先日、職場で最近楽してないかと良く言われるのですが、以前が酷過ぎただけじゃと言い返してやりました(冗談:笑)。一人3役みたいな事をやっておりましたからな・・・。当然どの役割も不十分な成果と成らざるを得ない。だから、よく怒られたな(笑)。本当によく怒られた。深夜残業してもおっつかなかったから、早朝に出て来て深夜まで仕事をする。当然パフォーマンスがだんだん落ちる。他にふれないから、鬱積が溜まる一方でして、だんだんと他に生き方があるんじゃないかと考えるようになることもありました。
そういえば、コンビニの店長になろうかと真剣に考えたことがあった
親戚が土地の有効活用するとのことで、某コンビニに土地を貸すことになった。そして、店長やってみるか?と冗談だかわからんが打診をうけたのが、丁度このころ。一応断ってから、しまったかな?と少し真剣に考えたことがあって、迷ってたら既にチェーン店舗本部からマネージャが送り込まれるとのこと。で、その話はご破算になりました。そんなにコンビニって甘いもんじゃないぜと言われるのだけど、あのころは、代われるものなら何だってできそうだった(笑)。
・・・などと考えながら、JR蒲田駅を降り立ち某コンビニの角を曲がって目的のラーメン店に向かうのだが、そのコンビニの看板を見るたびに今でも・・・・「あの時決断してたら、俺の人生がそこにあったのかもな」とつくづく思うのです。コンビニの看板を見るとたまに私はブルーな気分になるのです。しかし、そんな気分を払拭するかのように、そのラーメン店の看板は、黄色く元気に光り輝くのです。
光に吸い寄せられる蛾のように「暁」さんに侵入。気さくで明るい店員さんが奥へどうぞと誘導してくれるままに着席。少し混み気味なのだが、なぜか4人ようテーブル席を一人で確保なのだ! VIP気分をこういうので感じるなんて、つくづく器が小さい男でありますな。ささっと食券を渡して店内をキョロキョロ観察しながら、その一杯を静かに待ちます。
【スープ:非常にスムースな口当たりにドンドンと魅せられた醤油スープでした】
<口当たり引っかかりなくドンドン魅せられる醤油ダレ>
配膳の瞬間、丼の虹色縁取りに目がいきますが、いやいやどうしてどうして・・・落ち着いた麺顔。派手さというより、明るい醤油の出汁感がいい感じです。鶏ガラの薄らとした脂の和が水玉模様のように広がります。そして少しだけ、クリアーなラードのような香味油がピッチリと決まった麺顔です。早や、一味の欠片の浮遊を確認いたしますが、味の輪郭に興味が一気に加速いたします。慌ててスープの撮影を終え、レンゲをクチに含みますが・・・
ん!!当たりが柔らかいやん!
塩気とか醤油の風味感がしっかりしているのに、すーっと舌に染み渡る感覚を覚えます。とてもコク深いのに、あっさりとした味わいというのはよくある上質なパターンですが、これもそうとも言えます。しかし、このいかにも引っかかりがなくすーっと入ってゆく感覚が秀逸!どんどんとこのスープの魅力に惹きこまれていくようです。醤油の酸味とかカエシのエッジングがピッチリとしているのに、出過ぎた主張がないのは、魚介の落ち着かせ方でしょうか?
<鶏豚コク豊かで節のと昆布旨味!ザーサイニュアンスもいい!>
鶏豚コクが出汁のごとく十分にキレイな煮出し感覚を覚える一方で、この落ち着き具合は、昆布と節の旨味のバランスでしょうか。乾物の旨味み滲み出ている感覚。ゴクゴクと飲み干しても、のどの渇きを覚えないというか、ナチュラルな塩気です。その塩気も少しエッジングに工夫が感じとれるかも。一味の淡いエッジが仄かに響く。
よく味わうと、これはザーサイ系の味わいが滲んでいるためか、ジンワリ中華系の味わいも感じ取れます。そしてそのザーサイエキスに一味が一体化しており、中華出汁の演出を感じますな。具のニュアンスがいい感じでスープに好印象を与えております。
【麺:低加水の魅力を堪能いたしましたわ・・・・粉の風味に酔う】
<細麺低加水ストレート麺・・・という選択>
さてこの一杯、とてもいいなと感じさせるのは、麺の選択。細麺系のストレート。そして低加水です。後客の常連さんの注文を聞いていると、麺の固さをお伝えになっている。なるほど・・・・券売機に「替玉」ボタンがあったわけだ。麺の小麦風味を味わう系か・・・・。壁に目をやれば、なんと、わが故郷京都のカリスマ製麺所の文字が踊っておるではないか。あの製麺所って麸や胚芽混入の風流麺が得意とばかり思っていたんですが、こういう小麦粉風味一本やりというのも得意やのね。知らんかったわ(製麺所勘違いだったらご容赦を)。
デフォルトの茹で上げで、芯を薄く感じる程度。これがまた・・・・粉の風味を良く表しておるのですわ。熟成した粉感がたまらん。旨し!豚骨だったら埋もれてしまいそうな淡い粉感が、このあっさりスープの中では、とても伸びやかに感じます。大抵、このスープ系統だと、中加水かモチモチを効かせたいところですが、この低加水との組み合わせが、実に泣かせるやん。
<汁を吸ってもなおクッシリというニュアンス>
また、汁を吸ってもなかなかニュアンスのバランスが崩れず、最後迄楽しませてれるところがええのです。麺が汁吸ってよりしなやかになって、あとは歯応えは脇に置いておいて、スベリをメインに楽しむ・・・・という何時もの感覚といい感じでズレる。かといってスベリを犠牲にしているわけでもなく、実に不思議な感覚ですな。
とっぴんぐの小松菜の若いフレッシュさを感じる苦さと、この麺の粉風味のコラボレーションもまた憎い。これらを一度に食すると、歯応えのコントラストもさることながら、お互いの風味の重なり合いが、いい感じでハーモナイズされとるがな。いやいや〜、スープと麺の両方にちょっとだけ武者震いしたのは久しぶりか。
【具:スープと麺にとても貢献しているトッピングなのです】
<豚の歯応えある脂身が、中華っぽくていいね>
ここでようやく心落ち着けてチャーシューを頂く。改めてみると、70%が脂身の三枚肉スライス? 脂は熱に溶け出すというより、歯応えしっかりとした脂身で、歯で噛み締めてジワリと肉の旨味を感じ取るタイプ。脂身がなぜかとても健康的にすら感じる、上質な脂加減。噛み締めて旨しと心でガッツポーズ。タイプで言うと「肉そば」によく見かけるような小ぶりでしっかりした肉味。醤油ダレの染み込みではなく、軽い塩味で楽しみたい一品かもしれません。
<ザーサイニュアンスに一味も加わりいい仕事ぶり>
さてさて、まだまだ飽きさせません。この一杯は、メンマではなくザーサイ? 醤油ダレの漬け込みあるザーサイという感覚で、千切りタイプになっているから、正直もうしてザーサイかどうかも分からん程度の、タレの染み込み。既述の通り、味付けに一味を少し入れているため、やんさりとした塩気のエッジングがまた旨し。スープに溶け込んで少し薄味になったところを、麺と絡めて食っても、また面白い歯応えが楽しめるという感じですな。
総じまして、しばらく蒲田に通いたくなるほどに、目鱗な一杯。このエリア・・・・開拓度としては、極めて進んでいないので、強化せねばいかんなと改めて感じます。夜遅めまで営業しているところも多いので、ちょとこれから頑張ってみるか(笑)。餃子しかイメージなかったエリアのラーメンは旨かった夜でありました。そして、後になってしまったけど、接客も気持ちよかったな〜。何を特別にされたということはない。なんだけど、居心地を良くさせてくれる何かが自分には合ったのかもしれません。ここはまた来たい。つけめんも旨そうでありますし。などと考えると自然と顔がにやける帰り道の京浜東北線の車内。不気味な中年の笑顔が夜の車窓に映る・・・・。なので詠います!
仕事終え
回り道して
旨し麺
迎える看板
食ったら笑顔
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!

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