まっ、そのぉ〜・・・「角栄」とくれば、どうしても昭和の今太閤を連想しますね・・・。ノスタルジーを連想するのは私がオヤジである証拠ですが、実際に訪問してみると、いやいやどうしてどうして、とってもコンテンポラリーで明るいお店。夜は新宿御苑の暗闇の影響もあって、とても浮き上がっているように感じるお店です。接客がとても丁寧。結構大きめの店箱なので、余裕ある雰囲気がいいです。オヤジには関係ないが、デートにも使える。そして個人的に嬉しいことに、ここには、ハートランドビール小瓶と中瓶が置いてある。これで旨ければ、通いたいなと、食券を渡すまえから好印象です。
【スープ:箸が止まらなくなる濃厚マジック!辛さと甘さとスパイシーのトリプル・コンプレックス!】
<薬味の貢献?!まるでモロミを感じるような華やかさ!すり胡麻?ナッツ?の豊富な香ばしさ!>
それにしても「濃厚味噌」とは承知でしたが、この一杯は新潟のラーメンなのね。ますます角栄の名前の意味を感じます。配膳の瞬間は、その粘度とスープの泡立ちに久しぶりに「こってり」という感覚で頭が一杯。もはや泡だらけでっせ!しかし、悪くない・・・・。そんな私の表情を知ってか知らぬか、ご店主から「スープで割れますからいつでもおっしゃってください」とのこと。これは、半端なつけ麺のつけダレよりも濃厚と改めて理解できました。
大ぶりなレンゲで「味噌ポタージュ」級のスープを掬っても泡が消えない。それを啜ると・・・・うお〜!久しぶりの味噌の濃密な旨さが味蕾を埋め尽くします。味噌の味が濃い〜やつ・・・・というのを凌いで、どこか「熟成ならではの旨味」を感じる。例えるならモロミのような発酵系の香りと旨味。しかしそれは勘ぐり過ぎで、実は、香味調味料とか、ニンニクの風味が結びついた影響かもしれません。とにかく、濃厚味噌を謳うだけあって、味噌の味わいに結びつく華やかさは確かにあったという認識。
加えて喜ばせてくれるのは、塩っぱいわけでもないけど塩気は効いていること。これは、そのドロドロ感にも訳があって、ナッツとか胡麻とか・・・・そういったもののすり潰し物がこのスープにはふんだんに使われてる感じがします。それらが、塩気のエッジングを丸めるとかバランスをとっているかと勝手に推察。甘くするだけが胡麻でない。
<どこかしら・・・仄かで上品ニンニクなスパイシー!そして野菜のフレッシュ甘みがナイス!>
濃厚さに圧倒されてますが、この塩気にはどこか上品な感じがします。一見、中華系のスパイス感を感じないわけでもないけど、そこにニンニクとかフレッシュ感あるスパイシーさが見え隠れ。じっとりとしている塩気の割にはスルスルと完全に飲み干させる余裕度を感じます。
加えて野菜のエキスもいい仕事をしていると思える。単に歯応えだけのパーツではないですよ。トッピングの白菜も湯通しが絶妙でくたびれた感は一切なく、むしろ生かと思えるほどのフレッシュさ。そして玉ねぎ微塵の歯応えとエキスが混じりますから、スパイシーなエッセンスがあったとしても、中和、バランスが取れている感覚。なので、濃厚な割には一気にグビグビと飲み干せる安心感があります。
【麺:個性の強いスープには、ハードな麺が必要だ!とよくわかる・・・】
<つけ麺に通じる食べ応えあるクッシリ太麺が濃厚スープを受け止める>
濃厚なスープの下から引き上げた麺も圧巻だったかも。実に密度感を感じる白めな地肌とストレートさが際立つ太麺が印象的。みるからにクッシリと歯応えを感じるタイプで、実際もそうであります。前歯を突き立ててから徐々に力を加え千切ると、さも歯がゆっくりと麺に突き刺さっていく感覚が脳裏に浮かびます。その後半は割とカタメな反発感で、いわゆるクッシリというニュアンスを醸し出す瞬間。低加水とまで言い切れない、中程度の加減が、モチモチと感じさせない引き際を感じます。こういう詰まった質感でないと、質感重く感じられるスープは受け止められそうにもありませんしね・・・・。
<絡むスープでニュルニュル食う醍醐味!>
まあ、そんなハードなスープに、ハードな麺ですから相性というか、バランスはとても良い。特にスープの持ち上げとか言うけど、ここではそれらが絡み付き合っているようにも思え、麺の風合いとスープのコクと香ばしさが、とても一体となって感じられます。その一貫で自然と麺のスベリは上々。強いて言えば・・・・ニュルニュルと絡み付きそうなスープ感が結構素敵かも?
【具他:ハード一辺倒な味わいのに、ほっこりさせるオアシス】
<一見古風なオーディナリー角煮タイプ、醤油味が箸休め>
味噌一色な一杯の中でも、このチャーシューだけは、独特の世界感があるかやも。この肉の塊は醤油系味付けで、しかも味噌スープに馴染むような薄味仕立てでもない。しっかりと醤油ダレを染み込ませた感覚があって、面白いかも。部位は、豚バラと肩ロース部分がキュービィーにカットされ、一つは肉質を味わうようにカットされて、ストリングチーズの如くに解れる。一方、バラ肉は、まるで関東ローム層のごときの風貌。一枚一枚を層を外して食っても旨いし、やはり脂の部位の旨さは格別と思い知ります。
<白菜や浅漬けカブラなど、サッパリ演出が泣かせる>
やはり、こうも濃厚スープだとさっぱりしたものが欲しくなります。ニラは別としても、白菜はとても有り難かった!見た目はフレッシュ感ありありな白菜で、熱が通りすぎない程度がしっかりとキープされている。シャリシャリとした歯応えも実に旨しです。また、蕪の浅漬けが、別皿で箸休めとして少しだけあるものの、これも実によい演出。その他、メンマなども一定の品質感ありまして、具においても隙は見当たらないと感じました。
総じまして、「越山会のコンテンポラリー味噌なる一杯」という感覚か? やはり角栄とくれば、代々木でなく目白あたり出店して欲しかったが(それは冗談として)。
それにしても、段々と秋が深まると感じるこのごろ。そういえばデング熱の騒動はどうなったのか。梅雨時節の新宿御苑も好きだけど、秋晴れの下も気持ちがいいもんね〜。久しぶりに一眼もって新宿の街を撮影散歩したい気がします。体が冷えたら、ここの味噌で暖まればいい・・・。なので詠います!
新宿の
杜の傍ら
暗がりに
誘われ和む
月夜の味噌ラー
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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