ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1153】 めん 和正 (東京・三軒茶屋) 中華麺

 


  大人のマナーも崩れている。最近そう感じることが多いのです。たとえば歩行喫煙。東京の中心地ではあまり見かけなくなりましたが、歩道に禁煙という大きな看板があっても、気づいてないのか平気で喫煙している姿をよく見かけます。電車の中では、携帯電話をどうどうと使っているし・・・。因みに、携帯電話の車内利用禁止は、日本だけのマナーらしいと聞いたことがあります。マナーとか慣習って地域や国で違うものだろうけど、ごみのポイ捨ては万国共通なのではないでしょうか。因みに、私は喫煙者ですが、ゆえにポイ捨てが気になるのかもしれません。


 一方で、若者はどうかと言うと、大人とあまり変わらないと思えます。されど、先日こんな光景を目にして、ちょっと自分で考え込んでしまいました。





 ある日外出する機会があって、昼下がりのがらすきの山手線に乗り込んだときのこと。どこからか椅子の下から空き缶が転がっていたのです。電車が傾くたびに、左右にジグザクに転げまわります。何となく・・・・・「自分のところに来たらやだな・・・・」という風に考えてしまう。そうすると段々とこっちに転がり近づいてくるではないか!嗚呼やだな・・・・と思っている私の心理状態。


 段々と近づいてくる。仕方ないから、自分足元の座席空間に押し込むか?と考えだしているところに、唐突に、隣の若者が足を延ばし「グシャ!」と一撃で空き缶を踏みつぶした。ちょっと乱暴だなとその時は思っていた。その若者の格好は、まるでミュージシャン崩れのようなラフな格好。そしhて腕に入れ墨なんかしたりしている。自分との接点がおよそ見つからないような風貌です。おそらく彼自身ももウザかったのだろう。そう理解して災いがなくなり小さな安堵を感じていた私でありました。


 そして何となく座席でウトウトしそうになったところで、新宿駅に到着。私とその若者も降りることになるのだが、彼は思いがけない行動にでた。自分が潰した空き缶を拾い上げて下車し、ちゃんと持ち去って行ってしまった。おそらくゴミ箱に向かったのでありましょう。私はそこまで考えが及ばなかったし、また及んだとしてもそのゴミを拾い上げたろうか・・・・。こんなことがあって、若者を見直したということと、マナーとは見かけや年齢には関係しないものなのだと考え込んでしまいました。


  




 ・・・などと考えながら、今回は、「めん和正」さんの行列待ちの時間をつぶしたのです。狭い店っぽいのですが、ひっきりなしに、いろんな世代の方が訪れます。行列店なのだが4人並んで食いたいとかご年配の集まりが融通しようとするから、さらに行列が長くなります。空き席に分かれて食事するのがそうとう嫌らしい・・・。

 そもそもこのお店は、ご店主が一人で切り盛りしているので、回転がそう良いわけではない。しかも、永福町系とあって相当なボリューミィーな一杯。それを知ってか知らずか大盛りを注文して、食いきれず撃沈する方も多々おられるようだ。だからゆっくり食べ進めることになり、それぞれのお客の座席占有時間も長めかも。私の場合、前4名の次の順列だったのだが、入店には30分弱もかかってしまった(泣)。皮肉なことにお隣もラーメン屋(油そば屋)なのだが、この客入りの差は、気の毒な感じもあります。

  




【スープ:ふんわり煮干しの織りなすトラディショナル系!客足途切れぬ地元に支えられた旨さ】


<伝統感じるふんわり煮干しとビッグサイズはまさしく永福町系>


 何と言っても配膳の瞬間が愉しみ!特に「永福町系」の流れとくれば、さらに高まるというもの。ご店主一人で切り盛りされておられるこの「和正」さんですが、丼の扱いがちらほらとカウンター越しに見えて、サイズ感の大きさが訪問の充実さを感じさせますね。700円という価格設定は、本家とくらべてお得感あり。同じところと違うところが見え隠れもいたします。


 実に柔らかい煮干しなのだろう・・・・。思わず口から感想が漏れそうになります。サラサラ系の豚魚と申しましょうか、今では豚魚がどの店もそこそこエキストリーム系になってしまった感があります。しかし、最近また原点回帰な方向に戻っているような流行を感じますがいかが? まさにこのスープ感は一周回った旨しと思えるサラサラ抵抗感低いスープが、斬新にも思えてなりません。




 優しい豚魚というより、オリジナル故の繊細さを感じます。塩気は確かにありますが、かなり低めの塩分。煮干しも甘いタイプのものを上澄みだけ採ったような薄っすらさいです。煮干のすり潰しの欠片みたいなものは、一切浮いていないし、飲み干した後の丼に残ることもない。煮干の飽和点ギリギリ一歩手前といった濃度感が非常にいい!いい!いいぞ!!和正のスープ!!!単に薄いのではない証拠として、丼のふちの泡がこびれ付いているところに、煮干エキスの欠片が貼り付いているのが分かります。醤油ダレも柔らかめ。半濁なスープにピッチリとした旨味を感じるのですが、親しみある芳ばしさの中に、醤油の甘みを感じたりもします。甘いのだけど、塩気もしっかり感じられるという表裏一体な味付けバランスに魅了ですな・・・。




<さらさらに感じる豚コク!ラードが熱くともゴクゴクいきたい!>


 この落ち着き感漂う魚介の風味。しかし、後半になってゴクゴクと丼に手をかけて直飲みしだすと、意外と素直な豚の動物系のコクも淡く寄与しているのが実に伺えます。丁寧な豚骨か豚肉の出汁の取り方がいいね!非常に豚エキスさえサラサラに感じられてとても粋です。されど私はその奥にラードの存在を感じます。表面に薄く皮一枚だけ、ラード主体の旨味オイルの存在が確認できるのもあります。



 しかもこのラード、なかなかいい!熱さが非常良く保たれておりまして、食事の後半以降になっても熱のパワーが衰えず、飲み干す段階までやけどをしそうになってしまう。旨いものを旨いままに。そしてたくさん食べてお腹いっぱいになって欲しい。そんな店主から客への愛情みたいなもんをそこに感じたりするのやなぁ〜。




【麺:風貌は剛麺なのだが、食うとしなやかさとクシクシした歯応えがたまらん!】


<太麺強縮れな多加水!弾み少なく適度なモチモチ>


 一般的な「中華麺」と思っていると手痛いしっぺ返しを食らう(手痛くもないか)。実に食応えある太麺でして、しかもそのカールっぷりというか縮れぶりが非常に食べ手にアピールしてきます。写真で見るより白めな地肌でして、一目で多加水と分別ができるお姿。思わずモチモチ期待に気分が切り替わりますが、ちょっと嬉しい方向に予測はずれ。


 想像に反して「クッシリ」度が高い。前歯の刺さり具合は、さくっと・・・スパスパって言う感じで小気味欲千切れる。奥歯へ誘導し、すり潰しにっかって例の反発を感じるのですが、一定レベルの沈み込みも感じる反応。この反応が予測とは違っていて、これなら、「つけ麺」への期待ぶりが高まります。事実、カウンターに座った他客は、私以外、全員つけ麺。そしてその麺の量の大きさを甘くみて撃沈している若者もおられる。胃に溜まるとはこのこと。永福町系のボリューミーな特徴をきっちりと表現されておられるのだな・・。




<熟成感じるツルツルな表面が駆け抜けるように高速にすべる>


 そしてスベリの感覚もまたいい!外固風にも感じられ、喉と口内への刺激が高速に刺激を与えて感触にエンタテインメント系を感じますな。表面のつるつる度合いが秀逸でして、少しばかりの汁をまとい、そしてラードもまとい、ずぼぼぼぼーーっと勢いよくすすりたい。その結果として、シャツに飛び散るスープのしぶきは御覚悟いただきたい次第ですが。


 咀嚼して麺の風合いも感じ取れるし、そういうところもまた良い!海苔を半分に切り、麺を巻いて食うのが好きなのですが、パリパリとした感覚と、麺のクッサリとした感覚のミスマッチがまた旨しと演出されて・・・旨し。







【具:この肉がデフォルトなら、次回はチャーシュー増しに決定だな!】


<デフォルトでこのチャーシューの質と大きさは文句無し!>


 このチャーシューは値打ちもんですよ!製法的には目新しくないものの、バラ肉ロールの巻き具合がまたしっかりとしていて、食するとホロホロと解け、溶け出すよう。実は、このチャーシューまでも、熱々な温度で提供されるのだから、熱へのこだわりってのを感じたりもします。



 味わい的には、典型的な醤油カエシがキリリときまって、程よく染み込んだ極上の肉。大きさもGood!分厚さもGood!味わいもちろん最高!味の傾向としては、白飯の上に載せてチャーシュー丼にしたいくらいです。




<コリコリしながらも柔らかいメンマは定番の旨さ>


 メンマの太さと厚さ、そして長さと方向性までキッチリと整理されていて、これはこれでより旨く感じます。食べる前なのに。味わい的にも浅めの味付けでして、細い部分はコリコリと歯応えで楽しませてくれて、平たい部分は、シャクリシャクリとしたそれを楽しませてくれる。どちらも嫌みがいっさいない所作。これはいいかも!


 その他海苔もそこそこ肉厚でして、海苔増しが50円なのが今時破格にも思えてナイス!味玉は今回遠慮したのですが、これだったら海苔増ししとけばよかったと激しく後悔をいたしました。




 総じまして、最初から最後まで、旨さの中に質実さと丁寧な仕事ぶりを感じて嬉しい一杯。色気に走ることなく、平凡さのなかに突き詰めた旨さを醸し出すトラディショナルな旨さ。ロケーションが渋谷から近いようで半端な距離を残すのに、老若男女が行列をなす店。ジェンダーフリーな旨さゆえ、今後も長くこの味を提供しつづけていただきたいと熱く希望します。昭和女子大の学生と、世田谷学園の野球部員が行列の店の前を通り過ぎる。またこの店は行列だとか仲間内で会話する。ここ旨いんだよね・・・だってさ。地元にシッカリと根付いているのも感じ取れて、ここの店のスープのように、やさしい清々しさ感じた。ああ・・・また来たいな・・・・。なので詠います!



   人集う
   世代を越える
   旨さにて


   腹いっぱいの
   ありがたさ知る



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!





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