連休最後はいいワンタン麺を食いたくて・・・下北沢
- <冷酒> 大人の休日の過ごし方・・・本醸造 梅乃宿
- <全体&スープ> 淡麗さの中に透明感ある鶏出汁の明るさ!滋味を与える魚介エキスの落ち着き!コスパも光るナイスな一杯!
- <麺> 程よく淡いクツクツ感が風味よし!ゆっくり汁を吸い込み甘味も徐々に感じる味風景
- <チャーシュー> 肉味を柔らかく噛みしめる・・・淡白なる肩ロースの旨味!
- <ワンタン> 肉餡は上品薄味にして詰まってデカい!包み皮は薄く滑らか・・・そして尾ひれが長し!
- <味玉にハズレなし!> 塩味玉?淡い白出汁?ナチュラルな塩気の中に円やかなエッジと濃密感
- 総じまして「グルメと文化の下北沢にしっかり根付く質実拉麺!崇高塩雲呑麺!」
先日の3連休はラーメン三昧!本当に正月明けにこの連休は嬉しいし助かった〜。早速忙しかったし、体と気持ちがあまり日常モードに巻き戻せませんでしたし、ちょうどリセットできるというものです。正月ラーメン断ちしてたのを一気に取り戻す私です。そんな中で、先日食った「さわ@中板橋」の印象がすごく良く、何となくまだ余韻を引きづっている・・・。連休最後にもう一回訪問しようか?とも思ったものの、行列で時間を潰されるのが嫌ー・・・。有名ブロガーさんの情報では、「さわ」さんは「こてつ@下北沢」のご関係者とのことで、何だーーーそういうことか!このコスパの良さは!!と腑に落ちます。ならば行ってしまえ!と言うことで、京王井の頭線に飛び乗り、「中華そば こてつ」へと向かいましょう。
降りる出口を間違って、わざわざ遠回りして店へ向かうが、途中で「麺と未来」さんの前を通る。・・・スゲー大行列!!。若い女性客が多く、さすがメディアや受賞で露出するとハードル上がってしまうわなー・・・と、嬉しい反面少し寂しくもあり複雑ですね。斬新な麺の新進気鋭なお店ですが、一方のこれから向かう「こてつ」さんは、王道の中の新しさと言うか・・・そんな質実さがウリのお店だと思う次第。ちなみに夏になれば提供される「冷やし中華」が絶品のお店。オールシーズンだと・・・個人的には「ワンタン麺」。今回はそれ狙いです!。
開店時間直後・・・待ちなし。少し寂しい?と思ってたら後からポツポツと客が入っていい感じで賑わいだしてきた。このエリアでもプレゼンスを確保したようで、地元客が多いのがいいね。少し訪問しないうちに、女性スタフが1名加わって、人を入れる余裕も出てきたところが、ファンとしても安心を感じます。
<冷酒> 大人の休日の過ごし方・・・本醸造 梅乃宿
ここのグラス酒が嬉しいんだよなぁ〜。300円というリーズナブルな設定。バリバリの銘柄を揃えると敷居が高まってしまうが、開店当初は菊正宗だったような記憶。このところずーっと奈良県の「梅乃宿」と言う銘柄に落ち着いたようで、これが実に気に入ってるんです。
本醸造らしく、いわゆる広く市販するタイプのランク。これが薄く琥珀に輝いているのが見て取れて、それだけでも旨さが香るような気分にさせる。そして香りも芳醇で、純米のズドンとした重さもイメージさせながら、辛口のキレも与えると言う優れもの。キレの方が上回るのでどんな料理にも合いそうな気がします。昼酒に冷酒ってのが強烈に酔いがまわるのが早く、麺が来るまで半分程度飲んでしまったがすで少しにヘロヘロ・・・。あとはワンタンをツマミにしながら最後にちびちびやりました。
<全体&スープ> 淡麗さの中に透明感ある鶏出汁の明るさ!滋味を与える魚介エキスの落ち着き!コスパも光るナイスな一杯!
ところで地方から東京に出てきて、東京生活の方が長くなると、体や趣向も東京に馴染んでくると言うのがやっぱりあるよね。若い時は帰省しては「カブれた」などと揶揄されっぱなしでしたが、もうそんなこと言われる年代でもない。関西オリジンのオレとしては、昔はずっと酒なら「ビール」!そのお供としては「餃子」!だったわけで、今となって「冷酒」に「ワンタン」などとは言語道断だったはず。それに嫁さんは関東人だし、日常の味生活に馴染んでし待って幾数年と言うところでしょう。嗚呼・・・早くワンタン麺来ないか・・・などと考え始めたらすぐにそれはやってきました。それはこんな麺顔。
おおお!やっぱりいつ見てもこの店のワンタン麺は賑やかだ!。ワンタンがゴロゴロと放り込まれていて、それでいて生き生きつやつやとした質感がありなむ。ワンタンのみならず、ちゃんとチャーシューも添えられていて、デフォルトの設定を外さないところも気が利くし、メンマが少し多めにサービスしてくれてないか?。この崇高感で850円、大東京ど真ん中の人気スポットでこれですよ!頭が下がる!。
まずはスープから!。レンゲで透かして見ると、とっても明るい透明感と琥珀の色合いが美しい。でもよく見るとエキス感を感じるような軽い濁りがあるのね。また表層には鶏ガラと思われるキラキラした脂が軽く浮いており、渦を巻いて浮遊してます。味わうと・・・思ったよりも淡麗であっさりした風合いが広がり、尖りなど一切ないナチュラルな広がりです。鶏ガラの芳醇さがどぎつくなく、まさにナチュラル。鶏100%でもないと思いますし、また野菜等の優しさがあるのかもしれない。ただ動物感のスッキリさが印象的で、ほのかな甘みがあるのがいい感じです。
そのほのかな甘みは魚介系だと思う。これが実にナチュラルな甘さで全体を落ち着かせるので、淡麗と言い切っては見たものの、実は優しい円やかさがあります。昆布等の乾物もありましょうが、魚介の中でも、煮干し系と節系のバランスが拮抗していると思えます。個人的には節系ベースと思って味わいましたが、甘みの主体は煮干しかもしれない・・・。トッピングのワンタンの影響も受けてるかもしれず、また麺から吐き出す炭水化物の甘みが後半に溶け出すので、ゆっくりとカオスと化してゆく甘みです。
薬味は三つ葉とねぎ。比較的控えめな添えですが、それでも十分に風味を与えてくれます。ワンタンなど具材から強い影響を受けないスープのためか、ほのかな薬味の清涼感がじわじわ広がるのもいいね。三つ葉の細い茎一本だけ齧ったら随分と風味が駆け抜けたー。これはワンタンがシンプルだから、薬味のイメージが残るのかも。
<麺> 程よく淡いクツクツ感が風味よし!ゆっくり汁を吸い込み甘味も徐々に感じる味風景
ちょっぴりカタメな歯ごたえが好き。こちらはストレート細麺を採用。少し加水を抑え気味な雰囲気で、歯ごたえと楽しむタイプ。そして少し淡いクツクツ感です。ワンタンの感覚とは方向性が違って、むしろ歯ごたえにコントラストを感じさせて楽しいかと感じます。前半は少し噛み切った切り口には、微妙にアルデンテな芯を残す。このため噛むと風味を少し感じさせるタイプで、咀嚼を進めて出汁のエキスと一体化した旨さを感じさせます。
中盤から汁を吸い込み出したなーっと分かりやすいです。前半の箸リフトは揃いにくいものの、腰がしなやかになると徐々に揃い出して、汁の吸い込みの他には、持ち上げの方もよろしくなってきます。ここからはレンゲもこれまで以上に駆使して、汁をためながらズボボボボボボボボボボーーーーーっとすすり切るのが旨し!。細麺はこれができるからイイね。
終盤になっても汁吸いはゆっくりと進行するようで、伸びきった麺の残念感はありません。最後の2〜3本を箸でつまんで、瞬時に吸い込んで無かったことにしてしまいましょう。それでも口の中には淡ぁ〜〜〜く、麺風合いの記憶が再現できますから。
<チャーシュー> 肉味を柔らかく噛みしめる・・・淡白なる肩ロースの旨味!
昔ながらの中華そば屋・・・と特に言い切れないところが、このチャーシューの表情でしょうか。平成後半のラーメン界に一気に流布した低温調理チャーシュー。料理は科学だとしたら、とても計量計数化しやすい調理法だったのでしょうか。伝統の継承って堅苦しさなくてしかも美味い。特に、肉本来の味を知らしめるところが、すごく説得力ありますね。肉身本来の味って、これでしか知り得ないと思ったし、脂身に甘みがこんなに凄いと思ったのは、こんな肉に出会えばこそ。しかも部位によって微妙に脂のサシが違うため感じ方も違うね。今回で言えば、肩ロースにしては脂みが少なめなタイプで、重くない肉味を堪能。半レアな赤みを塩スープに浸して、ピンク色が薄れかけたタイミングで食うのが旨し!。後半に残しておいた冷酒とともに堪能しきりですよ!。旨し!。
因みにメンマが今回は非常に見直した感じ!。淡麗な出汁に浸った長細いメンマは、フレッシュさを感じさせつつ、爽やかな熟成を感じる風合い。軽いコリコリ感も楽しいので、これは軽く一味を振って冷酒で味わうと美味いと思う!。次回はメンマ増しにして、別皿でもらうのも手だなと考え出してます。
<ワンタン> 肉餡は上品薄味にして詰まってデカい!包み皮は薄く滑らか・・・そして尾ひれが長し!
ワンタンにも色々特徴がありますね。
1)肉餡:てるてる防水・金魚タイプの大粒から豆粒タイプに至るなど
2)皮:肉厚で皮も食わせるイメージから薄皮で滑らかさを主張するなど
3)味:うす塩あっさりタイプから生姜・大葉等ハーブを聞かせるなど
4)個数:全体ボリュームによって数によりけり
これに当てはめると
・肉餡は大粒で粗挽き肉がふんだん!合挽肉のような引き締まりと柔らかさ
・皮は薄皮タイプでデロっと広がり破けそう!とにかく滑らかスベる
・うす塩でとてもシンプル!ハーブ感覚は皆無
・個数は6つ!大ぶりなゆえに麺顔の半分を埋め尽くす
巷の「ワンタン好き」にも色々個性がありまして、「滑らかさ命!」って方もいれば「肉餡のダイナミズム探求!」って方もいると思います。特に「皮の厚さ」にはこだわりがある人多く、私が好きな肉厚皮だとイライラするという方もおられる(会社の同僚)。私はかなり個人的には好みのツボにハマった次第ですが、一点だけ再認識したのは、生姜排除なシンプル味だってこと。先日の「さわ@中板橋」では生姜の清涼感がとても印象的でしたから、その流れで今回訪問したためコンセプトの違いって大きいなと改めて感じました。
因みに「特製」にもワンタンが入ります。いきなりワンタン麺でなくて、まずは初訪問なら「特製」で攻めてみるのが良さそうですね。
<味玉にハズレなし!> 塩味玉?淡い白出汁?ナチュラルな塩気の中に円やかなエッジと濃密感
三つ葉の下に隠れてますが、今回は味玉もプラス。Mサイズ玉でほぼ白さが目立つ薄い褐色感。このため塩味玉だと思ったり・・・。味わいとしては、白身はあっさりシンプル味で、塩味とよく馴染みます。そこに卵黄の濃密さが広がります。卵黄はねっとり感が全体に広がり、ゼリーやジェルを思わせる感覚。味わいは芳醇な中で、卵本来の味わいも残すタイプです。塩味玉のような分かりやすいシンプルな旨さがメイン?。しかしそこから卵黄のマチュアで熟成した甘みがじわじわと感じます。それは白だしが滲んで味に溶けたかのような錯覚すら覚えるほどで・・・これなら不思議と冷酒とも合いそうです。
同じ商店街に「とよんちのたまご」という店があり、どうやらこちらの卵と同じものを使っているような触れ込みを帰りがけに発見。こだわりの味玉だったことが最後に判明です。
総じまして「グルメと文化の下北沢にしっかり根付く質実拉麺!崇高塩雲呑麺!」
・・・と言うしかなく、極めて王道なうまさ!。価格も味も毎日でも食えそうな質感ですな!。ほぼメニュー制覇してからは、訪問機会を減らしてしまいましたが、もう少し通わねば!。次回は「こってり味」を試してみたいと思いますー。ともあれ落ち着いたいい店になってきて安心。そんな応援気分のまま、とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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