祭りの季節の始まり。そんな晩春と初夏の間の活気を感じます。神田祭も過ぎてしまったけど、お江戸はお祭り好きが多いようで、あちこちに時期をずらしては毎週のように、どこかで祭り音を感じます。京都生まれの私は、コンチキチーン・・・・という町鉾の音や、転勤時代に神戸で感じた・・・だんじりの太鼓のリズムも懐かしい。それにお祭りと言えば、屋台がいいよね!うちの子供ときたら、この屋台が大好きなのでありまして、雑多な雰囲気やら、いかにもB級な食べ物やら・・・相当興奮を覚えるようです。前の夜なんかなかなか寝付けなくて困るぐらいですから。
屋台もいいけど・・・祭りなら昼からビールが煽れるぜ!
ところでこの屋台なのですが、私の近くのお寺で催されるお祭りは、地域自治体の方々がすべてを取りしきっておられる。なので、たこ焼きや、焼きそばなど、食べ物がどこか「業者なれ」しておらず、素朴さも見え隠れする。でも食べ物としては、どこか親としては安心感がありまして、優しいうまさがいいと思えるのです。そんなことがあって、御飯代わりに食べたのが、やきそば、たこ焼き。そして、思う存分祭りという解放感からビールをしこたま飲んでしまって、とっても解放感を味あわせていただきました。
・・・・などと前日のことを思い出しながら、今日もチャリをこいで・・・・ラーメン行脚です。天気が良く気温もぐんぐんと上がるお昼時、相当汗をかいてしまったし陽に焼けた(笑)。運動したからお腹が減ってきたわ(笑)。
【スープ:クリアー感の中に円やかさと仄かな魚介甘みを感じるバランス感覚溢れる仕上がり】
<円やかな醤油ダレの感覚と・・・魚介の仄かに甘いやさしさ。全体的にクリアー>
配膳の瞬間の・・・醤油スープのきらめきにうっとりですな。鶏ガラ?と思しき脂の輪がサイズそろっていてキラキラと光り訴えかけますやん! こういうスッキリ醤油に関東の粋を感じますがな。しかもクリアーで深みも感じる崇高系っていうイメージ。わざわざチャリで足運んだ甲斐があったというもんです。丁度運動で使って来たカロリー分に収まるようなヘルシーさも麺顔から溢れる。
味わうとそのスープ感は、醤油のクリアー感なのですが、キワキワのクリアーさでもなく、そこに落ち着きがあります。甘さと塩気のバランス感が良く、どちらかというと、最初はその甘さに唸る。煮干し!というアピールさはなく、魚介の落ち着いた甘さが広がるという感覚か。確かに醤油のタレの存在も感じる、ピッチリ感もありバランス感ある塩気もあります。それは、節の成分か昆布の出汁と一体化したような・・・優しく丸い塩気。醤油ダレに酸味を感じるタイプではなく、円やかさでアピールしてくる醤油感ですな。
<あっさりとした鶏ガラと豚コクのバランス感!下支え感ある落ち着きがナイス!>
それにしても、ちゃんとした醤油らーめんと感じるのは、その食べ応え。ほどよい鶏ガラと豚コクの脂感がいい。いわゆる「アッサリ系」の王道と言った感覚で、最初からゴクゴク飲み干しても、後で喉の乾きを覚えるようなタイプではありません。これなら低学年の子供とでも安心して食べに来れる。
後味に動物系のコクを引きずることもなく、旨味自体が、魚介か動物系か・・はたまた醤油のまろ味かも、区別しにくい一体感がいい。ちょっと飲み過ぎで胸焼け気味であったこの日、それでもスルスルと体の中に入ってゆく。その体内浸透は・・・・アクエリアス級!
【麺:ハンドメイドの極地!といった感ある平打ち太縮れ麺!!食ってて楽しい!】
<しっかりと粉の風味を感じる!ハンドメイド感溢れる平打ち縮れは極モッチリ感!>
何と言っても・・・この一杯、この店のテーマは、この麺!ハンドメイド感が全面からあふれまくっている。多加水平打ち縮れの手打ち麺。これまで幾度となく食って来たこのテーマですが、今回特筆すべきはその風味!です。醤油スープもあっさりしているのもあってストレートに食べてに伝わる。
麺のモチモチさとよく言うけれど、麺の反発に「グルテン!」といちいち脳裏にキーワードが浮かんでは消える。麺のモチモチを楽しんでいる最中に、粉!地粉の風味を感じまくりなのであります。かん水も選りすぐったのでしょうな。炭酸カリウム/ナトリウム等天然素材でもいろいろ特徴があるそうですが、非常に粉の色合いの濃さがそのまま残っている。まさに麺料理といった感覚があふれますが、これ・・・作るの大変でしょうね。カウンター席も6席??程度しかないけど、数多く提供できないのなら、この店サイズの意味が分かる気がするのです。
<これまでにないスベリの面白さ!すすること自体が楽しくなる!>
歯応えだけではありません。この系統の麺はすすり時点の抵抗感を楽しめるものとは言え・・・・その感覚が、これまでにないと思うほどに、楽しいのであります。ヌメリは一切ないのに・・・・表面がキラキラしていてコーティングしてあるかのよう。そのため、スベルわスベルわ・・・。しかも、ただ単に柔麺でもなく、グルテンを感じさせる抵抗感もありますからね〜。
茹で上げにはとても気を使うだろうと推察。テボの狭い中で泳がせるより、麺釜全体で泳がせているようすが伺えます。平ザルを使って魔法のように次々と麺が生まれてくるような手さばきをただ、ぼーっと見ていたけれど、いい茹であげのコントロールを感じますよ〜。打つ方もナイスなら、茹でるほうもナイス!
【具:感覚を麺とのマッチングに合わせているかのような仕上がり】
<厚みと歯応えが、麺とクリソツな感覚に襲われる(笑)>
定番のバラロールチャーシューで、味付けも醤油ダレそのもの。想像通りで旨し。そして厚さについては・・・偶然か、麺の厚さにも共通するところがあり、歯応えがその麺の抵抗感と、気のせいか近いように感じる。なので、チャーシューが崩れてからは、麺の中にチャーシューが入り混じったようになるので、いつの間にか、麺と一緒にチャーシューを啜って口内に取り入れている。モグモグと咀嚼してみても、歯応えが同じじゃな。
<メンマも然り・・・コリコリ麺かと勘違いしてしまいそう(笑)>
メンマのサイズも麺にの幅にピッタリと合っているかの印象です。チャーシューと同じく麺と思ってすすり咀嚼したとたんに、あ!メンマだったの!?と気ずくという感じですかな。適度なコリコリ感とクニャリ感が混在していて、これも特筆するでもないが、しなやかで一定の評価をしながら、一気に食ってしまったな・・・(笑)。
総じまして、少し初夏の余韻を感じさせる突き抜けた青空に、どこか食後感と共通するものを感じる。ハンドメイド感溢れる麺に食後感が一色に染まったような感覚なのだけど、この麺なら、いろいろとバリエーションを楽しんでみたいと思えて来る。もうすでに「冷やし煮干そば(だったっけ)」なるメニューも開発されておられるようですし、過去には担々麺があったとのこと。きっと合うのだろうな・・・。作り置きがきかず、かといって大量生産もできないようですけれど、この麺ならまたチャリを走らせて食いに来たいと思います。なので詠います!
どこまでも
ハンドメイドの
心地よさ
薫風見まごう
その麺感触
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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