ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1461】 ラーメン屋 つるん (東京・荏原中延) 台湾まぜそば+ハートランドビール

 「チャンスはもう十分に与えたはずだと思っている。次はないと思ってくれ。」・・・みたいなことを(もっとシビアな内容、言い方だが)言われてだ、「当局は一切関知しないからそのつもりで行動してほしい」と言われているがごとしだと感じてしまう。だが、言い返せない現実ってもんがあるわな。確かにそれぞれの立場、階級でいろいろあるのだけど、階級の垣根でこう言われるのがツラい。根がまじめな人ほど堪えるというものだ。案外神経が図太いといのは、鈍感がいい方向に解釈されているだけかもしれない。



 その・・・言われた男は、会議が終ってじっと黙って考え込んでいる。ほかの男達は重苦しい会議から解放された感の方が強いのか、ため息まじりの崩れ笑顔でぞろぞろと部屋を出て行く。とは言ってもこのメンバー全員だけ解雇なんて、本当にありるのか?など、どこかそれも非現実的だと、彼らは捉えているのだろうか。


 
 その男は、ようやく会議卓に広げた資料を畳みだして、ゆっくりと立ち上がったところで私と眼が合った。その瞬間、明らかに大きなため息をつく。私は、「出来る限りのことはやっておきます。今日は、茶坊主のようなことをしてしまってすみません。」と声をかけるのが精一杯であった。実際にそんな程度のことしか出来なかったのだから仕方がないしね・・・。


 分かってるよ。ありがとう。


 男は短く答えて、そこからは、少し足早に立ち去って次の用件へと外回りに出かけて行った。だけど、私の「出来る限り」は一体どのようなのか、本当のところイメージが湧いていない。新規事業ってのはそんな風景の繰り返しがとても多く、本当に泥臭い。リスクのリアリティ分析と対策などというカッコイイことばかりでは全く進まない。みんな、寄りかかる大木なく漂流しながら、向こう岸への渡り手綱をかけようとしているようなものだわ。先頭に立つ者が一番、いろんな抵抗や摩擦に苦しんでいる。せめて千切れないように、少しでも軽くなるようにと、祈るような思いで今日も手綱を編むような仕事をしている・・・。もっと、大胆にやり方、考え方をしないといけないのだろうが。









 ・・・などと日々考えながら、鬱積するこの自己嫌悪とストレス蓄積の毎日。発散は、だれが何と言おうと今この瞬間は「汁なし系」でしか発散されないのですよ。尋常じゃないモヤモヤ感が私を暴走させる。でもそろそろ「台湾まぜそば」怒濤訪問リシーズも佳境に来ているかと思えるこのごろ。スキマにネットで検索しても、限定として提供する店は結構あるのですが時期が終わっていたりしていて、レギュラーメニューとして提供している店を探すのがひと苦労であります。そんな中、ずっと心の片隅に残っていた、こちら「つるん」さんに今回突撃です。名店の前を通り過ぎて、10分程度もなぜ歩くのかと・・・自分の意地っぱりにもアホさ加減がしれませぬな。






 とは言っても訪問してみると、これまたいい感じの今風で小奇麗、そしてスッキリして明るい店です。今風のラーメン店って感じですが、中に入ると先客ゼロなれど、仕込みの準備か黙々と作業に集中していた店主が瞬時に明るく「いらっしゃいませ」と声をかけます。店内の清潔感も、黒板のメユー書きもいい感じ。こういうお店でビールを頼むと、ハートランドビールが出て来るわけだ。実は、エビスも好きだが・・・・ハートランドが一番好き!味わいも、風味も、コクも・・・そして瓶も! 柿ピー付きで500円。これだけで気が緩みます。そして何かいつものラーメン屋で感じる雰囲気とは違うな?


  




 そうか!券売機がない。あの入れ物は、小銭やお札という手垢で汚れたものを、調理人が手にしたくない/手間がかからず、オーダー管理も食券でしやすい、などから普及しきっていますが、やはり現金でやりとりする方が本来的でいいね。まあ、居心地の良さにすっかり、ハートランドの酔いが回る中、スマホでメールチェックなどしていると、割と早めに配膳完了です。う〜ん、そう来たか!?などと感じつつ、まぜまぜして3〜4本たぐって啜り上げる。嗚呼、また今回もお心の中で叫ぶしかないわな・・・。



 うわ!めさめさ旨いがな!ジャンキーと思ってた台まぜが・・・ここまでシルキーとすら思えるテクニックがやるやん!旨し!











【タレ:鶏白湯ベースの台湾まぜそば!そして落ち着き感ある仕上がりは大人な感覚!?】


<これは上品かつ繊細さが光る、鶏白湯ベースの台湾まぜそば!>


 配膳の瞬間、それは驚きを隠せない。実にシンプル! 名古屋出張以来、最近フェチと言われるほど「台湾まぜそば」にハマッってしまい、都内のレギュラー提供の台湾まぜそばを立て続けに食って来たからこそ、この一品の独自性の際立ちが分かりますよ!最初にこれに出会っていたら、肩すかしと思ってスルーしてしまうかもしれない。しかし、この一杯は「繊細な台湾まぜそば」という感覚が溢れるのであります。


 まず思い切った割り切りの中に、潔さを感じます。台湾まぜそばって一般的にはジャンキー系でいろんな辛い系の刺激物をまぜまぜしながら、ガッツリと頂くというもの。通常そこには、赤唐辛子のぴりぴり感とか、辣油のスパーーーッとしたシャープな辛さと香りや、ジリリとした山椒攻撃、そしてニンニクの揮発性ある辛さが、バトルロイヤルのように渾然一体となった旨さをガツンと食う。そういう代物だと理解していた。つまり、強い個性カオスを楽しむ中に楽しさを見いだしていた。それがここには、ほとんど陰を潜めている。そのためか、台湾まぜそばのシンボルとも言える卵黄が排除されているという構成です。刺激を円やかにする必要もないほどに、それは円やかなタレでありますから。


 そう、この一杯は円やか系に大きく傾倒していると思え、その円やかさの正体はというと、「鶏白湯」ベースであります。実にきめ細かくてしっとりとした上品さが伺えるタレ。実にご店主の丁寧な仕事ぶりがその風合いから如実に伝わる思いであります。なるほど、これは既にバランスが取れていると思える。なので、この中に辣油とか山椒などと入れなくてもよいなと自然と思えます。







<搾菜の風味と歯応えがナイス!思いつきそうでそうでないアイデア勝利>


 センスを感じるのは、「搾菜」のトッピング。これは中々本格的な搾菜かと御見受けするが、ここにやや凝った中国系のスパイス感を感じる。当然搾菜独特の香りも入り交じり、ちょっと崇高なフレーバーがするではないか。ここに若干の定番台湾系の辛さエッセンスを仄かに感じる。まぜまぜすると、この香りがニラの風味とスパイス感が入り交じり、ふわっとしたクローブのような、ハッカクのような・・・、そんなこれまでの台湾まぜそばにない崇高な香りを感じさせます。これは、なかなか!搾菜など普通の中華料理によくある食材ではあるが、台湾ミンチとの合わせ技で見事に引き足ります。


 それにしても、まぜまぜ系ってジャンキーな要素が食欲をそそるというもんだが、まぜまぜしてもジャンキーには思えない。むしろ私のようなオッサンには非常に心地よく、そして染み入る。甘みは鶏系のコクがしっとりと与えてくれる程度で、甘ったるくない。塩気もごく自然体は旨い系でして、尖ったイメージはあまりない。台湾系なのに、辣油排除な旨いタレなのであります。



  









【麺:中太ストレートで淡い弾力さが「しなやか」と映って印象的】


<太麺なれど気品良く、テンピュールのごとくの潰れこみ>


 極太というより、よく見かける大勝軒の中太麺のような太さ。しかし、見栄えと違い弾力は違いまして、プリプリという感覚より、シクシクと反発が低くどちらかというとモチモチ度が低い。こういうときよく「テンピュール」感などと個人的には多様するのですが、今回はそのど真ん中な風合いでありましょう。


 前歯の当たりと千切り感覚も、スパスパとややリズミカルに感じる切断時の感覚。そして奥歯へ運び込んだ後には、クニッと一瞬してあとはやや淡白に押しつぶされるのみ。グルテンの感覚が鶏白湯のニュアンスと、台湾ミンチからくる濃い味付けに染まって非常に旨くて箸が止まらん。






<旨味出汁を吸収してしなやかなスベリ>


 箸が止まらんのは味わいの良さだけではなく、そのスベリにおいても非常に気持ちよいからかもしれません。表面の地肌はきめ細かいのは言うまでもないけど、元々つるつるしている上に、やや汁を吸い込むような性質があって、全体的にしなやかな物腰。そういうキャラクターが実に大人な感覚がいたしますな。


 妙なぬるつき、ごわごわした塊感などは一切なく、むしろ容易に解けて行く感覚も箸が喜んでいるようにも思える。そういえば、台湾まぜそばの定番として必ず投入してある「刻み海苔」もこの一杯には無い。刻み海苔は嫌いではないが、あの麺の地肌にペタリと貼り付き、啜る感覚で上あごに引っ付く/引っかかることもない。非常にしなやかなスベリとしか言いようがないかな(笑)。











【具他:シンプルさが台湾まぜそばとしてアンチテーゼなれど、作品としては認めてしまう】


<汁気多めで搾菜のコリコリ感もあり、ハイセンスに堪能する>


 追い飯は、何も言わずともご店主が絶妙のタイミングでスッと差し出してくれるというスタイル。カウンターのみの店ってこういうきめ細かいサービスが手抜かりなくていいね。お洒落な小鉢風の入れ物に、こんもりと小さく盛られた白飯がかわいい。それを一気に麺をほぼ食べ終えた丼の中へ投入して、執拗なまでにまぜまぜを繰り返し、米粒のスキマにまんべんなくタレを浸透させる。そしてあとはレンゲで食うのみ。


 台湾ミンチの肉が、実に粒が大きめに感じて、そしてふっくらとした仕上がり加減がいい!味もマイルドだし、白飯との相性の良さを強く感じるタイプ。汁が少し多めであることがここでも功を奏しており、非常に豊かな風合いのオジヤが出来上がり!といった感じだ。


 そしてこの小さくハイセンスなオジヤの中に、時折コリコリとした部分がありまして、これが搾菜の歯応えというやつで実に楽しい。オジヤの中のちっぽけな宝探しといった感じで、これは普通のメンマでは絶対に味わえない風合いだなと感じて後は唸るのみです。


  





<カオスの中に規律を感じる>


 そもそもトッピングが非常にシンプルであります。通常の台湾まぜそばが、いろいろな刺激物込みの味の重ね合わせが定番だとすれば、逆行している感じ。例えるなら・・・・「引き算が成立する台湾まぜそば」という感じかな。


 通常の台湾まぜそばなら、旨味のカオスという無秩序な絡み合いが脳の味覚処理を慌てさせる。そして、思考を麻痺させるような恍惚を食べ手に与える。であるとするならば、この台湾まぜそばは、まぜてもまぜても、旨さが秩序的であり独自なコスモスを形成するような感覚。そん錯覚すら覚えるが、実は単にハートランドビールに酔って思考が壊れているだけかもしれんが(笑)。


 台湾ミンチ、風味搾菜、ニラみじん。その3種のみで十分と思えるほどのまぜそば味わいのバランス感。シンプルさがカオスを凌駕する感覚がいいね〜。







 総じまして、「大人の台湾まぜそばという感覚。このお店の雰囲気と、このレベルと仕上がり具合なら、女性を伴っても何となく治まることでしょう。ここは、再訪問必須でしょ!なんだけど、しかし私の行動範囲からは少しズレる点が厄介。駅から道中に、多賀野、井田商店という興味をそそる店もひしめくものの、何となく応援モードが絶えない気分です。次は汁系を食わせていただきますよ!なので詠います!



   台まぜも
   ところ変われば
   ハイセンス


   ジャンクな一杯
   ファインな仕上げ



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!






関連ランキング:ラーメン | 荏原中延駅旗の台駅荏原町駅

キリン ハートランド500ml×20瓶

キリン ハートランド500ml×20瓶