職人気質が染み入る王道支那そば！
たまに急に食らいたくなる支那そば。私のイチオシはこちら「あおば」さんです。陸の孤島なロケーションで、西武柳沢駅と中央線武蔵境駅のちょうど中間。バスがオススメ。中央線三鷹駅北口から「武蔵野大学」に向かうバス・急行バスが便利です。
私のこの店・この一杯のイメージは「職人気質」。御店主が無骨な感じを受けるのですが、真面目で話すと実は優しい。姿勢がひたむきなようで、職人気質と言う頑固さもありましょうか。支那そばにもそんなところが深く滲んでいるようで、見栄えと旨さに響いているようにも感じます。
さて、ここでは個人的には「塩推し」なのですが、久しぶりに今回は「醤油」のネギラーメン。実は前日、Zoom飲み会で飲みすぎてしまって、ちょっと体調崩してしまったため、よりあっさりしたのを欲したため。いい歳して飲み過ぎだなんて・・・全く人間として成長しておりません（汗）。
＜全体＞ 奇を衒わず！隅々までビシッと質感映し出す凛々しい麺顔！まさに王道支那そば！
実は、ワンタンくらいは乗せてやろうと思ってたんですが、このタイミングはたまたまなのか？それと継続なのか？ワンタンがメニュー落ちしてまして、誠に残念。今回はシンプルに食らいます。それはこんな麺顔！。
おおお！まるでアイコンのようなビシッとしつつも、当たり前のように堂々とした存在感ですな！。まさに奇を衒うことのない、王道支那そばといった佇まい。箸を入れるのに少し緊張を覚えます。ネギラーメンと言うことで、かなり多めに葱投入されておりますが、圧迫感なく自然な感覚なのもいい感じ。葱の青さの隣には深い色合いのメンマが揃っており、中々凛々しくも感じる質感です。出汁は深いめな琥珀色と言うイメージで、表層には鶏と思われるエキス感が多数浮かんでは漂う雰囲気。そして麺をすっぽりと覆い隠すように、チャーシューが横たわり、脂身と赤身の重なる文様が実に旨そうに語りかけて来ます。全然フツーに見える麺顔なんだけど、やっぱり隙がない質感と言いますか・・・職人気質な一杯と感じます。
＜スープ＞ 魚介と動物のナイスバランス！柔らかいカエシに甘味すら覚える優しい出汁感！そして芳醇！
出汁が旨いんだよね・・・。短く言うと「魚介系と動物系のバランスが良い」のです。見た目の通り、動物系は鶏の明るく艶っぽい旨さが広がるのだけど、上品にも思うほどにそれはあっさりとしており、後口にもあまり残らずサラッとした印象。乾物類や他の旨味も感じる余裕があるように思えます。豚も入っているかは不明ですが、豚骨と言うより豚肉の出汁ってな柔らかい味わいもあるような？いつもの通り妄想が止まりません。
魚介系の旨味も溶けているようすで、それがまた全体を落ち着かせるような味わい。一通り乾物系は含まれてると思いますが、煮干しと言うより節系が深く滲んだような滋味深いところがナイス。そこが柔らかい醤油のカエシにもフィットしており、出汁を甘くも感じさえる部分かと、勝手に思っとります。
塩ラーメンの場合は、フライドオニオンが乗りますが、こちらにはそれがない。なので醤油ダレが素直にやさしく感じ取れるようでもあります。ネギが多いと少し味が薄れるかもと危惧しましたがそんな心配は無用。むしろゆっくりと麺の風合いが溶け出して、柔らかい甘味が後から滲む旨さが後半に広がります。当然、今回も最後の一滴まで飲み干し味わい尽くす！。
＜麺＞ 三河屋製麺！風味と甘味！出汁の持ち上げと吸い込みもナイス！啜り上げるシルエット感が上品で心地良し！
ひとことで表すと「シルキーな麺」。色白な地肌したストレート細麺。箸でリフトするたびに葱を引っ掛けたりするものの、品やかな腰つきだから比較的揃おうとします。その時の麺線がまた流麗なのですが、出汁を持ち上げるのが得意な印象。また序盤から汁の浸透が始まっているようで、出汁の旨味と麺の風合いが一体化して甘味を楽しませてくれます。このあたりは、やはり佐野JAPAN系のフィーリングと重ね合わせて感じますね。
やがて出汁が中まで浸透して、一層品やかな物腰に変化。すすり上げると、ズボボボボボボボーーーーーーと自然と音が小刻みな音を立てます。また歯切れが実に軽やか！。前歯で千切るとスパスパと小気味よく感じるし、奥歯で潰すとクチクチクチクチっと潰れては、瞬時に甘味が滲むようです。絡まった青葱もそのまま噛み潰すとまた旨し。葱の甘味も染み出るようなのがまた旨い！。本来なら大盛にしたいところだが・・・前日飲みすぎて体調悪くて自重しました。ところが、旨くてスルスルと一気に食い切ってしまって・・・後から後悔。こちらでは大盛必須。多くても軽い麺だから大きな負担にならないはず。
＜ネギ＞ ザクザク食感！フレッシュさと甘さを含む汁が噛み締める度に弾けて染み入る！
デフォルトでサクッと食って帰るつもりだったんだが・・・元来、ねぎ大好き”ねぎ星人”なものだから、気がついたらネギラーメンと口走ってました。こちらは青葱が乗るは分かってたし、元々関西オリジンな私だから、大いに好みなネギラーメンなのです。九条葱のような青いものではなく、白い部分もしっかり感じ取れるもの。ザクザクとした食感がとても痛快で、ねぎ星人の心を鷲掴みです。中心部の白い部分が実に甘味を感じさせる。麺と絡むのもいいが、出汁を吸い込んだ葱自体もまたそれだけで旨しです。最後はスープに浮遊した葱をレンゲで集めて一気に食らう！
＜チャーシュー＞ 大判でダイナミック！ふかふか柔らかい豚肩ロース肉！肉旨味に出汁染み入り実に味わい深し！
いやぁ～このサイズ感は実にダイナミック！デフォルトでこのボリュームなら大満足です。まさしくスマホ並の大判豚肩ロース肉！。麺顔の半分弱を覆うサイズで、分厚さもある。それなのにふかふかと柔らかいので、非常に質感感じる肉です。
肩ロースの中でも割と脂身が多めで赤身とのバランスもいい感じ。赤身から滲む肉本来の味が、スープを吸い込んで旨さがプラス。そして脂身の甘味も出汁と共に浸透ってな感じで、噛み締めるほど旨しですな。噛み応えの後に滲む汁は、その肉味と吸い取ってスープの旨味が一体となって溢れます。まさにスポンジ感覚。さらにジューシー。後でゆっくり考えたんだが・・・肉増し＋２００円。葱増しも＋２００円。だったら肉にすべきだったか？？肉増し激しくオススメ！。
＜メンマ＞ 褐色で凛々しいエッジング！色合い深く幅広！大きめ！醤油感風味に素材感が滲む旨味！
ボリュームあり！しかも太さも長さもいい感じ！デフォルトでこのボリュームなのも嬉しさを感じさせます。このメンマがあるので、全体的に質感あって隙の無い一杯と思わせるのかもしれませんね。
色合いは心持ち深い色合いで、醤油が効いてるようにも見えますが、程よい味わい。ナチュラルな色合いもキープ。深い発色は色合い的には麺顔のアクセントになってるようにも感じます。味は、醤油効き目な出汁の風合いが優しい感覚。繊維質は柔らかくサクサクポリポリと軽快な歯切れです。スープに浸った味も良くて、明るさすら覚える感覚。まさに逸品です！
総じまして「まさに職人気質！技と経験と頑固さが染み入る王道支那そば！」
・・・と言う感動の嵐！。奇を衒わない、真面目で質実な旨さと言えましょう。だから時々食いたくなるし心を離さない。バスで辿るもいいですが、春でいい気候だからお散歩がてらに歩いて行くのもいいかもですね。技を感じる王道な旨さなら、こちらを激しくオススメ！旨し！なので・・・とっとと最後に詠って、いつものとおりに締めたいと思います！。
お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！
