【コレ食ったわけ:通勤途中で気になる看板を攻めてみたくて・・・西荻窪へ】
中央線で通勤していて、車窓をながめつつ・・・・いつもこの看板が気になってたのよね〜。駅のホームからババン!と目につくその丸と福のシンプルな構図は、デザイン的にもナイスです。ちなみにこの看板もすてき!阿佐ヶ谷駅で停車中、ちょうど目線が同じ位置に・・・・。レッサーパンダが、一升瓶を立ったままラッパ飲みしている看板。「直立不動でお吞みください」というコピーも朝から笑わせてくれます。
<立吞 風太くん> http://ys-foods.seesaa.net/article/108315082.html
とはいいつつ、荻窪界隈を中心とする中央線エリアでは、古参で有名店だとは知っておりました。西荻窪で今回は、黄色いパイナップルではなく、丸福さんに突撃させていただきました。
【スープ:昭和が息づくのは店だけでない・・・このスープはオヤジ泣かせな、レトロ調ですぜ!】
店先からして期待を裏切りませんな。昔ながらの中華そば屋たるオーラを半端なくまき散らしておりまして、光に吸い寄せられる蛾のように、オヤジどもが入店していきますがな(笑)。二階建て。2階は喫煙席とのことでしたが・・・・・ええ感じで席がそこそこ埋まってて、あえなく1階カウンター席へ・・・。一応、禁煙席なんやけど、そうたいそうな雰囲気もないけどな(笑)。一応、店先の看板からワンタン麺がイチオシそうに感じたのでそれを注文! 調理場が丸見えなのは、電車の先頭車両の一番前の窓越しをゲットするのと少し似ていて・・・・とても楽しい! しかし・・・配膳された瞬間は、ちょっと歴史を感じるというより気の抜けた大衆系で少し笑ってしまったのですが(笑)。しかし・・・・・結果的には唸ってしまった旨さでありました・・・。
「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「まだ日本が贅沢でないころの最高に旨いラーメン!って感じが生き生きとしますな!」
1)旨味:これは王道の懐かし系醤油!豚コクと醤油味をストレートで楽しみたい
うわ!このスープは一口で・・・・懐かしい!と思えて来る!関西人やのにね(笑)。でも長く庶民に愛されて来ただろうと容易に理解することができます。三鷹の「みたか(旧えぐち)」とはまた違った・・・・中央線沿線独特の大衆中華そばやね〜。このジャンルでは、調味料万歳でありまして、合理的というより敢えてその味わいの妙を確かめたいという気持ちに思えて来る・・・。
一口目から、醤油のまろみがブワ〜と広がりますが、しかし、その厚みは実は薄っぺらい・・・・(笑)。でもそれが断然に良いのだ!! 醤油にキレがあるというのではなく、どちらかといえば丸いと思えるエッジング。醤油のニュアンスが大衆的と感じるのは、調味料と化合生成しているからか・・・慣れ親しんだ旨味と感じるのです。 そして二口目には、これまた淡く豚主体の動物系清湯を感じます。醤油味を突き抜けるほどではないのだけど、香味油と相まって、なかなかじんわりと響いて来ます・・・・。食べ進めると、モヤシの汁が溶け出し少し淡くなってしまうのですが、それで最後は、ゴクゴクと飲み干してしまうには丁度良く、また誘惑的でもありまして・・・・。昭和生まれのオッサンには泣かせる味わいなのです。
2)塩気:化学調味料とクリアなライトカエシが嫌味なく!
塩気と言う程ジョッパイところはなく、むしろ旨味と区別しにくいマイルドな塩味が広がる・・・・。カエシと化学調味料の結びつく味の輪郭としか言いようが無いかな・・・。実はあとで少し述べるけど、ワンタンの味わいも影響して、ワンタン食したあとなら余計に塩気をスープであまり感じなくなってしまう。ま、醤油のカエシが素直にでているだけなのだね。
3)香り他:豚ミンチとラード?の仕上げ油が庶民的でナイス!
見た目に軽く浮遊物が浮いているので、あまりお世辞にも美しい麺顔とは言いにくいけど、そばかす顔もかわいいというもの(そういえば「キャンディ・キャンディ」全巻揃えてあったのを繰り返す転勤と引越しで、どこかで売却してしまったな・・・・・)。コンソメスープを自宅で作るとき、少しばかりのミンチ肉を沸騰させずに丁寧に煮込むと断然味わいが深くなるのだけど、それに似た効果がこの仕上げ油には機能しているのですわ。ラードとミンチ肉が合わさったような仕上げ油が実に良い。そうコストも高くないと思われるので、知恵と工夫をとても感じるな〜。
【麺:実に醤油にそまって旨そうなのであります!そういう物だと教えられた感じ】
それにしても、麺も初めてなのに・・・どこか懐かしいのはなぜ?
「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「見飽きた風貌のはずなのですが・・・・」
1)風貌:庶民的なカッツリさが伺える・・・・まさしく「そば」なお姿がナイス!
普通のストレート麺なのだけど・・・この醤油スープをまとった褐色は妙に旨そうに感じるのです。別に古くささも感じることなく、本当に普通に旨そうに見えるのは、ベースの薄黄色と表面の醤油ブラウンの折り重なるグラデーションが成せる技なのか・・・。また光沢もいいのです。ラードが上手に機能していますね・・・・。
2)感覚:中加水からやや多方向に感じながらも、程よいかん水で・・・エッジ立つクチリ感覚
スープに堂々と調味料が入っているように、かん水かアルカリのニュアンスもたたえますが・・・・・それが、粉の潰しにしなやかさが増し、茹で上げによりますますカッツリ!とクチリ!と中間にあるような麺の反発を覚えます(何を行ってるのか自分でもわからなくなってきた(笑))。いわゆる、前歯の最初の千切りは「スパスパ」と小気味好く千切れる。そして舌の上を通り過ぎ、奥歯のすり潰しの段階になって、柔いと思っていた麺が、クチリとワンテンポずれて潰れる・・・・・・。
3)スベリ他:平ざるの適当ぶりから長年の経験を感じる(笑)それも味わいと素直に感じる!
平ザルの良さは、麺を大釜で泳がせること、それをささっとすくい入れ水気を取れるところ・・・。それにしては、ゆったりとしたご店主の動きでして、このマッタリ加減がええねん! どこかしら適当なところを漂わせるところもスキ!
【具:自由奔放な麺顔の中にある伝統】
1)チャーシュー(トラディショナル!)
昔懐かし・・・歯ごたえあるチャーシュー!・・・とは言うものの、アタクシは京都人でっさかい、また別のチャーシュー文化で育ちましたから、感覚で答えていますが。今みたいな、柔からかさ命なトロトロチャーシューとは別格でして、固めの肉を柔らかくしてみた・・・・という感じの仕上がりでナイス! ただし・・・もっとくれ!的なサイズ感ではありましたが。
2)ワンタン(これも懐かしい)
なんとなく・・・牡蠣に似たような形でしょ(笑)。ちゅるりんとする感覚も似ていなくもない・・・。でも、味わいは別もんなのは当たり前ながら、最近のあっさりワンタンともまた別格!ミンチ肉の歯ごたえと、濃いめの塩加減とスパイシーさがしっかりと感じ取ることができますねん!これで、白飯何杯でも食えるというヤツでんがな!
3)もやし他
もやしもこの盛りつけの適当ぶりがまたナイス!しかも・・・・シャキシャキ加減はええ感じなうえに、汁が塩分を中和するような淡い野菜感覚がまたええねん!
総じまして、「ここスキ!」と言えます(爆)。「中華そば みたか」は、閉店時間が早いため、それならこちらに寄らせてもうらおうかと思っています。なんとなく・・・・・また荻窪あたりの醤油ラーメンに目覚めた感もあります。春木屋だけでなく、ほかにもいろいろ渋い店がありそうなので、押さえておきたいな・・・・。帰宅途中に、瓶ビールを軽くあおってクリアな醤油ラーメンをさくっといただき帰る・・・・のが理想! またそういうのに適したお店を発見して嬉しい次第です。なので詠います!
懐かしき
オーラに誘われ
ふらふらと
昭和の味する
王道醤油
お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。