【今週のラーメン２１５６】らーめん㐂輪（川崎・新丸子）ラーメン・大盛り・麺カタメ

今回は珍しく同僚と外出ついでに昼飯と言うことに。相方の定期券の都合から、武蔵小杉から新丸子あたりの店でラーメン食おうということになりますが、家系みたくこってり系を胃袋に収めたいと言うから新丸子へ。駅前近くにあったけど、ちょっと混雑気味。またド派手な店先も好みでなかったので、少し歩いて物色しますと、綱島街道沿いに良さげな店がありました。「らーめん㐂輪」さん。少し店先を覗くと、外見は古そうなのだけど、店内の清潔感が好印象ではないですか！もうここしかあるまいと、少々強引に決めてしまいました。

いかにも家族経営的なオペレーションがイイね。オヤジさんは適度に愛想よく調理に没頭。配膳と調理補助は女将さん。洗いやその他の補助は娘さんかアルバイト。家族分業の確立に古き日本の良さを感じたりしました。さて、あと客が続々と来るぞ。皆常連の様で愛されえてるオーラが立ち込めます。やけにネギラーメンばかりオーダーが飛んでいるのが気にかかるけど、何か暗黙の了解でもあるのかしらん。

【最初の見た目から家系らしからぬ穏やかさ、そしてその味わいも映す】

配膳の瞬間からして「アットホーム」。なぜだろう、デフォルト仕様とはいえ「穏やかさ」をこれほど湛える家系は、珍しいかも。家系らしからぬ綺麗さががありつつ、家系独尊の大衆さも併せ持つと言う絶妙さが堪りません。スープをレンゲで掬いつつ、光をかざして見るとその大らかさが優しく煌めく。よく眺めると赤茶げたチョーク色のスープが、いつものニコやかさで迎える様です。少しばかりの泡立ちに動物系のエキスを感じます。くどい様な鶏油の甘さが控えめであったのも好印象で、グビグビと一気に飲み干せてしまいそう。そのスムースさとマイルドさがイイ感じでして、豚骨煮出しのエグ味が一切ないところがこれまた秀逸です。

ここまで好みな家系なら、余計なラーメンタレとか、ニンニク投入などなくてデフォルトを通しましょう。家系としては、カエシが丸すぎるかもしれません。また、味が円やか過ぎて動物系のパンチが低めと映るカモです。しかし、モミジの貼り付きもないのに鶏コラーゲンを感じさせるほどのエキス感は、さすがとしか言いようがない。クタクタほうれん草も、このスープの中では実に生き生きとしている。刺激が足りないなら、ネギラーメンで辣油のパンチも加えるとイイかも。この時点で、再訪問は確実ですな。恐るべし綱島街道…………この付近には、意外といい家系が散見されますよ！

【麺の風味もダイレクト！淡い芯の部分が徐々に汁を吸い円やかに】

少し横平べったくて、練り水の反応を得た淡いイエローヌードルです。大盛り無料と言うサービス精神が嬉しく、７００円を下回っての提供というところに家系の心意気を感じます。ライスもイイけど、麺の大盛りで埋もれて見るのも良い〜。いつもの通り、カタメをコールしてみました。

カタメと言っても常識感がある様なクシクシ感。実に粉感覚の風合いが生き生きと感じるのは、スープのマイルドさと、麺自体の風味の良さでしょう。前歯で千切るたびに、鼻腔に広がるグルテンの感じが粋です。しかし徐々に汁を吸いだすのは運命でして、それはそれで物腰が滑らか〜。啜りの口当たりも軽やかなのが実に良い！舌触りから喉越しに至るまで、シルエット感覚が万全！大盛り天国を味わいました。

【少しばかり締まりつつ、解れる様なロース肉がナイス！】

繊維質がメインのロースっぽい肉。それが適度に汁を吸い込んで、ほんのりと塩気を含んで味わいがよろしい。醤油ではなく塩気メインのつけだれがイイ感じです。また繊維質が適度に歯ごたえを与えて、力を入れると解れて崩れるのが印象的です。スカスカとしながら、汁を吸い込みつつ、容易に崩れるのが面白い。その合間に塩気を少しばかり強く感じるのだ。家系って、クタクタ感やら、クシクシ感、そしてスカスカっとした感触など、極端な組み合わせブレ幅が大きいほど、アミューズ性が富みますね。だから、時々無性に食いたくなるかもです。

総じまして、「ハートフル＆マイルドな温かき家系」と言うそのまま何のひねりもない感想で、今回もごめんちゃい。だってね…………、旨さと綺麗さがにも惹かれたが、結局、家族的なチームワークの裏ずけが味の決め手だった様な気がしてくる。旨さとは総合力。何気ないもんでも、シチュエーションで印象が変わると言うアレだが、全てのベクトルが合っている時の突き抜け感に近いものを感じたかも。上振れでないことを信じたいねー。なので詠います！

仰ぎ見る
空の蒼さと
高いビル

優しい陽射しと
穏やか家系

　お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！