明けましておめでとうございます。って今更だけど、「めでたい」ってどういう意味? 辞書変換では「目出度い」が最初にヒットするが、「芽出度い」というのもあり。後者の方が不思議。でも聞いた話だけど、「芽出度い」が正しいのだとか。
木の芽が出ることが大変ありがたいこと。そこから芽出度いという意味になったとか(真偽不明)。つまり、種から芽がでるなんと今では当たり前で、比較的簡単なことなんだけど、太古の昔はそれこそが希少性ある出来事だったと捉えられてたそうだ。思えば、芽が出るには、適度な「水」や「温度」や「土壌」、それから鳥など外的にさらされないなど、偶然の重なり合いがあってこそ、条件がととのって発芽する。そこから「光」がなければすぐにでも立ち枯れてしまう。芽がでるとは、そういう「今当たり前にあることの奇跡的なことを感謝」の意味で、おめでたいのかもしれない。久しぶりに過去のウンチクを思い出した。やはり、少しばかり余裕が出てくると色々と、記憶も活性化されますね〜。
・・・などと考えながらも、実は今回またも早めの退社で心はウキウキ!なぜか仕事がスタックしてしまってね・・・・。私一人で仕事をしているわけでない。馬車馬のように突き進んでも、隊列乱すような・・・とでも言っておきましょうか。どちらかと言うと、周りの空気を読むのが苦手な性格でもあるので、ちょいと間を置くこととしたという次第です。久しぶりの山手線外回りで上野を越えるとこころはさらにウキウキ!だって、久しぶりの「蔦」狙いですから、こころが高鳴ります。なんとか閉店時間の15分前あたりに入店できまして、結果的にはラスト3でしたから、ラッキーさも気持ちを盛り上げます。
今回の狙いは、「味噌そば」。TRY大賞の新店味噌部門を見てから、これを春までに食うとぞと心に決めていたのだが、こんなに早く訪れることになろうとは、ラーメンライフだけは今年は本当にいいスタートを切っています(笑)。カウンターの他客はどんなの食しておられるのかなと横目でみると、けっこういい感じで味噌を食しておられますし、じわっと看板メニューに昇格しているのかしらん。そんなことを考えていたら意外と早かった座って7分後には着丼。ああ・・・・すでにオーラ感が目の前から立ち上る。たまらずいつものパターンでスープからすする。心の中で叫ぶ!
うっ!旨し!!めっさ旨いがな!!! さすがは賞を獲っただけある最高のレベル感を感じる!
【スープ:味噌の中でも初めて出会ったようなシルキーさと・・・はんなりとした香りが崇高!】
<もはや赤出汁味噌汁の如くの高級感が溢れるシルキーさ>
もともと味噌系はあまり得意ではないので、経験値は低いものの、こんな味噌ラーもあったのだと深々と思い知るのであります。簡単に言えば、まさに・・・良い味噌汁を頂いているような感覚。その味噌味がそこそこ濃ゆく感じるものの、粒子が細かいというかサラサラ感がたまらん飲み心地です。まさにシルキー!といった感覚に参ってしまいます。そして、その味噌は赤だし系を彷彿とさせる。マッタリとした感覚がある分、八丁味噌とはまったく別物のような感覚だが、実にシャープに切れ込むように思わせておきながら、後味はマイルドという感想です。そして、動物系の旨みも非常にキレイに煮出されたように思える。
スープ表面の旨み油がキレイに大小の真円を重ねるようで・・・これだけでもキラキラとしている。一見泡立ちか?と思えるようであるが、いえいえ旨みの脂でありまして、天の川のように縦横に行き渡っている。まるで上質な鶏ガラ系のようでもあり、味噌味に溶け込んだ豚コクも見え隠れして、味噌メインとはいえ、サブとしての下支え的に、これまたしっかりとした食べ応えを胃袋に感じます。
<薫る味噌!はんなりとした麹の甘さが未体験>
さらに、このスープの特徴は、何と言っても味噌麹の感覚がすごく広がる。しかも、はんなりとした華やかさもあり、甘みを各段に崇高な味わいに昇華させていると思えてなりません。この風味は、ご店主が配膳した瞬間からもう立ち上る湯気の中からはっきりと感じ取れるような味わい。この感覚もまた・・・これまで味噌ラーを食ってきた中では、初めての雰囲気かもしれません。
なのでこの「赤だしシルキーさ」と「はんなり味噌麹」というダブルの初体験がありまして、すごく感動すら覚える味噌スープ。さすがに・・・TRYで賞を取る一杯であるなと、ただただ感心しきり。
【麺:クッシリ感覚が程よく、歯ごたえにナチュラルさと密度感を覚える】
<程よいクツリとした食感!密度感あるストレート細麺>
麺も非常によい。ちょっぴり細めなストレート麺がまた美しい。細いながらも、きっちりとした密度感があって、中加水的と勝手に思っているのだが・・・・。これを前歯で千切る感覚が、言い尽くされた言葉であるものの、やはり「クツリ」とした切れ味。見た目よりやや強めな抵抗感が一転してプツリと千切れるような残像感すら覚える(もはや私は変態的)。断面を視認してみても、はっきりとは芯を見て取れないが、麺のしなりに一筋の芯が備わっているようにも感じる。どこぞのカリスマ製麺所の逸品か?と思えば、いやいやどうして×2・・・・自家製麺。スープで泣かせておいて、麺でも追い打ちをかけるというニクい演出。
<スープの持ち上げ感もある滑らかなすべり>
それにしても、細麺というのもあるし、地肌感がきめ細かい中加水的であるのもあって、スープの持ち上げもなかなかであります。加えてよくよく思い出すと、確かやや角ばったような麺の切り口であったような・・・・。麺の表面に半透明な部分を明確に見て取れないが、内頬から喉奥にかけてのスベリは、これまた滑らか。これもまたシルキーな感覚。
【具:適度な脂加減と塩味加減!そして歯応えのバランス感覚がいい】
<肉味と塩加減の絶妙、適度な歯応えあるロース肉>
もうここまで、スープと麺にメロメロっとっくるともう肉などどうでもいい感じもするが、いやいやまだ心をつかみ取ろうとしてくる。この肉の味わいが、ロース肉特有の淡いスポンジのような弾力感があり、噛むと肉の味わいと程よい塩加減があるではないか・・・。ばら肉のホロホロと崩れるような、艶めかしい柔らかさも捨てがたいのだけど、噛み心地がややソリッドというか・・・クッシリ感があってもまた良いなと再認識いたしました。
<三つ葉があるだけで、味噌味が引き締まる>
最後に薬味をひとつほめたい。三つ葉。味噌汁に入っているだけで、ちょっとしたうれしい高級感を感じるあれであります。どくとくな清涼感と微かな青臭さが、味噌のマッタリ加減にベストマッチしており、味噌の風味をさらに一段高めるようにも感じる。そして、その淡くシャリ!とした歯ごたえが一瞬にして消えてもの悲しさを感じる。実にお気に入りな瞬間であります。
総じまして、「旨さを再認識してしまっただけに・・・これからが切ない」と思える逸品、そしてこのお店。巣鴨駅界隈で、平日夜の部8時閉店というのは・・・・、早帰りができる日しか狙えません。前回の訪問からのインターバルを考えると、今度はいつ食えるやら・・・・。本当に食いたいと思うなら、苦難を越えて、ひと目をさけて逢瀬を重ねるものかも。店の向かい側のラブホがどうしても目に入る。ある意味、これもひとつの逢瀬でありますかな。・・・・なので詠います!
しっぽりな
暗がりラブホの
お向かいに
しっとり味噌と
クッシリ細麺
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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