ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1158】 タンタン (東京・八王子) ラーメン・麺カタメ


 いつの間にか、醤油ラーメンの魔力にハマってしまっている私なのです。京都育ちな私は、もともと、子供のころから食ってきてそこそこ好きだったのだけど、以前はいかにも東京醤油といったラーメンには物足りなさを感じていたのかも。味覚が関西人なのであります。なので、醤油ラーメンと言えば、新福菜館のような、じっとりブラック系がストライク。そんな私を清湯な醤油に目覚めさせてくれたのが、関西転勤時代に食った大阪のラーメンでして、金久右衛門、CLIF、きんせい、麺哲、その他諸々でして、着実にスープに対する趣向を変えてくれました。それでも「出汁で食わせる関西食文化」を感じさせるところがありまして、今でも金と暇があれば、新幹線を利用して食いに生きたいもんです。仕事が辛いときは、窓から見える青い新幹線・・・・東海道新幹線を眺めては・・・・


  あれに飛び乗ったら関西に帰れるのや・・・ 


 ・・・などと、ラーメン郷愁を感じていたっけ(笑)。なんとかなって今があるわけで、そういうことはもう無いけど、関東で骨を埋めると決意してからは、東京の醤油ラーメンを立て続けに食ってきて、その深みが段々と分かって来たと思えるこのごろです。


 そして月日が経ち、どうしても確かめたいラーメンがあった!それは何かと言えば「八王子系」と呼ばれるラーメン達! 中央線を使って毎日通勤する私は、荻窪系(中でもいろいろあるが)などそこそこ食っては来たけれど、八王子系はまだ語れるほど食っていないような気がするのです。東京に出て来て最初に誘ってくれたラーメンラバーというか、ラーメン師匠について行って食ったのは、西八王子の「吾衛門」。チャーシューとメンマと玉ねぎの大盛りだったっけ。あれは衝撃的に旨かった。関東にもいろんな醤油ラーメンの世界があると知ったのですな。このGWのエアポケットのような期間こそ、八王子系の店に突撃する覚悟を決めたのです(大げさ:笑)。




 ・・・などと考えながら降り立つ午前10時半の八王子駅です。八王子とくれば、「圓」、「あずき」など人気店もありますが、今回はそれ以外の開拓メインで攻めてみます。まずはここ・・・超ハードル高いこのお店「タンタン」から。この店・・・・元々、営業時間も平日昼の3時間程度しかないというサディスティックな条件ですから、開店シャッター待ちは覚悟しておりました。15分前に行くと拍子抜けでダレも店の前に経ってない。近くのコンビ二で5〜6分時間潰して、そろそろ店前で待つか・・・・と突撃しだすと、何と既に店内にお客がゴロゴロとおるではないか!店の前で待つくらいならお店の中へどうぞというシステムだったとは計算外!なんとか席をゲットできたという為体な私でありました(泣)。


 無事着席して・・・・妙な光景。カウンターには各自お金が置かれている。Cach On Delivery な Shot Bar システムなのか。すごすごと真似して野口英世を配置します。するとオーダーと取りに来てくれて、麺と薬味のリクエストを求められました。普通で・・・・と言いそうになったけど、「麺カタで」と一言ぼそっと告げまして、そこから・・・・本来の開店時間と調理時間が経つまでスマホをいじりながら静かに待ちます。







【スープ:醤油が映える!鶏豚コクも明るい!古典が実は新しい!!】


<極上のクリスタル醤油ブラウン!芳しくも明るく感じるスープ>


 いやはや・・・配膳の瞬間に春雷が落ちたかと思いましたよ(笑)。お待ちどおさまと手から手へと受け取ったその一杯を拝顔したとたん、スドン!と電流が流れたというか、奇麗なクリスタル醤油ぶりに。そして、鼻腔をくすぐる香りもこの時点で醤油の芳ばしさを感じますやん!醤油とスープのエキスだけではなく、カタメでお願いした麺の風味も入り交じったからでしょうか。澄んだスープの中に漂う麺の輪郭がハッキリしていて、透明度を思い知ります。これはたまらん!と急いでレンゲですすり上げる。


 醤油の輪郭が実にいい!そしてその印象は明るい!魚介で落ち着かせたという風合いは個人的には感じず、動物系のスッキリさという感覚が先行しました。それに、程よい昆布のような出汁加減も非常によろしくて、このスープをいつまでもすすっていたいと思わせるほどに、私の個人的好みにマッチしたキャラクターでありました。おいおい・・・・、いい!実にいい!あんまり喜ばし過ぎると罪やん・・・などと脳裏で語りかけたりする。



<丸鶏の如く・・・鶏ガラの豊かさと豚コクが映える!>


 動物系が明るく、そしてクリアーな味わいなのに、しっかりと煮出した感覚がある。何となく、丸鶏スープを味わっているかの錯覚に襲われます。表面をよく観察すると、薄い透明な層があり、まるでカメリアラードのようなキラキラしたワックス感が漂います。何といっても醤油のブラウンぶりが実にいい色合い。豚コクの濁りも感じず、なのに動物系な味わいが芳醇なのであります。後味に嫌みが一切なく、さっぱり鶏ガラのコクが広がるのみ。そこにちょっとばかりの醤油の発酵系の丸味を感じる・・・。




<塩加減がちょうど良いからか・・・醤油ニュアンスが甘くも感じて妙!>


 醤油の丸みと感じるのは、丁度エエ感じの塩梅ということだろうか。塩気!というほどの塩味でないのだけど、ピッチリ!とフォーカスしたような醤油の味わい。それ故に、何故だか甘みと勘違いしそうになる。おかしな話だけど、ピッチリした醤油味の向こう側には、甘みが潜んでいるのやないか?と感じている次第。上手く表現できませんが、そんな感動を覚えます。







【麺:細麺がクッシリとすると・・・こんなに風味が増すのかと再発見する】


<昔ながらの中華そば!っといった細麺ストレートが緩くよじれる姿>


 また麺が実にええねん!麺箱に確か「尾張製麺??」とか書いてあったか?記憶が定かではありませんが、確かにこの店の営業時間も短いゆえ、「おわり」が早いわけだが・・・・。しかし、この麺がスープに漂う姿は、いかにも「中華そば」という風貌やわ!こういう東京ならではのクリスタル醤油スープには、細麺ストレートが漂うのが絵になる。しかも、真っすぐでもなく、少しクネクネと捩れながらのストレート麺。見ていた飽きない。


 カタメにお願いしましたから、風味がとてもストレートに感じるのだが、熟成度の高さもとても感じる。他客も約7割は「カタメ」と注文を通しているし、常連と思しき方は「すごカタ(???)」などと宣い、博多麺でいうところの「ハリガネ」「粉おとし」に相当するようなフェチぶりを発揮しておられる。 風味が良い麺である一方で、玉ねぎ微塵が適度に引っかかりながら持ち上がるので、クッシリとした歯応えに、シャリシャリとした感覚も混じる。ゆるやかな捩れがあればこその、玉ねぎ持ち上げだろうか・・・・。




<カタメのコントロールがナイス!クシリ感と風味!>


 女将さんの麺さばきもなかなか!カウンターが高くて良くはみれなかったけど、大釜茹で上げの平ザルコントロールタイプですな。手間がかかっても2つで1生産ロットを崩していません。あまりにも一度に多くのオーダーを茹で上げると、最初と最後でかなり茹で味が変わってくるし、そういうところもお考えになっての少数1ロット生産なのでありましょうか・・・・。


 芯の風味を強く感じるため、前歯の千切りはスパスパというより、クシクシとして千切れる感覚。奥歯に運び入れすり潰しに入ると、それは纏まって気持ちよいほどに「クッシリ!」とした味わいになる。スープの味も適度に吸い込んでいる中加水タイプな麺は、時間が経つにしたがってよりしなやかに変化してゆく。




【具:あっさり大判のチャーシューと玉ねぎ微塵はトレードマーク!】


<チャーシューも薄味で柔らか!スープと最高にマッチ!>


 実は、チャーシューも名物なようですな。約6〜7割がこの日は「チャーシューメン」でした。薄切りですが、適度に柔らかく、ほぐれてボロボロになることはない。適度な脂部分を補完しているので、筋肉部分も凄くジューシー。基本的に薄味で醤油スープを吸い込ませて食うのですが、スープ自体も熱々なため、より脂が溶け出したようになり、肉の甘みを醸し出すようではないかいな!かなりの大ぶりなお姿なので、チャーシューメンの場合、麺顔が肉だらけになる。この肉なら胃の負担も軽く、何枚でも食えるという自信すら感じますよ!




<コリコリ過ぎないコリコリ度合いがナイス!>


 地味だけど、メンマも適度なコリコリ感でいいです!個人的には、細めでコリコリ度が強く、味の漬け込みも深いのが八王子らしいかもと、勝手に感じていたのです。しかし、醤油スープの味を邪魔しない程度のしっかりした味わい。サクっとする柔らかさまでは無かったが、適度にコリコリ&柔らかさがバランスよく、これならメンマラーメンにしてもナイスかもしれません(そういうメニュー設定ないですが)。


 最後に、玉ねぎ微塵。葱増し設定もありまして、大抵の常連さんは、葱増しが普通らしい。この玉ねぎ苦さや尖った味わいはなく、微塵もきめ細かい。なので大量に投入しても残念なことは無いでしょう。はたして、この独特なスープの甘みは、玉ねぎのフレッシュエキスの貢献によるものかもしれませんね。醤油スープの・・・あの明るさは、玉ねぎの役割だったのかもしれぬ・・・。







 総じまして、宿願の一杯!果たして快感!!それ以上に旨し!!!な一杯。営業時間の都合上、ハードルが極めて高いですが、折角、東京の西エリアに住んでいるラーメンラバーなら、一回食っとけ的な金字塔でしょう。この感想だけで・・・・しばらく生きていけるわ(笑)。なので詠います!



   2年越し
   虎視タンタンと
   タンタンへ


   マスマスはまる
   八王子系



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!






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