【東京都内で「辛ネギラーメン」ならここ!シリーズ その6】
<年の瀬感じる慌ただしい大山エリアの山形らーめん旨し!>
歳末警戒なのでしょうか、やたら街角には警察官の制服を見かけます。普段はどうなっているのかと逆に心配も浮かびますが、何もなく平和に年越しができれば何よりでございます。オレも間が悪いというか、よく自転車に乗っていると警察の方から質問を受けてしまうのです。風貌がどこかイカツいのか、挙動が不審なのか、出来ることならなぜ「オレにかまう」のか理由を聞いてみたいですのですが、国家権力には素直に従ってばかりです。東武東上線大山駅前に立つ警察官の目の前で、悠々とユニセフ募金をしたりなんかして、善良な市民であることをアピールしてしまうオレでした。
そんな駅前、踏切そばに、「山形らーめん」と書かれた大きなバルーン看板があり、まさかと思って訪ねてみたら、そこが「らーめん大木」さんです。「辛ネギらーめん」を提供しているとだけ、ネットから情報をゲットしての訪問だったのですが、辛味とは無縁と思ってた山形系のお店だとは、訪問したから知りました。当然冬でも「冷やしラーメン」は提供中であり、ちょっと決心が揺らぎそう。ちょうど見え前が線路沿いになっており、そこに喫煙コーナーが準備してあります。そこでゆっくりと一服してから、入店を果たします。
カウンターよりはテーブル席がメインで使い勝手が良さそうな店箱。夜の部に客入りが見込めそうな感じです。ご夫婦と思われる男女のオペレーションで応対も一定以上に、明るく丁寧。冷やしらーめんに心を動かされたばかりだというのに、限定の「牡蠣味噌らーめん」にも強く惹かれる・・・。パラパラと後客が入って来る。当然のように麦酒と麺を注文している。板橋の下町的な雰囲気がプンプンしているエリアならではですね・・・・。こんなことならクルマで来るんじゃなかったわ。
ネギらーめんと辛ネギらーめんが同じ800円。ちょっと辛ネギらーめんがお得な気がして、それが初志貫徹する後押しにもなりました。この年齢になったら、ラーメンくらいは金額に気兼ねもせずに食えるはずと思っていたのですが、実際は小市民のまま年を食うばかりになってしまったな・・・と、しんみり我が身を振り返ってぼーっとするオレ。気がついたら、店の奥さんが横に立っており、配膳しようと構えておられました。はっと我に返って見つめた麺顔がこんな感じです。
まず辛ネギですが、こちらは「辣油」メインでシャープに切れ込む辛味です。赤唐辛子や、豆板醤の輪郭は全く感じませんでした。その分辣油がとても伸びやかにも感じて、ごま油感の芳醇な香味が広がります。そして尖りもない。なので噎せたりはしません。その上、山形系らしい白ゴマがふりかけてあり、奥歯でねぎを齧る時に、さらっとしたごま香ばしさが、甘みとして広がる。そこへ、白ネギのジワジワとした清涼感が滲むという構図です。ネギのボリューム感も大納得ですし、これは値ごろ感があります。
しかしそれだけではなく、立派なローストビーフが3枚もあります。歯応えもしっかりとしており、薄味の赤身と周囲の香ばしさがたまらん!これなら麦酒が欲しくなる!。少しだけ辛ネギをつまんで一緒に食うと、これもまた良いね。辛口の酒で流し込みたい気分に駆られますが、発想がすでにアルコール中毒患者ですな。
またこれだけでなく、海苔も風味がよくなかなか良かったし、また下に隠れてましたが、大きな筍の水煮スライスがあります。これもスープの甘さとトッピングの辛さにまみれて面白い味に感じられて、非常によろしいです。これでこの価格なら気持ちよく払えるとすでに思ってたりしてるー。
<牛骨スープの柔らかさにシャープな辣油の切れ込み!そしてネギの清涼感が響く!>
山形系は、過去、神保町で一度食って以来かな・・・。実に久しぶりな味わいを堪能しました。まず辛ネギに支配されないうちに、ベースの醤油スープを楽しみますが、牛骨ならではの豊かな風味とさっぱりとしたコクが素晴らしい・・・実にまろやか。熱いスープなのにゴクゴクと一気に飲み干したくなる。豚骨は馴染みがあって分かりやすいんだけど、牛骨のキレと軽やかさは、やはり動物系では別格ですね・・・。
そして醤油感もまろやか。実は牛エキスには醤油エキスが一番相性が良いと思っているオレでして、ステーキでも醤油をかけてしまうほど好きな組み合わせ。カエシの尖もなく、相性バッチリとまたそれを確信してしまうのでした。
三口ほど食い進めるともう辛ネギに味が支配されます。上述の通りの辛ネギ風味が、濃厚に広がります。まさしく辛味ソバ状態。しかし、ベースの「牛骨優しさ・甘さ」とトッピングの「辛ネギ強さ・辛さ」が、拮抗し多様な味風景が見事です。対立とか喧嘩とかではなく、主張が混じり合って別の新しい何かを産むというか・・・そんな妄想をかきたてる。単純な甘辛さじゃなくて、味のコントラストに一体感を覚える・・・という感じか?。いかんな、語彙が少なくて表現できん。
<素朴さと質実さを感じる細い平打ち縮れ麺!汁を吸い込み上品な滑り心地!>
具・汁が上々であり、麺に期待をするところですが、この麺がまたなかなかのものでして、三位一体です。スリムなタイプの平打ちでしかも縮れが強い麺。地肌は白系で麺の密度は高くありません。それゆえスープをバクバクと吸い込むようであり、麺自体はあっさりとした風味を醸し出します。前歯を立てると抵抗もなくスパスパとリズミカルに切れ込む。そしてずボボボボーーーっと大きく啜り上げましょう。内頬と喉越しのシルエット感ははっきりとしているようで、柔らかいタッチですので、快感を誘います。
奥歯でプレスするとクチリと安易に潰れるのがいいね。そして合間にネギを挟み込んで、ザクザククチクチザククチクチ・・・・っとランダムな歯応えがたまらんです。途中で辛ネギの風味が鼻孔を駆け抜けたりして面白い。
総じまして、「甘さと辛さ!ソフトとハード!の一体感極まる質実辛葱麺!」と言う感じたまま何の捻りもない感想でごめんちゃい。果たしてコクが「優しい一杯」なのか辛さで「ハードな一杯」なのかが分からないけど、うまく纏まっていると思います。ちょっと他にない面白い一体感だなと、とてもラヲタとしても勉強になった一杯でありました。面白い体験をさせてもらってありがとうです。年末で一年が過ぎようとして、街は感謝の心で溢れているけど、週明けにはまだ気が抜けないイベントあり。いい天気なんだけど、どこか心がざわつく。そんな中リラックスさせてくれた一杯には感謝であります。そんな気持ちを忘れないうちに、とっとと最後に詠って締めることといたします。
冬晴れも
年末多忙の
雑然さ
小春日和も
気分はそぞろ
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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