と滑らかさが好印象。化粧でイメージが変わるご婦人のように、こうもスープで印象が変わるものかね〜〜。相性だけを考えるとこっちの方が一体感があると思いつつ、甲乙はつけ難し。
【お!早速というか、もうチャーシュー変わった??】
意外に思ったのは、チャーシュー。前日の醤油そばでのそれは、半レアっぽい肉だったのですが、今回のは定番と思える煮豚タイプです。味わうとちょうどいい塩梅という塩加減で、いかにも中華そばってな感じ。塩そばではタイプを変えているのか?ご大層に・・・・と思って他客の醤油そばをチラ見したら同じだった。どちらも美味いけどまだ試行錯誤の段階なんでしょうか。肉増しならレアがいいけど、このタイプも一体感があっていいかも。ロース肉はほぐれるように柔らかくて、炭水化物との相性を優先といったフレーバーでいい感じです。
総じまして、「上品で春霞のような穏やかな海鮮系塩!」という感覚で、醤油そばとはまた一転した味の広がり感は秀逸ですね。これは、女性に食べて頂きたいようなシルキーなエキス加減がたまりません。醤油そば→塩そばと食べ続けて後はもう一品なんですが、塩そばがフレンチとしたならば、残る一品はイタリアンで攻めているみたいで、これは楽しみ。次回、大井町に外出機会があれば、引き続き狙いたいと思います。ということで・・・・なので詠います!
小雨降り
躑躅湿って
花落とす
和渦と紫陽花
のびる躍動
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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