ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1355】 麺屋 彩香 (東京・保谷) 味玉塩

 なんだか・・・新しい仕事についてまだ感覚がつかめないなと、ぼーっと週末を過ごします。そして、とあるラーメン店に来ても、カウンター越しに調理作業をぼーっと眺めているのは、作る方にとっては迷惑なのかもしれないが、これが気持ちが落ち着くというか安らぎに近いものを覚えます。レビュアー/ブロガーだと何やら何でもチェックしているようにも思われているのかもしれませんが、他意はありません。ただ眺めているだけ・・・・。本当に助手さんもおられず、お昼過ぎとは言えひっきりなしに入れ替わる客の調理・配膳・片付け等、お一人でめまぐるしく動いておられます。そんな・・・保谷駅近くの「麺屋彩香」さんに本日はやってきました。それにしても、いい仕事の手順を見るのは気持ちよい。きっちりと手順・法則などあるようでちゃっちゃとした作業をただ見ているのも、悪くないですね・・・。かなりぼーーーーーーーっとしている時間が経過したのか、いろいろ明日のことを考えていたら他客のものと思われていた一杯が唐突に私の前に差し出されやや驚く。

  






【スープ:明るい魚介の伸びしろを感じる、塩と鶏の旨味も芳醇でいてどこかあっさり】


<鶏の豊かな甘みと、明るく広がる魚介の風味が満点!>


 そんな配膳の瞬間、やはり「キレイ系」な定番なる塩らーめん・・・という感じですね。提供されるすべての一杯をご店主は味見チェックしておられるので、信頼性品質保証は完璧なのであります。で、味わいだすと・・・・鶏系の香味油のゆらめきが、まったりとクチの中に広がりサッパリなれど清湯なのに濃厚!とも言える円やかな味わいが味わえます。鶏の旨味がとても明るく、脂の使い手としては中々だと感じさせてくれます。しかしながら・・・以前食した醤油より、心なしか魚介の風合いが濃いようにも思えてなりません。


 煮干しの苦みのような味わいではなく、いりこの甘みとか節の旨味成分とか・・・・そういう香ばしい系の旨味の濃度がやけに濃ゆく感じてしまう・・・。この感覚は、醤油ではなく塩らーのみが発揮できる個性なのかもしれません。魚介の旨さが素直でストレート!それに「明るさ」すら感じてしまい、心までほぐしてくれそうなくらい、柔らかく楽しませてくれます。魚介といえば煮干の個性!?されど、鰺・サンマ等片口鰯以外の旨味もあることですし、節や昆布とのコラボも中々のものです。ともあれ、薄いスープカラーに反して。実はかなり旨味をさらーっと上品に回していると言えましょう!




<出汁がやや濃ゆいのか?塩気も感じるがマイルドな味の輪郭>


 ・・・などと考えつつ、後客の調理とか、厨房の中とか感じながら食するのですが、かなり「醤油」と「塩」とて調理において調味が違うことに、なんとなく気づきますな・・・。生醤油系の醤油ダレは、頻繁に温度管理のため、冷蔵庫の出し入れが頻繁です。それに対して塩系は、それほどではない一方、旨味を形成する香味油の構成が複雑かもです。ひょっとしたら、ベーススープすら、塩と醤油で変えているのかと思うほど・・・・魚介がふんわり程度とは言え、濃ゆいと思える。鼻孔に駆け抜ける香りが香ばしく鮮やか。まさに「彩香」という瞬間です。


 ・・・などと考えつつ、一方でやっぱり料理人の動きをチェックしてるやん!という自分を発見する。いかんな・・・。ベーススープはかなり完成度が高いと思われ、鶏の旨みが芳醇であることから丸鶏の出汁と踏んでおりましたが、丸鶏+鶏ガラのW鶏コクとのこと。確かに透明度高いスープにしては濃厚さもありなむ。透明殿なかにじっとりとした風合いは、魚介の仕業と思っていいましたが、それだけでなく鶏ガラもあるんだと感心いたします。


 塩気の輪郭は実は控えめで、旨いと塩気の区別がつきにくい程度の濃さ。岩塩というよりは柔らかい塩気を感じるけど、水の性質で塩気も変わるので真偽は不明。でも鶏コクと魚介の濃い部分を感じ取れるので、そこそこの塩気がないと引き立たないのではとも感じる次第。ともあれ塩ラーメンは、ダイレクトに塩気と旨味を感じるところが好き。







【麺:しなやかで品がある細麺ストレート・・・】


<絶妙な茹で上げでしなやかさの中にクツクツとした感覚がある>


 確か、町田から赤坂に移転した名店の関係者と記憶しているご店主。湯切りの技も大型テボの底部分と壁部分で分けて、打ち付けながら湯切りするスタイルが・・・・どことなく師弟関係を感じたりもする。それに麺へのこだわり方というか繊細な部分も、この麺からは感じ取れ共通的なものを感じたりもしますな。


 とにかく細麺ストレートがキレイです。標準よりも一回り細めの麺でして、加水も中から多のくらい。されど白い地肌はきめ細かく、極めて上品。茹で上げのタイミングが非常に微妙と思える。一度に3玉処理が限界のよう。湯釜には3つ分のテボしか配置されていない。汁に投入された麺は本当に丼の中で整列するかのように泳いでいるのがキレイ。箸でリフトして写真撮影を終えて啜り上げて食うのだが、リフトの途中から麺のしなやかさが手に伝わるかのよう(笑)。そして前歯でカッティングする訳ですが・・・・・・柔らかい歯応えの中に、クツクツっとした部分があって、なかなか爽やかな麺とお見受けする次第。奥歯で束になったそれを咀嚼しても、ブツブツブツ!とキレイに潰れ千切れる感覚がたまらん!




<汁をすいつつも凛とした感覚、舌に貼り付くようでいてスルスルと抜けが良い>


 地肌はとにかくきめ細やかで熟成度も感じる。それらは汁を吸う性格があるようにも思える。しかし吸っても最後まで食ったりしない凛とした表情があるのが実にいい感じです。一本一本が貼り付くようなまとまり感があって、全体的にはスルスルと喉の奥へとスベリおちていく感覚。理由も無く、どこか女性的な印象を受けます。地肌自体は舌に貼り付くような感覚なれど、どこかスベリの抜けが良い。いい感じですね・・・。




【具:味玉の深い仕上がり具合が実にまったりとしていて濃厚!】


<薄口醤油ダレで白身がぷるんぷるん!黄身も甘みが引き出され・・・>


 味玉は外すこと少ない具材ですが、今回もなかなか楽しませてもらいました。漬け込むタレのアッサリさと塩気と旨味の芳醇さ。それと黄身と白身がもつそれぞれの個性が絶妙にマッチしています。まず白身は完全に全体に下味が染み込んでいて、崩れる仕草が固い豆腐のようにも思える。白身から風味を感じることもできて、擬音語で例えるならば、「フルフルッ!」とした感覚です。


 そして黄身の方はというと・・・実に濃厚に仕上がっております。ゲル状、ジェル状それぞれが境界線なく際立っており、醤油ダレの味わいが、黄身の旨味とあいまってむしろ甘くも感じる。そしてより濃厚にも思えて・・・・一杯全体が淡麗な味わいの中で、マグマのような濃厚さの極地といった感覚でしょうか。嗚呼、だから味玉は追加トッピングとして外せないのですな。




<むしろ脇役だったチャーシュー・・・炙りで甘さを引き出す>


 さて・・・・チャーシュー。トッピング前にハンディー・バーナーで軽く炙って甘みを活かすのが見て取れますが、実は、印象に残っていない(笑い)。バラ肉の皮に近い部分だったのですが、あまにも脂肪分が多すぎたためか?(笑)。でも、脂肪部分にまったくの嫌味がなく、すんなりと甘く舌の上で溶け出したのが好印象として記憶に残ってるだけかと・・・・。チャーシュー飯など追加で注文して確かめて見たい気もする。




 総じまして、「当然また来るでしょうよ!定番ばかり食いつづけますとも!」・・・と言った食後感。


 こちらは、醤油と塩の一品がとてもきっちりとした仕事ぶりなので、限定よりは定番の方に魅力を感じます。今回は塩の出来映えの良さを確認できましたが、醤油ダレの広がりとぴっちりとしたピントの良さも捨てがたし。そういう「きっちり感」とか「ピントの合った」ような仕事ぶりを体感したいというのが、個人的には大きな訪問理由と思います。とは言え、こちらで提供されます「煮干し」も興味がありますしね。保谷って地味なイメージあるけど、ラーヲタにとっては、ぱぱっと4〜5店舗くらいいい店舗が密集する、いいエリアだったりする。その中で控えめなこちらのお店は、応援したくなってしまう、どうしても。なので詠います!



   暗がりに
   隠れ隠れて
   ひっそりと


   奥の細道
   鮮やかキレ味




 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!





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