

九月の締めくくりはつけそばで決まり!水曜の西久保へ胃袋も足取りも軽快に!

九月の最終日、水曜日の昼下がり。カレンダーを見れば、今年も残り三か月。「早いですねえ」などとつぶやきながら、頭の中ではすでに麺を啜っています。季節の移ろいには少々しんみりしますが、食欲のほうは実に元気。秋の入口で、早くも助走を終えております!

そんな胃袋を連れてやって来たのが、武蔵野市西久保の「KEN軒」です。麺屋さくら井の定休日、水曜日だけ店舗を使って営業する3rdブランド。いつもの場所に、週に一度の別のお楽しみが待っています。水曜日って、週末までまだ少しありますが、ここを目指せるとなれば話は別。途端に、なかなか魅力的な曜日へ昇格します。

さて、今回のお目当ては【限定】特製つけそば、東池袋大勝軒リスペクト!券売機の案内には「特製もりそば」とあり、さらに「ばら軟骨煮」の文字が目に飛び込んできます。ほほう、懐かしいつけそばに、そんな素敵な仕掛けまで用意されていますか。これはもう、特製にする理由が向こうから走ってきたようなものです。新しい拉麺の工夫に出会うと胸が躍りますし、昔ながらの一杯を思うと頬が緩みます。今日はその両方を楽しめそうな予感。東池袋の懐かしい面影を、西久保でKEN軒がどう料理してくれるのか。席について待つ時間から、気分はすっかりご馳走です。九月の締めくくり、張り切って啜ってまいりましょう!


<全体>艶めく麺山に軟骨煮がどーん!ナルトも味玉も顔を出す!親しみと華やぎの二つの器!

おおっ、来ました!これはいい顔をしています!東池袋大勝軒リスペクトの雰囲気を感じます。右手には、淡い乳白色の麺がたっぷり。落ち着いた緑がかった器の中で、一本一本がつやつやと輝いています。その頂に鎮座するのが、飴色のばら軟骨煮。麺の明るい色を背景に、肉の存在感がくっきり浮かび上がります。なかなか立派な盛り姿で、見つめているだけでも箸を持つ手に力が入ります。

左手のつけだれも負けていません。褐色の水面に細かな油がきらめき、輪切りの葱がぷかぷか。奥には海苔が立ち上がり、丸い味玉がゆったり収まっています。その隣で、ナルトの桃色の渦巻きがこちらを向いている。この一枚があるだけで、丼の表情がぐっと朗らかになるのです。いやあ、会えて嬉しい顔ぶれです!

そして、どこか洒落ています。器の渋い色合いに、麺肌の明るさ。海苔の濃い緑に、ナルトの白と桃色。お馴染みの材料が並んでいるのに、目の前の景色には、すっと気の利いた雰囲気があります。気取らず、賑やかで、ちゃんと美しい。これは配膳直後から気分が上がります。東池系の特徴を捉えながら、KEN軒らしいご馳走感もたっぷり。麺を眺め、つけだれを眺め、最後にもう一度ばら軟骨煮へ視線が戻ります。あっちも気になる、こっちも旨そう。食べる前から忙しい昼飯になってきました!
<つけだれ>醤油の円やかな風味に豚骨魚介のふくらみ!懐かしさの奥からKEN軒の旨さが顔を出す!

まずはレンゲで、つけだれをひと口。ああ、こう来ますか!印象としては、醤油系と豚骨魚介系の間から、少し醤油寄りへ進んだあたりでしょうか。醤油の風味がきちんと感じられ、その奥には、ふくよかな旨みが広がっています。さらりと口に入るのに、味わいはなかなか豊か。この軽快さとコクの釣り合いが、とても気持ちよいのです。

東池系のノスタルジーが、ふっとよぎります。どこか懐かしく、人懐っこく、たっぷり麺を食べたくなる感覚です。そこへKEN軒らしい豚骨魚介を思わせる厚みが重なります。親しみやすい味の中に、ちゃんとお店の趣向が感じられる。ひと口目で頬が緩み、もうひと口でうなずいてしまいます。

レンゲを傾けると、褐色のつけだれがさらりと流れます。細かな油の粒が光り、白いレンゲの上では色合いも明るく見えます。この姿を眺めているだけで、次は麺を入れたくなる。つけだれのほうは、すっかり準備万端という顔です。

さっそく麺をくぐらせれば、醤油の風味と旨みが麺肌に広がります。噛んだところへ麺のみずみずしさが加わり、ひと口のまとまりが実に鮮やか。葱が入れば、しゃくっとした感触も楽しいです。啜って、噛んで、飲み込んで、また箸を伸ばす。この繰り返しが、何ともご機嫌に続きます。懐かしい味についてあれこれ語りたかったはずなのに、もう次の麺をつかんでいます。つけだれの説得力、なかなか強力です!

<麺>少しスリムな多加水太麺がつるつるモチモチ大活躍!啜る楽しさが止まらない!

今回の麺、これがまた素敵です!太麺らしい食べ応えを予感させつつ、いつもの太麺より微妙にスリムに感じられるフォルム。今回の限定のために用意されたのでは、と想像したくなる姿です。箸で持ち上げると、しなやかに垂れた麺が光を拾います。表面はつやつや。見た目からして、滑りのよさが伝わってきます。

口へ運べば、つるり!噛めば、モチッ!この流れが、もう最高に楽しいのです。多加水らしいみずみずしさがあり、噛むと明るい弾力が返ってきます。ほどよく歯を押し返しながら、むちっと沈み込むような感触。その一噛みが嬉しくて、つい次のひと口も多めにつかんでしまいます。箸のほうまで欲張りになっております。

つけだれに浸すと、麺肌に褐色の艶が加わります。その束を持ち上げ、勢いよく啜る。醤油の風味、出汁の旨み、麺のなめらかさが一緒にやって来て、噛んだところでモチモチの弾力が広がります。少しスリムに感じるこの太さが、今回のつけだれと実によく馴染んでいます。



食べ始めは一本一本の様子を確かめていましたが、途中からは束で頬張る楽しさに夢中です。口いっぱいに麺が入ったときの充実感。そこへつけだれの旨みが行き渡る幸福。ああ、つけそばを食べに来てよかった!そう思える瞬間が、何度も訪れます。



海苔を添えると、ここでまたひと盛り上がり。軽く湿った海苔が麺に寄り添い、磯の風味を運んでくれます。つるつる、モチモチ、そのあとにふわっと海苔。この組み合わせを楽しんでいると、こんもりしていた麺山が、いつの間にか低くなっています。食欲が順調すぎて、少々困るほどです!


<ナルト・チャーシュー・メンマ>お馴染みの具材がつけだれの中で賑やかに共演!肉の旨さも歯応えもまとめて楽しむ!

まず、ナルトです。桃色の渦巻きを箸で持ち上げると、それだけで嬉しくなります。白く丸い輪郭に、この愛嬌のある模様。褐色のつけだれの中で、よい目印にもなっています。こういうお馴染みの品が、いつもの姿でいてくれる安心感は大きいです。

その周囲を探ると、今度はチャーシューが現れます。麺の上の軟骨煮に気を取られていましたが、こちらにも肉の楽しみがたっぷり待っています。さすが特製!箸を入れた先で肉に出会うと、ちょっとした当たりを引いた気分になります。つけだれをまとった豚肉を頬張れば、噛むほどに旨みが広がります。赤身の繊維を感じるところ、脂身を含んだところ。それぞれの持ち味が、つけだれの中で馴染んでいます。そこへ麺を合わせると、肉の旨さを抱えたままモチモチの楽しさへ続いてゆく。これが嬉しくて、肉と麺を交互につまむ手が止まりません。

メンマも、いい仕事をしています。幅のある姿を引き上げて噛めば、コリッとした感触。麺の弾力とは違う歯応えが入り、口の中がまた賑やかになります。肉と葱とメンマを一緒につかんだときなど、少し得意げになってしまうほどです。うまくつかめましたね、と自分の箸を褒めたくなります。そして、そこへナルトも添えてみます。肉、麺、メンマ、ナルト。お馴染みの品ばかりなのに、こうして一緒に味わうと実に豊かです。昔から愛される拉麺の具材には、やはり頼もしさがあります。今日も全員、絶好調です!

<ばら軟骨煮>甘辛旨さにニュルッ!コリッ!の楽しい食感!麺の上で待っていたとびきり愉快なご馳走!

さて、いよいよばら軟骨煮です。これ、かなり楽しみにしていました!箸で持ち上げると、ほぐれた肉の繊維と、半透明の飴色をした部分が見えます。艶やかな表面が何とも旨そう。よく煮込まれた様子が伝わり、ひと口食べる前から口元が緩みます。麺の上でこれだけ存在感を放っていたのですから、期待もすっかり大きくなっています。

ぱくりと食べれば、甘辛い味付けと豚肉の旨みがじわり。肉がほろりとほどけ、そのあとに軟骨の食感がやって来ます。おおっ、柔らかい!でも、ちゃんとコリッとします!これが面白いのです。ニュルッと滑らかに舌を通るようで、噛むと心地よい手応えがあります。柔らかさの中にコリコリ感が残っていて、ひと口の中でいろいろな感触が楽しめます。もう一度確かめたくて、すぐ次へ箸が伸びます。味も好きですが、この食感には、かなり心をつかまれました。

甘辛い煮込みの風味が、肉の旨さとぴたり重なっています。白いご飯にのせても旨いでしょうし、お酒の隣にあっても嬉しいでしょう。想像の中では、すでに食卓がもうひとつでき上がっています。いやいや、今日は目の前の麺です。こちらにも素晴らしい相棒が待っていますから!ほぐれた肉を麺と一緒につかみ、つけだれへ。モチモチした麺に、甘辛い旨みと軟骨の独特な感触が加わります。つるりと啜ったあと、噛む楽しみがいつもより長く続く。この組み合わせ、実に愉快です。懐かしいつけそばの魅力を楽しんでいたところへ、こんな一品が加わるのですから、食べる側はたまりません。特製を選んだ自分に、ここでもう一度うなずきます。本日の判断、たいへんよろしいです!
<味玉>ぷるんと白身!ねっとり黄身!橙色の断面に特製の嬉しさをもう一度かみ楽しむ!

つけだれの中で待っていた味玉を、レンゲでそっと持ち上げます。丸ごとの姿はつるんとして、淡い色合いがきれいです。箸を入れて割れば、中から濃い橙色の黄身が現れます。おお、この断面!味玉を割る瞬間は、何度経験しても胸が躍ります。黄身の外側にはほどよく火が入り、中心にはねっとりした半熟の質感が残っています。白身のぷるりとした感触に続いて、黄身のコクがゆっくり広がります。麺と肉で盛り上がった口の中に、このまろやかさがまたよく合います。

レンゲの上でつけだれを少し合わせると、黄身の濃密さに醤油の風味が馴染みます。これをひと口で味わう贅沢。味玉ひとつで、満足がもう一段増してしまいます。半分を食べたところで、残りをいつ食べるか考えます。麺のあとか、肉のあとか、それとも今か。毎度のことですが、おいしいものを残す判断は難しいです。今回は麺を少し添えて、もうひと口。結局、待ちきれませんでした。これだけ旨そうな黄身を前にして、のんびり順番など決めていられません!

<スープ割>最後の一杯まで楽しみは続く!つけだれの旨みをゆっくり味わう満腹笑顔の締めくくり!

麺を食べ、肉を味わい、具材も存分に楽しみました。いやあ、よく食べました!けれど、まだスープ割が待っています。このお楽しみがあるから、つけそばは最後まで嬉しいのです。割ったスープをレンゲですくうと、褐色の水面に細かな油がきらめきます。口へ運べば、麺をつけていたときの味わいがやわらぎ、出汁のふくらみをゆっくり楽しめるように感じます。醤油の風味と、その奥にあった旨みを、今度は飲み心地として味わいます。

さっきまで勢いよく動いていた箸を置き、ここからはレンゲの出番です。ひと口飲んでは満足し、もうひと口飲んでは頬が緩む。ずいぶん分かりやすい顔になっている気がしますが、旨いのですから仕方ありません。器の底が見えてくると、配膳時の賑やかな姿が思い浮かびます。艶めく麺山も、あの軟骨煮も、すっかりお腹の中です。よい昼飯を食べたなあ、としみじみ思いながら、最後の余韻まで楽しみます。満腹です。そして、たいへんご機嫌です!


総じまして...「東池袋大勝軒へのリスペクトにKEN軒の楽しさと工夫がたっぷり重なった特製つけそば!」

醤油寄りのつけだれに感じる、懐かしさと旨みの厚み。少しスリムな多加水太麺の、明るく弾むモチモチ感。お馴染みの具材を食べ進める楽しさに、ばら軟骨煮の甘辛い旨さと独特な食感まで加わります。ひと口ごとに気分が上がる、実に充実した一杯です。昔ながらのつけそばが好きな気持ちも、新しい旨さに出会いたい気持ちも、今日は揃って満たされました。懐かしい顔ぶれに喜びながら、食べ終わる頃には「KEN軒のあの限定、また食べたい!」という記憶が増えています。こういう出会いがあるから、拉麺探訪はやめられません。
九月最後の水曜日、西久保でお腹も心も大満足です。来月の予定はまだいろいろありますが、おいしい麺を食べたい気持ちだけは、すでに準備完了。まずは今日のこの一杯に、盛大な拍手を送りたいと思います!激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!


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