今更、やられたらやり返す!・・・・わけではないが、遠路遥々やってきてフラれた店というのは、どうにもこうにも悔しいのであり、より一層食いたい度が増す次第。代わりに突撃した店では、大変予想以上に旨かったので、遠征自体に不満は無かったはずが・・・。なので、フラれたら、意地でも食う!ということで、ある晴れた休みの日に突撃してみました。つっかぁ〜、午後過ぎからやっぱり仕事をしたわけで、その憂さ晴らしも先取りにしたという流れでありますが。
訪問時、シャッター気分で開店時間の3分前に到着してみたら、すでに先客が3名。その後ゾクゾクと後客が涌いて出たようにやってきて・・・・鄙びた商店街の一角だけにぎわっているという図式。最近こういうケース多いな・・・・。既に地元のラー好きの心をキャッチしているようでして、ご店主のお人柄もとても居心地の良さに拍車をかけているということでしょう。「芳醇鶏だし」というネーミングからして、自らハードル上げとるな〜と思えども、結果的には、自負の表れと受け取りました。いや〜、今年は塩らーめんの当り年かもしれません。
おお!これは穏やかな中にしっとりとした塩気と鶏コクでんがな・・・・、麺の風合いも徐々に鼻孔を駆け抜け・・・旨し!!
【スープ:落ち着いた塩と鶏の感覚!穏やかさの中に、しっかりとした塩の味わい】
<落ち着いた鶏のあっさり清湯!チョイと効いた節の風合いもナイス!>
色っぽさより、穏やかさが漂う鶏塩らーめんといった感覚。鶏をもっとアピールして鶏油で旨味をじっとりと醸し出す系かとメニューからは、察した次第だが、いやはや濃ゆさがちょうど良いです。淡麗でもなく、濃厚でもなく、しっとりと胃袋に染み入る感覚で、グビグビと飲み干せます。
鶏のコクは、ぼんじり等にみられる清油がほどほどで、モミジや鶏骨等のコラーゲン感はない傾向。なので割とストレートに塩気を感じるタイプだけど、塩のパンチ力も穏やか。どことなく、節系の旨味と鶏と塩が結びついたような感覚で、それが味わいの明るさの中に、穏やかさと落ち着きをもたらしているようにも思えます。そんな感じでチョイとだけ節を感じる程度がなかなか、オーディナリーのようでそうでない秀逸さを感じるポイントです。
<塩気も程よく丸みを帯びつつ、しっかり効いている>
その塩気は、節の貢献もありパンチ系ではないのですが、淡麗系というあっさり塩ともまた違うような・・・。塩を旨味としてじっとりと食わせるタイプと感じるが、がんこ系のようなボディーありありな感覚とは少し系統が違うように思えます。丸みを帯びているというか・・・・。それでもしっかりと塩気が効いている。穏やかに・・・。シンプルな鶏塩らーめんなれど、バランス感が中々よいと言えましょう。これなら、ラーメンそれほど好きでない女性でも、ちょっと旨い塩ラーメンを!と言う感覚で、紹介しても自信が持てることでしょう。
【麺:穏やかな汁に対して、キリリとした表情を浮かべる麺とものごし感】
<密度感あり色白!上品なストレート細麺!>
麺もまた秀逸であります。スープの上品さとほどよいバランス感が成立する色白ストレート麺です。切り口は、角麺が膨れっ面したような断面でして、芯が明らかに視認できます。要するに上品で穏やかな見栄えな割に、クシリとしたタイプでして、明らかな密度感がある。カタメが好きな麺好きならば、ややツボにはまるかと思われます。「やや」といった表現の抑えは、クッシリの中にも柔らかな物腰を感じますので・・・。
前歯の千切りもスパスパっとした中に、残像としてクシクシっとした低反発な抵抗感を感じる。奥歯へ送り込んですり潰しにかかった後でも、束になったそれらは、クシリと明確なテンピュール感のアピールをしてきます。その際には、鼻孔に熟成感じる粉の風合いを感じまして、中々腹持ちの良さをも感じさせます。
<熟成したきめ細やかさと、やや染み込みを感じる地肌>
この熟成した風合いがいい!後半になって、やや汁を吸い込むと同時にスープにも粉風味を与える。そしてより一層に、麺の地肌のきめ細やかさが光るといった印象。物腰もやや柔らかくなるし、たおやかな表情。啜りにおいては、麺の纏まり感もアップして、ずるるるるるるーーーーっと一気に啜り上げるときの、内頬と舌の上に感じる抵抗感が柔らかく、旨く感じます。思ったほどざらつき感もなく、風合いも感じる麺であります。
【具:定番の上質2種他チャーシュー!(本当はプレモルと共に味わいたかった・・・)】
<パフのような鶏チャーと、レア仕立ての上質ポーク>
最近、この組み合わせがとても多くなってきました。鶏チャーは、胸肉あたりか・・・きめ細かく、化粧パフのごとくの色合いとその歯応え感。繊維のスキマいしっとりとスポンジのように、塩スープを蓄え、噛むと一気に旨味と塩気を放出する快感は、もう堪りません。一方のロース系と思われるレアのポーク系なポークチャーシューは、程よい塩気を醸し出し、ライスというより酒を欲するほどの仕上がり感です。放置しておくとレアの旨さが減ってしまうので、慌てて前半で一気に食してしまうのだが、おつまみ系としては最高の肉でありましょう。
<メンマと海苔の風合いは、馴染みやすい味わい>
メンマと海苔については、ほどよい合格レベルといった一定の安心感と申しておきましょう。突き抜ける感覚はないのだけど、箸休めとしてはよく機能をしていると思えます。海苔の肉厚さは麺と一緒に食ったときに風合いを十分に感じることで分かる。メンマは、柔らかく裂けやすいタイプでフレッシュ感あるが、少しだけ醤油味が染み入ったという感覚か。
総じまして、「のんびり商店街にある、秀逸な穏やか系鶏塩らーめん!」といったそのままの印象。特製にするとちょいと値が張りますが、荒川線沿線の生活感あふれる中で、ちょっと崇高な一杯を食いたいという感覚でふらっと立ち寄るにはもってこいかなと。また、週末の昼ご飯として、ちょっと家族で足を伸ばしてというのでもいいかな・・・・。カウンターだけの店だけど、狭さはなく、雰囲気も明るいので、応援したい気分であります。されど・・・・、このロケーションは個人的にはツラいかな・・・・。また何かきっかけがあれば、立ち寄りたい次第です。嗚呼、今回は本当に天気にも恵まれのんびりとラー探できた!命の洗濯ってやつね〜!なので詠います!
のんびりな
店の並びと
荒川線
スープも客も
穏やかなり也
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
div>RAMEN にじゅうぶんのいち