<綺麗な大学と飲み路地裏、明るい学生と疲れたオヤジ、洒落た洋食と大勝軒>
所詮私はそういう男。・・・・嫌なことは後回し。自分の部屋の片付け、車の掃除、ゴルフの練習などなど、計画的にやらねばと決めたことを、ついつい怠ってしまいます。ゴルフは、小遣いが少ないから仕方がないのだが、車の掃除は流石にこりゃいかんです。1年前の塚田牧場でもらった塩辛が、シートの下から出てきて(きゃー!)、中身を見るのが怖くなってそのまま捨ててしまいました(容器の密閉度の高さに感謝だわ!)。そんな性格の私ですが、前向きでない説得交渉は大の苦手でして、アポも随分と延ばし延ばしに延ばしに。午前中に何とか終えて・・・・気分転換に、日吉大勝軒へとやってまいりました。狙いは「つけ野菜」だったのですが、昼はやってないのか??券売機は×が点灯してましたので、方針転換で基本メニューの中華麺に変更。
狭い店内だからすぐに行列になるのは分かるのだが、この大学近くのこの路地裏に並ぶのは、全員スーツ姿のオッサン達ばかりです。あとから若いサラリーマンも加わる。狭くて暗い路地裏に、スーツオヤジばかり並んで蠢くその全体図は、何か冷蔵庫裏に逃げ込んだゴキちゃん集団が、潜んでいるような連想を掻き立てます(きゃー!)。それはさておき、こちらのご店主もなかなか接客が丁寧で、仕事ぶりもカッコいい。その上、配膳から食器洗いまですべてワンオペです。軽く手洗いしてから、食洗機で仕上げ洗いなのか・・・堅実そのもの。
汁:「度が過ぎない軽やかなカエシ、どこかにジリっとくる煮干しの香ばしさがなぜかスパイシー」
配膳は、期待通りの麺顔で見ていて気持ち良い。デフォルトで2玉という大盤振る舞いと、それを受け止めるスープも一般の二倍はあろうかというサイズ感。「洗面器」と我々は呼んでおります。なみなみと張られたスープが、優しい琥珀色で、煮干しの風合いを感じる春霞のような心象を受けます。表面に浮かぶ香味油も細やかで、ここにも煮干しの風合いを足しているのかは不明。実際に味わうと、これがまた「一周回って旨い!」と思える定番の旨みなのです。
まず、あまりニボニボしていないところもよいね。煮干しの軽やかさが爽やかで、それでいて甘みを発揮するだけではない。煮干しのエキスにどこかスパイシーな風味が結合したような感覚で、軽くジリジリとした刺激を舌に与えるのが気持ちいー。そこに少しだけキッパリ感を与える醤油ダレの効果が加わる。忘れてはいけない豚骨の煮出しもスッキリしていて、コクも与えてくれます。
また円やかさには野菜仕込みもありましょうが、ほのかに柚子がかおるのが良いですね!香りとして皮がひとかけらあるだけなのに、味わいにも滲む錯覚が面白いです。さらに・・・・何と言ってもスープのアツアツ感が溜まらん!これくらいのアツアツさでないと、このスープのシャープさは生まれないかも。
麺:「カタ麺好き派な私を魅了する・・・・柔らか麺の質実さ」
麺半分で・・・と伝えると50円バックされるの知ってたんだけど、やはり腹パンになって死にたい解放感だったのでそのままの状態で頂きます。細麺ですぐ茹ってしまいそうなんだけど、結構時間をかけて茹で上げられるのね。しかし、キッチンタイマーなんて野暮なものは使わず、ご店主は麺釜での麺の踊り具合を見てだけで、タイミングを見計らっているようです。平ざるでの湯切り動作もかっこよい。
細麺でも、とても熱ダレに強い印象。多加水でかすかに捩れがあるだけで、とても口当たりがよく、前歯の切れ味も文字通りスパスパとしたリズミカルな感じ。また奥歯では安易にクチりと潰れこみますが、決してのびたものではなく、スープの味もまとわりついた/吸い込んだ味わいが旨い。
熱いけど、ずぼぼぼぼぼーって気持ちよく啜り上げたい。スープの持ち上げも程よく、大量の麺は、最初食っも食っても減らないけれど、食い終わると丁度腹八分目。個々から先はスープを飲み干すことに集中。
具:「流行に背を向けた質実なレトロ感」
器が洗面器サイズだから、肉が品祖に見えてしまうが、そこそこのサイズ感あり。ロース部位で昔ながらの古風なタイプ。スープに良く合い、煮干しの香りを感じながら、スカッと抜けたところにスープが浸透した肉を頬張ります。二口で終わってしまったけど、寂しくはなかったです。あと、メンマは少し小ぶりなので、デカいスープの海の中で後半は泳ぎまくり。捕まえて味わうのに難儀した(笑)。
総じまして、「洗面器サイズをついつい飲み干してしまうほど旨し!本家に劣らぬ永福町系!」と言うそのまま何の捻りもない感想でごめんちゃい。いやー・・・前回は、つけ野菜だったんだけど、あれも旨かったが基本形の中華麺も捨てがたいっすねー。これは確かに旨かった。レトロな旨さが、現代になって一周回った感覚で新鮮に思えるからか。はたまた、やはり元からの高品質に圧倒されているだけなのか・・・・。これはまた食いに来ます。次回は、生卵を添えて。という期待を込めつつ、路地裏を思い出しながら詠います!。
昼飯の
路地裏入る
暗がりに
こぞり寄り添う
スーツのオヤジ
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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