ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1356】 らあめん HAJIME (東京・十条) 牛塩らあめん

 以前から気にはなっているお店の開拓。なんだか気持ちがモヤモヤっとしていて、どうもスッキリしない。何か達成感が欲しかったのかもしれませんが、池袋に用事があって少しだけ遠征気分を味わいました。さてさて中途半端な訪問時間ということで混雑はしていないだろうと高をくくっていたのですが、なんとカウンター最後の一席に滑り込むという昼下がり。安堵を覚えます。


 しかし・・・カウンターに並ぶビール瓶の数が多いのには閉口してしまった(笑)。地元の「みたか」ではしんみりと飲むことはあるのだが、こうも堂々とおばさまランチがお祭りで開かれていようとは。何にせよ羨ましかぎりであります。カウンターの隅で背中を丸めながら、私はまずは定番から頂くことにいたします・・・・・「牛塩らあめん」。




 



【スープ:牛のゆったり感が柔らかく広がる独特な展開、軽やかな塩気に実に親しみを覚える】


<脂のゆったり感は、やはり「牛ならでは」の独特感・・・まさに牛肉のコラーゲン感が滲む>


 さてこちらの一杯、ラーメン本などで幾度も紹介され、またカップ麺にもなっている有名な麺顔です。しかし、ちょっと凛とした風貌を期待し過ぎたか、オーディナリーな巷のそれを感じさせまして、やや肩すかし・・・・。ま、こんなものかと気を取り直してスープを啜り上げるが、いやはやどうして!最初の一口目は塩味のアッサリさが広がる程度でしたが、ある時点からクリッピングポイントを越えたように、ぶわーーーーっと、豊かな動物のコクが広がり出します。そのコク・・・・肉厚のようなれど、クリアーな感覚。そして全般的にはゆったりとした感覚。なるほど「牛」を感じる瞬間ですな。関西転勤時代には、松坂牛の一杯を食って目眩がしそうなほど感動したっけ・・・・。それ以来、牛のラーメンには一目置いているのでありますが、久しぶりの独特な満足感を感じます。そう言えば・・・千住のマタドールもご 無沙汰しているな・・・・。


 牛のテールスープと言えば誰もが想像しやすく、嫌いという方はあまりおられないだろう。でも骨エキスというハッキリとした濃密さはなく、さらっとしている・・・・。肉自体からくる旨味か?このコラーゲンはどことなくそれに似たゆったり感があると思えるのだが・・・・。腹が減っていると何でも敏感に反応してしまうので、逆に当てにならない自分の分析なのですが、濃ゆいのに軽やかといった独特のコラーゲン感は秀逸でございます。ラーメンスープというより、牛のスープと言い直した方がピンとくるかもしれない。





<軽やかな塩気は抑えめで尖り無く、トッピングの天かすに親しみを覚える>


 とにかく、塩気がマイルドなのです。ひっかかりがないという表現は使い古されたものだけど、今回も躊躇無くその形容を使わせていただきたい。塩気がもともと淡麗なれど、牛のコクとあいまって角がますます丸くなるといった感覚。ごくごくと一気に飲み干しても喉の乾きが少ない塩ダレ感覚。魚介がなくとも落ち着きを感じるシルキーな仕上がりと申せましょう。


 さて、もう一つ牛とは別に馴染みのある風合いを感じる。なぜかこの一杯のトッピングには、玉ねぎの天ぷらが崩れたようなものが入っている。完璧なお姿でなく、崩れた姿なのでこの格好が狙いなのかそうでないのかは不明。されど・・・天かすがまたいい味わいをスープに滲ませる。例えるなら、天ぷらそば。あのカリカリの天ぷらが、淡麗な醤油系和そば出汁に混じって油を放出し、出汁が甘く感じることがあるが、あの感覚にどことなく似ている。そういった風合いも妙に牛コラーゲンのコクと喧嘩せず、一体感を与えて、面白い味わいに昇華させているように感じる。









【麺:素朴さを感じる細平打ち縮れ、見た目柔らかでも中身はハードなクッシリ麺】


<細麺平打ちなれど、縮れがハッキリしてコシが強い!スープとコントラストが際立つ>


 いい一杯というのは、スープも良ければ、麺もよく、お互いがバランス良いもの。この一杯も例に漏れず、実に麺が調和している。しかもスープのゆったり感とは対立的なのに、全体的にはまとまりがあるという構図。麺は、実にハードでスープに「負けていない」のであります。麺を茹でるときに手揉みしたかのような不規則且つナチュラルな縮れが、旨さをさそう。しかも細麺でやや平らに潰れた風貌。麺の白さが品質の高さを感じさせます。

 
 そして前歯を突き立てて千切り出した瞬間に脳裏にビット(!)がたつ。実にクッシリとした強い反発を感じて、クシクシと上前歯を舌に押し付けて千切り、奥歯へと送り込む。束になったそれらは、奥歯でクニリクニリと時間差を感じるように・・・意識したすり潰す感覚。モチモチ系というより、全体の圧力で沈み込むというテンピュール系な反発感覚。咀嚼の間にも軽く風合いも感じるし、実にお気に入りと思わせる。




<汁を吸って「中カタ」「外プリ」なスベリ感・・・のど越しも滑らか>


 汁を吸わないようで、やや吸うように思えます。しかし全体の雰囲気は変わらなくて、ハードさはキープしたままです。若干、汁を吸い「外一枚がぷり!」とした感覚に変わる。だけども中の固さはキープのままで、全体的にはややしなやかさを増す。その状態が一番滑りとしては、快感を覚えるほど滑らかで、のど越しにおいても残像を感じるほどに・・・・食べ応えを感じます。麺の密度感が高いこともあって、腹持ちが良いとはこのことかもしれませんな・・・。






【具:オーソドックスなバラ肉チャーシューが安心感をあたえますな・・・・】


<中華っぽいチャーシューバラ肉の作り込みがミスマッチでむしろウケる>


 チャーシューは、中華のオーソドックスと思えるほど、醤油ダレがやや甘く、その側が軽く食紅をほどこされたバラ肉。脂肪と赤身の層が奇麗に整っていて、食むと白飯に合いそうな香ばしさもあります。ここで感じるのだけど、全体的には和より洋を感じる全体感。されど肉だけはちょっぴり中華を感じる。でも改めて記憶を反芻するに・・・・それほど中華一辺倒な肉でもないわけで・・・記憶ってあてにならないね・・・。おそらく、洋な雰囲気と少しズレている部分がミスマッチと思えて記憶に残っているだけなのでしょう。肉の脂身の甘さだけは、しっかり覚えているのだけど。




<玉ねぎの甘み、穂先メンマの風味・・・・しっとりとしたトッピングに和む>


 残ったトッピングも軽い甘みによく合っていると思います。天かす衣がはがれてた玉ねぎのシャリシャリ感とその甘み。穂先メンマのゆるい風合いとクニャリとした歯応え感。それら全体的になんとなく「しっとり」とした感覚を与えてくれます。こういうのがあって最後に「ああ、実にやわらかい味会いの一杯であった!」と思える次第です。







 総じまして、「お金と時間に余裕があれば!確実にローテ入り!」だという感想。


 通勤定期の都合上、往復数百円の出費が出るのと同時に、池袋から先にまた乗換・・・という点が個人的にはネックです。それを超えてまで定期的に食いに来れるかと問われれば、そこまではということに・・・。しかし、好きな味わいであることは確かで、腕前としても非常にナイス! お金と時間があれば、千住のマタドールにも行ってみたいし、こういう悩みは永遠に解決できませんな。・・・なので詠います!



   ゆったりと
   秋の日暮れに
   ぼんやりと


   師走が迫り
   ひと時休む




 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!






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