御茶ノ水では、「大至」がある。だから、他店の訪問が滞る。でも心残りがないわけではありません。「睡蓮」への初訪問。「雅ノ屋」への再訪問。これが個人的には大きな宿題です。とくに、「雅ノ屋」には、「塩わんたんめん」がありますからね〜。ようやく年内に一つの課題を克服できました。寒くとも、駅から少し遠くとも、雨が降ろうとも、3つの困難を排除しての訪問ですから、気合は入っていた次第。なのだが、店内はまったりとしてあったかい!こういうギャップ感って好きよ。だってドMだから(あまり言い過ぎるとマジで受け取るひとがいるのが気がかり)。
【スープ:煮干しが香る・・・ほっとする塩ダレ!すっきりする・・・鶏清湯!】
<軽やか煮干しの塩ダレが、香ばしく!甘くも感じる淡麗系>
配膳の瞬間、こじんまりした感覚ですが、中々丁寧な作り込み感を感じさせる麺顔です。いろいろと突っ込みどころありますが、まずスープの琥珀色がとても綺麗!澄んだ色合いと、色気のある香味油の色合いのダブルの迫力を感じますが、これはよく見ると鶏油ではなさそう。などと感じてまずは一口。
なるほど・・・煮干しの香味油か〜。最近塩ワンタンメンにどハマりしておりまして、立て続けに食っておりますと、鶏がら・丸鷄系の味わいがメインなのが続いておりましたので、どこか新鮮。というか基本に戻ったような気分になります。ニボニボとした苦味排除の軽い甘みを残した旨味の上澄みのような感覚。とてもすっきりとした煮干し風合いにキレがありますね〜。どちらかというと、淡麗系に属しそうな塩だれが、魚介系の旨味を軽やかに響かせています。おそらく、昆布や節などもバランスよく配合されてることでしょう・・・・。魚介が風味よく甘く芳しいというのが第一印象。
<凛とした清涼感すら覚える、スッキリとした鶏ガラスープ!>
次に動物系のニュアンスを試しにかかりますが、鶏がらのすっきりした感覚はよく分かるし、ガラを丁寧に煮出した感もありあり。髄のエグミとかは一切皆無で、モミジなども使っていないのであろうと思われる、サラサラした旨味が中心です。意外に鶏油のコクがないのがむしろ、この一杯にはバランスが良いのか。ごくごくと飲み干せる以上に、胃袋に一切の負担を感じさせません。恐らくは、野菜エキスの煮出しも程よいのでしょう!トッピングの薬味にあるネギ微塵もとても微細で、甘みをスープに存分に漂わせます。まさに、ミシュラン採点員好みの淡麗系といった風合いかも。その淡麗さには、どこかしら凛とした清涼感すら覚えるかもよん!
【麺:クッキリとした印象を与えるマイクロボディーなストレート細麺アピール!】
<極細系のストレート!加水低めでクツクツと喰わせるタイプ>
そうか・・・塩は細麺だったんだ。以前は醤油を食っただけなので、塩では麺が変わることをすっかりと失念しておりました。しかし、これほど極細ストレートな麺だったとは。博多麺とまでは言いませんが、加水はかなりの低めで、パツパツ系。いや・・・もう少し淡めのクツクツとした感覚かも。前歯の千切りがいちいち楽しくてなりません。奥歯へ運び込んでプレスして、 クニクニクニクニク二・・・・と順列よく潰れていくようすが頭に浮かぶような食感。グルテンの風合いに素性の良さを存分に感じますな。
<汁の吸い込みあまりなく、最後までくっきりとしたスベりのシルエット>
意外に汁の吸い込みが少ないタイプ。なので啜り上げから喉越しまで、一連のスベりの感覚が、脳裏でシルエットとして捉えやすい麺ですね。箸でリフトして綺麗に揃い、口当たりはとても整然としている。口内に運びこもうとすると、内頬から舌触りにかけてわりとキッパリとしている。軽い咀嚼の後に喉奥へと落とし込む間も、和蕎麦感覚で、つーっと駆け抜けていく感覚が秀逸。はっきり言って、この麺好きかも。やはり大盛りにしておくべきだったと激しく後悔!
【具:日本人が一番イメージする「ちゅるりん」というスベりにこだわったような「わんたん」】
<わんたんの尾ひれのスベりを中心に楽しむ、餡少なめタイプ>
典型的な「ちゅるちゅる」タイプのわんたんです!滑らかさ命!ってなタイプ。平らで入り組んだ木綿を飲み込むような感覚を最高に楽しめます。このため、肉餡はとても小さめに抑えられており、しかしお飾りでなく餡の肉感もほんのりと感じさせる。6つ程度あったかな〜・・・。レンゲのくぼみに2つはぴったりと入り込むサイズ感。すべりを楽しむのがわんたんの本質か。
<定番、教科書のようなバラ肉チャーシュー>
綺麗なバラ肉ですね〜。あばらの内型と外側のそれぞれを感じる2枚配置です。内側の肉質にも脂が差しているので、解けるように甘く感じる肉味がたまりません。タレも薄味なのがまたグッドです。外側はまた皮部分をしっかりと残していて、最高のコラーゲン系の甘みを楽しめます。こうでなくちゃ!定番たるバラ肉チャーシューですね。これは、チャーシュー麺にして、麺顔を埋め尽くしたい衝動にかられますよ・・・。次回からは塩チャーシュー麺シリーズに変更か?(うそです)。
総じまして、「日本的なハイセンス漂う淡麗系」のわんたんめんという感覚で、ひねりなくてごめんちゃい。わんたんめんって、中華系だと鶏ガラ一本!ってな動物系で肉々しいワンタンがイメージ。それが日本風だと、魚介など効かせて淡麗に感じさせ、わんたんも布を引きずるようなすべりを楽しむのがイメージ。この一杯は後者を見事にど真ん中に射抜くような感覚でおります。なので、狙いかそうでないか知りませんが、「わんたんめん」とひらがな表記ですね。「ワンタン麺」、「雲呑麺」、「わんたんめん」。それぞれ、微妙に違いを感じて来ましたが、これは屁理屈、後付け理論か。ま、どうであれ旨さに変わりなし。なので詠います!
重い雲
冷たき雨に
悶々と
辿る塩ラー
スッキリ晴れ晴れ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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