ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1286】 きねこ (東京・中井) 勝浦式タンタンメン

 お尻が痛い・・・。なぜなら、ストレスと睡眠不足ということで。疲れが溜まるとお尻が痛いなんて・・・・この2年前までは想像もしませんでしたよ。きつい毎日が続きます。頭悪い私なのになぜこんな仕事を?と以前聞いたことがありますが、「逃げないから」という答えが返って来た。褒めているのかバカにしているのか分かりませんが、逃げていいこと一つもないのは自明ですから、それに従っているだけ。命令に従っているのとは少し個人的には意味合いが違うのだよな・・・・。ただ日常生活できわめて人間的になれる瞬間は、「食べること」につきると思う!だから、つらい毎日でも、旨いものにこだわりたい。






 ・・・・などと考えながら、とぼとぼと上落合辺りの住宅街の夜をさまよい歩きます。ホンマにこの行き着く先にラーメンがあるのだろうかといささか心配にもなります。こういうときにスマホは役立ちますね〜。目的地の住所と現在地を登録して検索すれば、行き先ルート表示が路地裏レベルで表示してくれますからな。まさに文明の利器。ほんまにこんなのばかり扱っていたら、人間はバカになっていく一方でしょうな。さて7〜8分歩いて路地を曲がったところに、いきなり看板表示があってホッとする顛末です。




 それにしても・・・・民家を改造したのがまる分かりでして、扉を開けると思わず靴をぬいでいいものか迷ってしまう。土足でどうぞという文字がなかったら確実に靴を脱いでおります。そして店内・・・・非常に落ち着きます。まさに隠れ家的。お酒も充実していそうな雰囲気。気持ちの良い対応もいい。まだ開店間なしで客入りも少なそうだけど、ラーメン抜きにしても、通いたい気分だが・・・・このロケーションは少々サディスティックやおまへんか?知る人ぞ知るというか、地元民しかわからないという立地条件。こういうの、大阪の飲み屋では当たり前なシチュエーションですが、個人的にはドはまりしそうな雰囲気です。通うのはツラいな・・・・やっぱり・・・・。

  








【スープ:今回ようやく・・・勝浦式とは「かき混ぜながら飲む」ものだと勝手に理解しました】


<辣油の海!山椒排除でオイリー一辺倒の潔さ>


落ち着いてメニューを拝見してやはり・・・・カレー系か担々麺系かと最後まで迷う。ここまでフェチな店構えだったら、フェチなメニューを食いたいというのが自然的な発想ですやん。ということで、フェチぶりを優先して「勝浦式」をオーダーいたしました。最近、中央線沿線では、ぽろぽろとこのメニュー展開をする店を突撃しておりますので、予習は一通りやったということで、自分には言い聞かせます。しっかし真っ赤っかー(^_^) まさしく辣油の海としか言いようがありません。しかもクリアーな赤色でして、思わずクルマのテールランプのようなプラスチック感を連想いたします。その下にうごめく濁りの層が見て取れるのですが、辣油の層が分厚くてレンゲをこねくり回りても、辣油が邪魔して単独リーチができません。いいねー(^_^) こういうの本格的って言うのだろうね。


これまで、ちょびちょびと食っているこの分野。高円寺、荻窪とトライしてきておりますが、その中でもこの一杯は、一番オイリーともうせましょう。一言でいえば、辣油一辺倒! 胡椒とか山椒のビリビリ感覚が微塵もないというのが特徴的です。辣油だけとは厳密には語弊がありましょうが、ラードのような動物系の旨味もスッキリと感じられる。それと玉ねぎの甘さもそれとなく。ひき肉の香ばしさも移っていて、食欲をそそる仕掛けはバッチリです。





<かき回して底からサルベージするように飲む!ベースは薄味系>


全くもって、これまで食ってきた中で一番スープの分離度合いがはっきりとしています。麺をまずは平らげないと、スープの攪拌ができないのであります。底に漂うベースのスープは、やはり試行錯誤を繰り返したものの、単独で味わえない。麺をやっつけ、レンゲを丼の底につけてぐるぐる攪拌がして、いいタイミングでスーーーーっと、一気に引き上げましょう。辣油:ベーススープ=4:6の割合でレンゲに収まると思います。


で、その気になっていたそのスープですが、実に予想に反して・・・・淡麗。いや、柔らかい淡麗かな? 豚コクメインな超あっさりスープに程よい魚介が効いているという予想。単独では薄すぎるのに、辣油の海と配合されることによって、全体バランスを保つといった感覚。この時点でようやく全体把握ができたと思える。シャープな辣油スープ層がヒリヒリとさせる所をうまく中和させて、香ばしさに変化させておるではありませぬか!ジャンキーな一杯と思ってきたこの勝浦式ですが、なかなか丁寧な仕事ぶりに、崇高さを十分感じる仕上がりですよ。

  








【麺:このスープの中にあって・・・存在感ある細麺です】


<細麺やや捩れなストレート!柔らかい芯を残すアルデンテ>


麺がまた良い。こんなに個性豊かな、いやいや強烈なスープの中にあって、麺の風合いを感じさせるのですからね。柔麺かと思って前歯を押したてて千切ると、そこにはかすかなクッシリ感覚と、固めのグルテン風合いを感じます。切り口を思わず視認して見ましたが、なるほど細麺の中にかすかに芯を見て取れます。 ああ、こんなことなら、大盛り設定あるか確認しておくのでありましたわ。柔らかさとアルデンテ感というコンビネーションって、あるようでなかなか巡り会わないから・・・。次に訪問するときは、カレー系を食うつもりに既になっておりますが、そのときにでもリベンジをはたさんと思います。





<まさに、オイルコーティングなツルツル!でも蒸せる ^_^ >


 オイルを纏わせやすい地肌と思わせておいて・・・実は赤に染まるようなことはないのであります。なのだけどツルツル。そこが妙でありまして、繰り返しますが見栄えで判断してずぼぼぼぼーーーーーっと啜り上げると、いきなり蒸せるので注意。たしかにオイルをまとったコーティング感はあるのですが、麺への染み込み度合いは少ないタイプ。これは、最終的には見栄えを無視して、塊状にして、ハグハグと食うのがよろしいかも・・・・。







【具:挽肉と粗みじん切りの玉ねぎのみ!穴あきレンゲで食う】


 さて具ですが、これまた至ってシンプル!粗みじん切りの玉ねぎと挽肉炒めのみ。結構地味な見栄えです。でも一つ嬉しいことがありまして、それは「穴空きレンゲ」が備わっているということ。なるほど・・・・これをしてみたかったのよ。挽肉の欠片がもったいなくて、腹がいっぱいであっても思わずスープをある程度飲み干してしまう。そんな経験はだれしもお持ちかと思われます。そんなカスタマーペインにお応えするのが、穴空きレンゲでございまして・・・・気配りを感じます。その気配りってやつが、味の全体になにかしら力添えをしている感覚があります。









 総じまして、住宅街の一角にこつ然と現れた店で、これまた突拍子もない「勝浦式」を食しまして、意味合いを深く知ることができました。なぜこんなスタイルのラーメンが生まれたか・・・・。勝浦の尼さんって漁の合間に体が冷えるのを、体の心から暖めてほしいということで、こういった辛くても「あたたまる」一杯が生まれたとのこと。なるほどね・・・。でもね、これほどまでにホットであるべきかは別問題ですね。こういいう一杯があることに麺料理の奥深さを強く感じます。なので詠います!






   ほのぼのと
   民家の名残り
   心地良く


   立地も辛さも
   マゾヒスティック



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。



  




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