<長閑な郊外に凛々しく構える永福町系>
所詮私はそういう男。・・・・凹んだらどこか遠くへ逃げる。いろいろ考えても思考停止状態になったら、すぐ諦めて思考するのを止めることにしています。そういう状態で無理に答えを出そうと、思考ではなく「悩む」に陥ってしまう。そして精神的に不健康になりますから。しかし、そういう切り替えはできないのが人間でして、そういうときは思いっきり環境を変えるのです。遠くへ出かけ非日常的な環境に身を置くとか。それには「遠くへ逃げてみる」ことが結構有効的です。逃げるは恥だが役に立つ。そしてそこに、ラーメンを重ねて、モチベーションを上げているのです。そんなこんなで、青梅街道をクルマで突っ走ってたら、本当に青梅まで来てしまった・・・。そして予定調和の「河辺大勝軒」にやってまいりました。
ここまで来ると山だけでなく空までお少し近くに感じて、誠にいい気分です。街中でもどこか長閑な雰囲気もある。そんな一角に、真っ白な「大勝軒」の暖簾が下がっており、どこか緊張感を醸し出す店先です。お昼前の午前11時半。先客は3名で、広めの店内は掃除が行き届いている感じがして、凛とした空気感。そこに日常的ダラダラ男たちが腹を空かして、麺を待つという情景です。永福町系のこの店、こういうところではメニューがシンプルだから楽でいいね。「中華麺」と決まっているので、麺の量と固さを確認するだけです。ここも大盛りの殿堂といった感覚で、ビールなど酒類は無用という雰囲気。あの洗面器丼を目一杯平らげて死ぬきでおりました。
汁:「ティピカルな永福町系の仕上がり! 煮干し穏やかで塩気もナイスバランス!明るい醤油感」
これだけ中華麺を食い続けても、いつも思うのだけど「これ食えるか?」と配膳の瞬間は少し怯む。銀のトレーに乗せられた洗面器サイズの丼には、なみなみとスープが貼られており、その中から顔をだす麺の量に圧倒・・・。恐る恐る食いだすと箸が止まらなくなるということを、いつも繰り返しております。それにしても、このスープは上質なきがする。なみなみと張られて量が多いため、有り難みが薄まるように見えて、質感は薄まったイメージがない。
柔らかな煮干しと言えば毎回単調なんだけど、そもあれ煮干しらしい苦味や香り、豚の脂感覚がバランスよく、薄い透明系なスープなのだけど、味は深い。塩気のバランスも上品で、時々煮干しの香りとそれがまたスパイシーなエッジを感じさせて、シャープな一面も見せる。しかし、ゆず皮がじわじわと滲んで、柑橘苦味の香りがほのかに広がる。そこでまた相乗効果のように煮干しの存在が、頭の中でスポットされる。柚子の風味を味わうと、行き着くと煮干しにぶち当たる。そんな心象を抱きながら、食い続ける蓮華が止まらない。
また麺がこれだけ多いと、スープも影響を大きく受けます。食い進むほどにスープに濁りを覚える。麺の成分がじわじわと滲み、シャープさは薄れるけれど、旨味がまた深くなる感覚。ここまで来ると、積極的に味変を試みたくなります。一味等も考えましたが、バランス崩れそうなのでそれはやめとこう。やはり王道は生玉子かな・・・・。次回はそれだ!。
麺:「最初は圧倒されつつも、不思議に抵抗感なくスルッと食い切れる300g」
何の苦労もなく、300gはある量がスルスルと食えた。こちらは麺の固さも調整可能です。しかし、この系統では柔らかい麺に限るかな。標準的な細麺サイズで、多少ボコボコとしたスタイル。丸麺のようでいて角が膨らんだ形状。多加水麺だけど、モチモチよりもスパスパとリズミカルに切れ込む感覚が素敵です。麺の密度感もほぼ同系統他店と同じで、おそらく草野さんからの仕入れか?。
次回は、スープで生玉子を解いてつけダレ風にし、それに麺をつけ麺風にぶち込んで、玉子が絡んだ啜り込みと食感を楽しみたいと感じてます。
具:「醤油ダレも浸透しっかりしつつ、風味と肉味のバランスが古風で旨し」
麺とスープの量、そして丼のサイズ感ばかり気になって忘れがちのチャーシューですが、これも非常にティピカルですねー。醤油誰がしっかりと浸透したロース肉でして、肉の味自体は薄味のようで、浸ったスープとつけ込みダレの味わいが丁度香ばしいく、甘くも感じる。昔からあったようなチャーシュー感覚で、これぞ正統派なのでしょう。単品では特別感がなくとも、このラーメンの中ではとても映えるのでしょう。一口で食い切ってしまったけど、旨味は確か。
また、メンマはいかにも関東のメンマですねー。醤油ダレの浸透の深さが、関西オリジンの私をそう思わせます。丼サイズにしては短めなカットが印象的。日本酒に合いそうな質感。
総じまして、「穏やかな街に穏やかな煮干し香る中華麺」と言うそのまま何のひねりもない感想でごめんちゃい。いやー、ここもうまいっす!。永福町での記憶は薄らいでおりますが、私も当時からは食べ慣れたせいか、こちらの旨さの方が自分にはしっくりと来そうな感覚。日吉も保谷も好きだけど、河辺も侮れません。こうなればつけ麺系も提供してもらいたいものですが、正統派一本で魂守るような迫力も感じますし、また気持ち的に凹んだときは、こちらまで遠征して、またこれをいただきたい。うまいものを食うと自然と幸せに感じたと同時に、何をくよくよしていたのかと振り返ることができるのですねー。やはり気持ち良い環境に身を置いて、振り返ることも大切と教えられた一杯でありました。そんな幸せ気分を思い出しながら詠います!。
緩やかな
風と陽射しが
柔らかく
煮干しも香る
春の柔麺
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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