【ほんまに魚雷があるねんね・・・爆弾処理をして来ました!】
なんで「魚雷」という・・・おっとろしい名前つけとんのや!とかねがね思っていたこのお店の名前なんですが、戦争でもおっ始めようかという男臭いお店やろかと最初は思ってました。実は、とても落ち着いた雰囲気で、まったりしたサービスをしてくれるお店なんやね。食う方も爆弾処理でもしたろかい!という気持ちで乗り込んだら、とんだ肩すかしでございます。だって・・・「いらっしゃいませ」というのは良く聞く対応なんだけど・・・
「お待ちしておりましたっ。」
と落ち着いて応えられると、こっちの関西弁が思わず標準語になってしまいまっせ!ともあれ、こんな感じでスマートな対応と、サイホンのグツグツを眺めていると、喫茶店かいとも思える感覚です。外見と大違い。まずは、基本の本枯節中華そばをチョイスしオーダーを通します。すると、すぐさま具を3つ選べと宣うから迷ってしまう・・。いろいろ考えたあげくに、リストの上から3つをチョイスという単細胞ぶりを露呈してしまいました。
【店長と言わずに「マスター」と呼びたい!サイホンの向こう側にいる人を】
最近、コーヒー専門店でもサイホンを見なくなったのに、ここではカウンターにたくさん見る事ができます。非常に妙な気分ですな・・・。本枯節を煮出しとるんやなホンマに・・・とこれだけで、期待が高まります。厨房でうごめくスタフをアタクシは昔の喫茶店みたいに「マスター」と呼びたい雰囲気を感じます。などと、空想を重ねていると、意外に早く5〜6分で配膳完了です。ラーメン本で見た通り、具と麺の別だし。なんか、ビールでもあったら、具をアテに飲めるのになと少し後悔です・・・。
「泡が・・・泡が・・・・消えて行く・・・」
これ何や!慌ててカメラを容易しているうちに半分以上消えてしもうたがな(泣)。淡雪のようなトッピングは一味の欠片と小松菜だけを残し、完全に消えてしまいました・・・・。しかし、汁に溶けているわけだからと、スープをおもむろにすすり始めるのであります。すると、その次には感動が待ち受けます。
「ええ節が濃い!という単純じゃなくて、旨さが立体的に感じるやないかい!!旨し!」
と心で叫びます。節が濃いのを、「濃厚」とか「分厚い」とかアタクシ語りがちですが、直感的には「立体的な節の味わい!」と申させていただきましょう! とっても濃い上に「クリアー」と感じる節系のアミノ酸に、鶏の動物系のコクがぴったりと合わさった、この最高の気持ち良さ! これは、スマホの保護シートを指紋も空気も残さずピッタリと貼る事ができたときの気持ち良さと同じ感動ですわ!(小さいことで幸せを感じる、スケール小さい男でっさかいな)。
ともかく、本枯節のふんわり感がびしびし感じると、すぐにカエシの輪郭と鶏コクがバシバシきますからね。まるでクリアで明るい鶏そばでも食っている雰囲気です。そう・・・明るさも感じるのだな・・・。そして、何を隠そう・・・・このスープは「とても熱い」のでありまして、この点も高い評価なのだな・・・。基本に忠実な構成なんだけど、サイホン一つでこんなに明るく濃厚になるんやろかと・・・思います。これが、全部飲み干してしまいましたで!
※味のグラデーション:本枯節のアミノ酸>鶏コクまったり感>醤油カエシ>具材のエキス>昆布と椎茸?その他
【全粒粉配合で見た目も感触も良い演出だと思います】
一方の麺は、アタクシの個人的なエコ贔屓してしまうポイント「全粒粉」が配合されてますので、嬉しい誤算です。良くある言い回しで「加水が高め」と感じるその噛み心地もポイントです。この熱いスープには熱ダレしにくく、とても良い選択だと思う一方で、このタイプは「スベリ」が過ぎると個人的には興ざめなんです。しかし、そこをこの「全粒粉」がいい感じでざらつきを与えてくれてますし、非常にスープにマッチした麺だと再認識をしてしまいます。
「やはり、この斑点ある麺は、平打ちか長方形な切り口が良く似合んにゃわ。(吉本:井上達夫風)」
この一品は、全体感でスタイリッシュですから、ハンドメイド感ありすぎる麺だとバランス悪いかな・・・。せやけど、平打ちっぽいニュアンスほしいな、全粒粉やったら・・・と思ってたら、こちらは、正方形じゃなく長方形な切り口の麺です。麺の素朴さと、全体のスタイリッシュ感とが折り合ったポイントですな。ナイス!
・・・・とここまで自分勝手に考えがまとまったあとは・・・・・、無我夢中で一気に麺をすすり上げてしまいましたわ!!!しかも、ノンストップでな! 前歯スパスパ、奥歯クチュクチュ、咀嚼少なめでただ嚥下を繰り返すマシーンと化したのです。
※麺の感覚:風流とスタイリッシュの均衡!多加水で潰し込み抑えめ、スベリつつ、風味も演出。
※麺の形状:長方形切り口の角立ち、ストレート麺。黄色が微妙に濃いけどなぜか自然と感じる。
【このトッピングの演出だけで、デートに使えそう!】
デートって・・・ワテ40後半のオッサンが、何言うてんねん!・・・ですよね〜。アタクシを個人的によく知っている方なら、レビと真逆な堅物人間であるとつっこまれそうです。でもね、若かったらこういうデートもしたかったと言いたいわけ・・・・。この洋食器で出て来るトッピングは、実はそれぞれ「旨い」のでありまして、白ワインか、日本酒で頂きたい次第。先に言っておくけど・・・・もう少し、大きければ最高・・・。
まず、「鶏チャーシュー」は、醤油の甘辛な周囲の味付けと、鶏肉のクッサリしたところが・・・・日本酒にあいまんな! そして、「炭火焼豚」は、名前の通り!炭火がよく効いていてスープに浸っていても、炭火の香ばしさは変わりません! さらに、「姫たけ」は、タケノコ感覚は濃縮! どれも、ラーメンの具としてより、お通し感覚では最高という感じでして、たしかに、こういう出し方だと、一品一品を味わえるのでいいですね。麺顔にどか!っとあったらもう評価も後回しになってしまいますから。これは、アイデア賞かもです。
※具のおさらい:炭火焼豚、鶏チャーシュー、姫たけ、薬味ネギ、小松菜、正体不明の泡
総じまして、「魚雷」という攻撃的な予想を覆し、「ニューウェーブなスタイル」に翻弄されながら、オッサンがラーメン食ったという話。そして、サイホンで入れるスープというのが衝撃だったという話。実際に食って見ると、単なる宣伝ではないなという体験があるからね・・・。恐れ入りました。まだまだ驚かされる一杯は、ここ東京には相当ありそうですから、ふんどし締め直して、また再訪しまっさ!なので詠います。
ニューウェーブ
なめた気分で
ノックダウン
サイホン目にして
再訪誓う (さいほう=さいほん)
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