見た目は深色!飲めば軽やか!——“ごくごく系”スープが九月の湿気を洗い流す拉麺の力
ほんと週末にのんびり過ごすには、ここ「丸幸」が最適です。長居させてくれる居酒屋風拉麺店も色々ありましょうが、妙に作られた感があったり、またこれとは反対に、絶妙でうまく行きすぎて流行って混んだりしてしまったりする。その隙間を縫うような感覚が、ここにはあるのですよ。
例えば、プロ野球デーゲーム中継や、春夏の高校野球、競馬中継や、お昼のワイドショー・・・そして落語。そんなのをぼんやりと眺め聞きながら、ゆったりと過ごす。まじで自由空間です。武蔵境という中央線にあっては地味なスポットっていうのもまたいい感じ。南口じゃなく北口の路地って感覚がさらに良いね。
<スーパードライ> 九月前半の湿気を“プシュッ”で断ち切る、体感を瞬時にリセットする辛口スターター
九月前半の蒸し暑い休日。まずは栓を抜いて「プシュッ」。辛口の直線が喉をスッと駆け抜け、まとわりつく湿気をいったん無音化する感じが気持ちいい。
最近のラベル刷新のせいか、輪郭がくっきりした“気がする”のも含めて、初手としての説得力が高い。脂や黒胡椒の効いた料理の前に“口内のピント合わせ”として最適。キレ→喉ごし→余韻の三拍子で、休日モードが正しく起動する。
<多満自慢> 生貯蔵の冷たさでベタつきをはがし、甘み→辛口へ抜ける二段構えの口中リファイン
蒸し暑い日にうれしいのは、まず冷気で口中をフラットに戻すこと。生貯蔵酒ドライは軽やかな酸に淡い甘みが寄り添い、最後にスッと辛口で幕を引く“二段抜け”。
サービスのメンマと合わせれば、油気と塩味を一度更地に戻して、味の輪郭線が再描画される。日常酒の肩肘のなさと、去り際のキメ顔。その二面性が、蒸し暑い日のだるさを静かに整えてくれる。



<ハイボール> 角のクセを炭酸が“愛嬌”へ翻訳し、湿気ごと食欲を引っ張り上げる休日リフト
ストレートだと少しモヤっとする角の個性も、炭酸という通訳を通すと意味が変わる。同じ語彙なのに文脈が変わって、急に愛嬌が出てくるのが面白い。
缶の角ハイはもはや休日ローテ。揚げ物、黒胡椒、生姜焼き系の香りを軽やかに牽引してくれるので、蒸し暑ささえ“前向きな食欲”の演出に変換される。
<全体> 肉のサプライズと“やりすぎない設計”で、残暑の心にすっと馴染む一杯の顔つき
器を覗く第一印象は“肉スライスが広がって和む”。しかしレンゲで探ると、今回は、チャーシューは豚バラ肉!肉が多めにあるだけで妙に宝探しの楽しさがあります。令和の技巧派も魅力だが、湿気でバテがちな日は“手は抜かないが、やりすぎない”が正解。それがノスタルジック拉麺ってやつですよ。
ブランド素材や高級素材を声高に謳わなくても、等身大の満足があるから肩の力が抜ける。オヤジ泣かせの安寧系、残暑の休日にぴたりとハマる一杯。
<出汁> 深い色に反して軽やかに飲ませる、乾物×豚鶏×玉ねぎが奏でる“蒸し暑日対応の癒しカオス”
色は濃いのに口当たりは軽く、ごくごく飲める。ベースは豚鶏、とくに豚の丸みが前面に出て、乾物由来(昆布+野菜煮出し的ニュアンス)のうま味が静かに層を増やす。そう・・・本枯節の深さがじわじわと広がるようです。
そして薬味の玉ねぎのみじん切りはシャリッとした歯ざわりと自然な甘みで全体を和ませ、どこか八王子的ムードを添えつつ主張しすぎない。さらにメンマの下味がゆっくりスープへ移り、やさしさ×複雑さが気持ちよく同居。蒸し暑さで疲れた舌に、ため息が漏れるタイプの回復薬。
<麺> モチ→プツリの二拍子が楽しい!粉の甘みと玉ねぎが口の中でパーカッションで刻む食感グルーヴ
選べる二種から今日は卵麺。多加水らしいモチっとした張り、噛み切る瞬間のプツリが交互に訪れ、湿気に負けないリズムが口の中で刻まれる。スープを吸い上げたあとの“粉の甘み”がふっと立ち、玉ねぎを絡めて潰すと心地よいパーカッション。
へへへ・・・海苔→メンマ→チャーシューと具材が順にセッションへ参加し、体感温度まで下がるような爽快感が出てくる。
<チャーシュー> 肉厚ロールの断面が主役!脂のとろけ出汁の染み込みが重なる“肉の至福ポイント”
今回は、2種選べたりミックスにしたりできる中で、豚バラロールのみとさせていただきましょう。薄切りでも自重でほどける柔らかさ。余分な脂は抜け、半透明の層にスープがじんわり入り込む。脂の甘みと出汁のうま味が一体化して、舌上で“とろけ→旨みの波”が連続ヒット。
ふふふ・・・持ち上げ途中で崩れても歓迎。細片は麺に絡めれば二度おいしい。渦巻く断面は、肉・脂・出汁を巻き込む設計図。蒸し暑い日にこそ、力まず幸福へ到達できる“肉の近道”。
<メンマ> 参謀のやさ味で全体を整え、終盤はニンニク×豆板醤の味変化の“点火”で後半戦を加速!
メンマは醤油色でキリッと見せつつ、味は出汁が深めで濃ゆめだが素朴で上品!柔らかな食感でスープと静かに結託し、全体の方向をピタッと揃える参謀役。海苔は香りのフレーム、ねぎは清涼のハイライト。終盤はおろしニンニクと豆板醤をひとさじ。スープが急にドライブし、カエシのエッジが立ち、後半戦の高揚が訪れる。入れすぎは厳禁でも、世界はちゃんと変わる。蒸し暑い休日を爽快に締める合図の一手。
最後に味変化!






総じまして「残暑の湿気も麦酒&冷酒&ハイボールで軽やかにリセット!肉の至福と癒しカオスのスープに肩の力が抜け旨さで締めくくる!」
・・・と言う感動の嵐!。スーパードライでピントを合わせ、多満自慢で輪郭を整え、角ハイでテンポを上げる。器の中では“やりすぎない設計”が静かに勝利し、肉厚ロールの至福ポイントと癒しカオスなスープで肩の力が抜ける。九月前半の湿気さえ、最後には「旨かったね」で上書きされる。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!