<「数量限定」と「冷やし」のフレーズに戸惑いを覚える・・・行くしかねぇ>
とある平日、本当に仕事に疲れた上に猛暑でげんなり・・・ヤサグレ気分で中央線に乗り込んで家路へと急ぎます。ストレスによる寝不足も重なり、体調不良でドリンク剤の飲み過ぎ注意報。もう食傷気味で気持ち悪い様な反面、妙に腹が減っている様な、そうでない様な。天邪鬼な胃袋を抱えておりまして、つい twitter をみて気を紛らわせようとします。するとスマホが突然震えて、メッセージを見たら今日は外で食べて来てと嫁からのIMあり。やれやれ・・・・とそれを閉じて twitter の続きを見てしまう。
「健やか」さんのツイートが目に止まります。そこにはいかにも数量限定っぽいフレーズ。そして「冷やし」と「煮干」のワードが妙にそそりまくり。もうこの時のオレは冷やししか食える気がしないし、またこの店の煮干なら相当楽しめそうです。もう考え始めたら止まらなくなりまして、ここでこれを食おうと決意です。さらに、冷やしラーメンにはご飯物でスープで飯割りしたくなり、それに似つかわしいのをチョイスすることになります。
こう言うただダラダラとした流れの中で見つけた一杯と言うのは、これまでのラーメンライフの中で、想像を超えるナイスな一杯であることが多い!。そんなのオレだけかな??。今回はまさしくそんな回でありました。
<遠慮のない痛快な煮干感だがエグ味なくキレイな味わい!冷え冷えでダンディーな煮干!>
このお店は、とてもファンが根付いてます。ハイランキング店ならではのガヤついた行列は一切なく、地元の壮年層老年層の方もしっかりと通っているのが分かります。白髪のご婦人が一人でふらっと食べに来ると言うシャレが振る舞いがいい感じ。オレと同じ冷やしをご所望とは、twitter をちゃんと活用してるのね。そのご婦人のハイセンスさに感服してたら、草笛光子に見えて来た・・・・そんな妄想を抱えていたところで、いきなり自分の配膳タイミングを迎えます。それはこんな麺顔。
なななんと!全然「冷やし」っぽく見えないどころか、写真だと普通の煮干そばにしか見えませんな!。大抵冷やしですよと言うアピールやトッピング表現があるのですが、「ただ煮干そばを冷やして見ました」的な割り切り方が、逆に冷たさを感じます。逆にツンデレな空気感を覚えるオレ。しかし、丼を始め、パーツ全体が実はとっても冷え冷えなのだから、実態はツンドラな空気感なのです。
スープの一口目から驚いた!煮干そばの感覚そのままな状態で「冷たい」感覚。冷やしだと伝わり難かったり、忖度覚えるニボニボさがとってもシャープです。そうなるとむしろ逆に煮干のエグミが気になるところですが、これがビター感そのままで一切嫌味がないから驚き。確かに「冷やしラーメンは進化した」と今年は如実に感じます。一昔前の冷やしラーメンは、ちょっと食べる気しなかったものです。暖かい汁麺をデフォルメした様なアンバランス感があったり、そこにはエグミがあったりして。ところが近年のそれは、完全に温かい汁麺とは完全に別ジャンルとして肩を並べます。
エグミが少ないから、きっと白身魚系の煮干しとか、また鯵やアゴの様な煮干しだと思い込んでました。ところが店のウンチクによれば、片口もしっかりと使っているとのこと。冷やしで扱いにくいと思ってた一昔前とは違うんですね。とてもキレがあるビター感だったし、しつこくないのでむしろ軽めなビター感です。そしてきっと昆布や、この店お得意の貝類の出汁がきっと効いていると思う。煮干同等に、全体的な滋味ってのを感じるし、ホンビノス貝の使い方が変わったのかもしれません。ともあれ、これは大人の味、大人の煮干感覚。決して女性的でもないので、ダンディーな煮干感とでも形容しておきましょう。
<遠慮のない痛快な低加水ストレート麺!パツパツでダンディーな細麺!>
これまでの冷やし経験で、多加水の麺を流水冷水で締め上げて、クツクツとした歯ごたえを楽しむと言うのが多かった。しかし、こちらの麺は「低加水」です。温麺でもパツパツとしたフィーリングが、冷やしになっても、同じ様なパツパツフィーリングが表現されているから、一口目でこれも衝撃です。
冷えて乾いた様なパツパツ麺は、これまでのラーメン人生の中ではありません。むしろそんなの表現できないのだと思い込んでたら、この麺が私の既成概念を壊してくれました。冷えてて超パツパツな歯ごたえ。通常では感じられない、冷えた粉感が濃密気味に鼻腔をくすぐります。しっかりと咀嚼でスープと混じり合い、汁と麺のあっさりな関係が、一気に唾液に反応して旨味成分へと昇華します。
これも大人の歯ごたえ感覚。決して女性的でもないので、ダンディーな細麺とでも形容しておきましょう。
<全体から一転して淡麗淡白にして上品な旨味!シルキー鶏胸チャーシュー!>
ここまでは、冷涼な味風景にあってのスープの遠慮ないビター感、そして麺のパツパツ感覚に痛快を覚えてましたが、チャーシューでイメージが一変します。これはとっても優雅でシルキー。とても女性的に思える優しい肉感です。
胸肉のきめ細かい肉繊維が、そう思わせるのでしょうが、それにしてもテンピュールを噛んでいるかの様な低反発なのです。その味わいは淡白なれど上品。むしろスープの煮干感をも味方につけて、淡白さからゆっくりと滋味が生まれて来る様です。過度に煮干エキスに染まりませんが、ゆったりとした魚介の甘さには、よく似合うシルキーな鶏胸肉には、違いありません。あまりに美味いので、この後に少し企んでいる出汁茶漬け用に、一切れとっておきました。
<これは凄い!絶対食っとけ!そんな炊き込みご飯を出汁茶漬けで食う背徳感!>
何なら最後にスープ茶漬けにでもと思って購入した「炊き込みご飯」。もっと淡白で優しい味わいかと思いきや、出汁の染み込ませの深さを十分知ることができる。そしてお焦げが立派。炊き込みご飯は、お焦げがうまいのだ!。松崎しげるの様な色合いをした、お焦げがまた最高にうまい。
全体的に、ホンビノスのエキスが深い。ここに醤油系の風味も混じり合い、そのほか、鶏肉類の甘みも入り混じります。キノコの様な風合いに似た香りと味もして、正体不明的にうまい。途中貝の身の部分も掘り起こせたし、鶏の旨味と醤油味の甘辛さもバランスが見事。
「このままシンプルに味わってフィニッシュ」とも思ったのですが、四分の一程度残しておいて、ここに煮干しが効いた冷えた汁をレンゲで注ぐことにしました。煮干しとホンビノスが、炊き込みご飯の上なら喧嘩しないかと心配もあり。しかしそんなの心配無用で、個性と個性がぶつかり合って全く別の旨さを生んでいます。
総じまして、「いちいち痛快極まる個性感!パツパツ&ニボニボ好きなら一回食っとけ!そんな冷やし煮干麺」と言う、捻りも何もなくてごめんちゃい。まず「冷えた絶妙なる煮干感と冷えたパツパツ麺のコンビネーション」をお伝えしたいし体験して欲しい。ハードな煮干魂がどこか上品なのがいい。そして「炊き込みご飯の完成度」も体験すべし。濃ゆい味わいのタイプなので、味のカオスを一番楽しめる逸品ですので・・・。全体的に上から目線な発言でしたら悪しからず。ともあれ、別腹の様にするすると食える喜びを共有したい次第。そんなことを考えながら、とっとと最後に詠って、いつもの様に締めたいと思います!。
猛暑日で
食う気も失せる
胃弱にも
痛快煮干
冷や汁旨し
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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