<疲れた体に鞭打ち・・・ただあの味を目指す>

一週間を乗り切った自分にとって、休日は砂漠で見つけた旨い拉麺・つけ麺はオアシスにも等しいっす!。もうここんとこ、先が見えないことばかり。降りかかる難題、会議室テーブルの向こう側には、無機質な顔、顔、顔。すり減った精神と、鉛のように重い体。もうとっくに若くはないのだと、鏡を見るたびに溜息が漏れるわぁー。

そんなオレを突き動かすのは、義務感でも使命感でもない。ただ一つ、純粋で、暴力的で、そしてどうしようもなく抗いがたい「食欲」、それもラーメンですよ!。今のこの疲弊しきった心と体を根こそぎ蘇らせるには、本物の「一撃」が必要なんです。

そんな感じのとある土曜日。ふと見上げた空は、憎らしいほどに青く澄み渡っている。秋晴れの休日。こんな日に、家でじっとしていられるものか。脳裏に浮かぶのは、燃え盛る炎のような素揚げ牛蒡。複雑な旨味が溶け込んだ、あの芳醇な味噌の海。そして、そのすべてを受け止める、力強く波打つ手もみの麺。そうだ、「鶉」へ行こう。あの「みそつけ」を食らい、キンキンに冷えた赤星で喉を焼き、体中の淀んだ空気をすべて吐き出してやる。これは単なる昼飯ではない。俺が俺であるために必要な、聖地への巡礼なのだわ!。

<サッポロ赤星> 神聖なる儀式!きめ細やかな泡と絶品お通し焼豚!これから始まる物語への期待を無限に煽る!



秋晴れの昼下がり、この一杯のためにあるようなサッポロ赤星。ことりと置かれたのはグラスにあらず、土の温もりを感じさせる背の高い陶器の器。その微かな表面のざらつきが、黄金色の液体に絹のような泡を立てる。これぞ和のもてなし。この時点で勝利は確定したも同然だ。



そして、サービスで供されるお通しの焼豚が、この店の哲学を物語る。手のひらサイズの小皿に、これでもかと詰め込まれた肉の欠片。この無言の愛情表現こそが、最高の酒のアテになります。一切れを噛み締め、赤星で流し込む。肉の脂と麦の苦味が口中で溶け合う瞬間、脳天を突き抜ける多幸感。これから始まる本番への期待を、否が応でも高めてくれる完璧な序曲!。



<全体> 野趣な素揚げ牛蒡!折り畳まれた手もみ麺。計算され尽くした素朴さという名の芸術!ここに降臨!

主役の登場だ。カウンターに置かれた二つの器は、それぞれが独立した魅力を放ちながら、全体として一つの完璧な世界観を構築している。まさに食の三幅対。久しぶりに見るその麺顔は、記憶の中のそれよりもさらに力強く、そして美しい。

まず目を奪うのは、つけ汁の丼から燃え盛る炎のようにそびえ立つ、素揚げ牛蒡の山。その麓には芳醇な味噌の海が広がる。そして隣には、純白の皿に折り重なるように鎮座する、自家製の手もみ麺。乳白色の艶やかな麺肌と、その上に横たわる、見るからに香ばしさを漂わせる吊るし焼豚のコントラストが、食欲を暴力的に揺さぶる。

荒々しい野生(牛蒡)と、静謐な秩序(麺)。この計算され尽くした「素朴さ」こそが、鶉の美学。技巧をひけらかすのではなく、魂のこもった本物の味を予感させる、力強い宣言なのですわー!。
<つけ汁> 練馬、鎌倉、信州、愛媛、四種の味噌が織りなす奇跡のブレンド!甘味と辛味がせめぎ合う「旨味のカオス」に溺れよ!

レンゲで一口、その味噌の宇宙に触れる。これは単一の味噌では到底表現できない、味の多重宇宙!?。店側の蘊蓄によれば、その正体は実に4種もの味噌が織りなす交響曲。地元・練馬が誇る名蔵「糀屋三郎右衛門」、古都の風格を感じさせる「鎌倉味噌醸造」、キリリとした輪郭を描く「信州うき麹の赤味噌」、そして遥か四国から届く「愛媛県マルヤスの麦味噌」。

ここからは、完全に真偽ともかく個人的妄想です。一見すると赤味噌系の骨太な構成に思えるが、口に含んだ瞬間にその予想は心地よく裏切られる。驚くほどに味わいはマイルドで、角が取れた円やかな口当たり。これはおそらく、愛媛の麦味噌がもたらす柔らかな甘みが、全体の調和を見事に司っているからだろう。しかし、ただ甘いだけではない。信州赤味噌由来の、輪郭のはっきりとした塩気と深いコクが味を引き締め、華やかさすら感じさせる。甘味、辛味、塩味、そして糀の香りが渾然一体となり、舌の上で「旨味のカオス」となって爆発!。

この複雑怪奇な味噌の宇宙を、中華鍋で炒められた野菜の甘みが優しく包み込む。盤石な豚骨ベースの出汁がそのすべてを支え、たっぷりの挽肉が旨味の層をさらに厚くする。これは既存のどの味噌ラーメンにも属さない、鶉が創造した「東京味噌」という名の味テロリストですねー。
<麺> 国産ブランド小麦オールスターズの競演!ピロピロ太麺が織りなす至福の弾力と甘みを体感!

この物語のもう一人の主役、自家製の「極太ピロピロ手もみ太麺」。まずは一本、そのまま食らう。小麦そのものが持つ、穀物由来の力強い甘みが口いっぱいに広がる。それもそのはず、この麺は「ゆめちから」「きたほなみ」「はるゆたか」、そして伝説の「農林61号」という、国産小麦のオールスターをブレンドして生まれるのだ。上質な塩だけで、一つの料理として完成してしまうほどのクオリティ!。


手もみで生み出された不規則なねじれと波打ち。この唯一無二の形状が、つけ汁と出会った時に奇跡を起こす。幅広の麺肌が汁を吸着し、縮れが無数のポケットとなって挽肉や野菜の欠片までをも捕らえて離さない。一気に啜れば、唇を通過するボコボコとした感触が官能的ですらある感覚!。



噛み締めれば、快活な弾力が歯を押し返し、麺の甘みと味噌の旨味が一体となって爆発する。体感300gの大盛も、小麦と味噌が織りなす至高のシンフォニーに酔いしれるうち、あっという間に消えていった・・・。
<チャーシュー> 燻香纏いしロゼ色誘惑!赤身の滋味と脂身の上品な甘み!濃厚な味噌にカウンターを打ち込む!

麺の上に優雅に鎮座する、吊るし釜焼チャーシュー。厚切りにされた豚肩ロースは、しっとりとした質感で、中心部は美しいロゼ色を保っている。周囲から漂うスモーキーな香りがたまらない。

一口頬張れば、まず赤身肉本来の滋味深い旨味が広がり、次いで細かく差し込んだ脂身が舌の上でとろけ、上品な甘みへと変わる。この燻香と肉の旨味、脂の甘みの三重奏は、濃厚な味噌のつけ汁に対する完璧なカウンターパートだ。手切りならではの不揃いな断面が、逆につけ汁をよく拾い、舌触りに心地よい変化を与えてくれますよ。これ絶品!。

<素揚げ牛蒡> 絶対的象徴?汁に浸してもなお失われぬ驚異のクリスピー食感!土の香りを纏った名優!

東京広しといえども、これほど牛蒡を輝かせている一杯が他にあるだろうか。鶉の絶対的アイコン、素揚げ牛蒡。その魅力は、土の香りを凝縮したような香ばしさと、何よりその圧倒的な食感だ。つけ汁に浸してもなお、最後まで「パリパリ」「ザクザク」としたクリスピーな歯応えを失わない。

これがまた、モチモチ麺と出会い、口内に旨味と食感のカオスを巻き起こすんです!。弾力のあるモチモチの麺と一緒に口に放り込むと、口の中は旨味と食感のカオスと化す。柔と剛、しっとりとクリスピー。この劇的なコントラストが、食べ手を飽きさせず、次の一口、また次の一口へと猛烈に誘うのだ。腎臓に優しいとか、そういう健康の話は一旦忘れよう。美味い、ただそれだけで食べる価値があるはず!。
<他具材> シャキシャキ感を残す絶妙な火入れのもやしと旨味を放出する挽肉が、濃厚な一杯に軽快なリズムと奥行きを与える!

牛蒡の山の麓には、宝物が埋まっている。中華鍋で炒められ、出汁で軽く煮られたもやしだ。クタッとすることなく、絶妙なシャキシャキ感を残しており、濃厚な一杯に瑞々しい甘みと軽快な食感をもたらしている。たっぷりの挽肉と絡めて食べれば、肉の旨味と野菜の甘みが口中で弾ける。この名脇役の存在が、濃厚な一杯を最後までフレッシュに楽しませてくれます!。

<味変> 重厚な味噌に差し込む閃光!味蕾を覚醒させ最後の一口を最初の一口に変える!

物語も終盤。卓上のS&B「さんしょうの粉」でフィナーレを飾る。濃厚な味噌と牛蒡の香味油の前に埋れてしまうのでは?という懸念は、一振りで吹き飛んだ。山椒が持つ柑橘系の爽やかな香りと、ピリリと舌を痺れさせる刺激が、味噌の発酵系の旨味とは全く違うベクトルで味覚を覚醒させる。

重厚なオーケストラに、突如として加わったフルートのソロパートのように、リッチな味わいに鮮烈な一筋の光が差し込む。決して風味を邪魔するのではなく、むしろ味噌の持つコクと甘みをより一層引き立てるのだ。鈍化しかけていた味蕾が再び活性化し、最後の数口が、まるで最初の一口のように新鮮に感じられる。この見事な味変は、食事をダイナミックに変化する体験へと昇華させる、最高の演出だ。



総じまして・・・「これは一杯のつけ麺にあらず一杯の芸術也!選び抜かれた素材たちが織りなす秋晴れの日の完璧な食体験」

東京味噌らーめん鶉の「みそつけ」は、単なる一杯のつけ麺という言葉では到底表現しきれない一つの完璧な物語!。選び抜かれた四種の味噌が奏でる複雑怪奇なハーモニー、国産小麦のオールスターがその魂を宿す手もみの麺、そしてこの一杯の象徴たる素揚げ牛蒡の圧倒的な存在感。これら全てが、計算され尽くした「素朴さ」という美学のもと、奇跡的なバランスで調和している様です。秋晴れの昼下がりに味わったこの一杯は、腹を満たすだけでなく、心までも満たしてくれる食の体験そのもの!深く心に深く打ち込まれてしまいましたー。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。


![劇場版SHIROBAKO 豪華版 [Blu-ray] 劇場版SHIROBAKO 豪華版 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51+mKynCOXL._SL500_.jpg)

![SHIROBAKO Vol.1 プレミアム BOX (初回仕様版) [Blu-ray] SHIROBAKO Vol.1 プレミアム BOX (初回仕様版) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51r1dBKZ6NL._SL500_.jpg)





![SHIROBAKO 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] SHIROBAKO 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51xrMSF5xNL._SL500_.jpg)