【鶏そばメインのお店とは!これは嬉しい!〜久しぶりに高田馬場へ】
高田馬場もまた最近足が遠のいているな〜と思って、昼休みにほげーっとネット検索している今日なのです。今宵の獲物を狙うハンターみたいな鋭い目つきとは、真逆の気の抜けた間抜け顔で、頬杖つきながらマウスをいじっておるただのオッサンなのです。ところが、その間抜けた目つきが、一瞬キラリと光る瞬間があったのですわ!その理由は「鶏そば」という文字を見つけたから。
「と・り・そ・ば」。
なんと、それだけで粋で旨そうな響きやないですか!
しかも、一メニューやのうてそれがメインの店でっせ!!
さらに、東京の中でも激戦区の高田馬場ででっせ!!!
それに、けいすけと、べんてんのちょうと中間のロケーションでっせ!!!
・・・・もうこの瞬間でアタクシは、生き返ることができるのです。午後からは、イケリーマンになってとっとと雑務をこなして、颯爽と会社を起つのだと心に誓うのです。
【ほんまに鶏そば専門店やんか!それに・・・薬味のテクニシャンやな!あんたら!!】
訪問時、先客2名程度。まだ回転間もないのかな?わりと知られていないのか、たまたまなのか不明ですが、渋くシックな外観とうらはらに、とてもお若い方が仲良くオペレーションをされてます。最近、中と外が裏腹な店がほんと多いよね!BGMもセンスの若さを感じます。
しかしながら、券売機を見るとそれは「鶏そば中心」の構成となっててこれまた、やっぱり渋いわけです。実は、濃厚鶏そば狙いやったんですが、ここに来てデフォルトの鶏そばに変更いたしました。だって「当店イチオシ」ってPOPがあったしね・・・。ついでに味玉もポチリとボタンを押しました。
「ところが!めちゃめちゃ、配膳が早いねん!!」
食券わたして、コート脱いで畳んだり、鞄の中からいろんな七つ道具をだしたり、さあ落ち着こうかと思ったら・・・・・、もう出来てた(笑)。この店では「おまちどうさまでした」と言う言葉は無用なのかもしれません。さて麺顔ですが・・・・、実に飾り気なく、質素だけど豪華な感じがええやないですか!鶏チャーシューが2種あって、焦げ目演出がまたナイスとほくそ笑むやないの・・・。これは、じんわり系かと確信し、レンゲをしずめ、ゆっくりと味わい出す次第です・・・・。しかし、
「見た目と少し裏腹で・・・結構しっかりとした味付けや!」
と少したじろいだりします。やさしく語りかけて来るような塩ではなく、塩味をじゅわ〜と楽しんでもらいたいというような、味の出方が第一印象でございました。なので、濃いと思う方もいるかもしれませんな・・・・。さりとて、塩辛いとか、塩っぱいというのでもなく、塩味が濃いといいたいのですが、「同じやん!」と怒られそう。塩自体は丸みを帯びていて、それは、ほのかな魚介が旨く処理しているものと思います。それに、辛さの中にどこかしらフルーティーな酸も遠くに感じたりするので、これは中々シンプルそうで、複雑系な味わいです。
和風のしっかりしたコンセプトも感じるし、それは、やはり魚介のやわらかな処理なんでしょうな。お好みでテーブルセットの魚粉を効かせることができますが、アタクシは、デフォの味もなかなかと思い、バランス崩すのを嫌いそのまま前半はいただくこととしました。
そして後半は、「柚子胡椒」を溶かして頂く事としました。柚子胡椒は、配膳前に小皿で提供されまして、いつもアタクシの家の冷蔵庫の片隅で出番を待ち侘びているチューブタイプの柚子胡椒などとは、出来が当然違うのであります。フレッシュ感がちがいますので、これをスープに溶かすとまた、一段と塩のエッジングと、酸味が進化しまして・・・・飽きさせない工夫がされております。
※味のグラデーション:丸みある塩カエシの濃厚さ>魚介のふんわりさ>遠くにすっぱ味>薬味(柚子胡椒等)
【アタクシの好みを押さえた麺で参りましたわ・・・・旨し!】
こういう麺が好きでんねん!いっちょ、えこひいきしてしまうポイントをまた問題形式にして数えてみます。
1)平打ち麺 ・・・・ ブッブーッ!
2)全粒粉配合 ・・・ ピンポーン!
3)ハンドメイド感・・ ブッブーッ!
4)低加水 ・・・・・ ピンポーン!
5)アルデンテ感 ・・ ピンポーン!(替え玉のとき)
なかなか・・・・他の人がどう思うか知りまへんけど、これ好きです。まず、最初のひとすすりの時点で、スベリの良い層の舌に、カッツリとした中心部を感じるのです。として前歯を突き立てたときに、「ぐにり」とした乾いたような感触(ほんとうは乾いてないけど)部分があり・・・・、
「あ!芯を主張している麺や!」
・・・と強烈な個性を感じます。やるな〜・・・・風味も感じるやん・・・と思ってしげしげと見て見ると・・・・うっすらと全粒粉の配合した部分を発見いたします。ほんの僅かなんですけど、それだけで嬉しくなてしまいます。奥歯ですり潰しても「低加水どくとくのヌガーな感覚」があり、アルデンテに近い何かを感じますな・・・・。もうこれは、「替え玉」をするしかありまへんがな!
またその替え玉もあっという間に皿に盛られて来ますが、これは、ちょっとした「バリカタ」と「固め」の中間と思うほどの歯ごたえを感じます。これはうれしい!替え玉の方が旨く感じる事が出来てしまいます。麺の潰し込みもなかなかですし、実は替え玉って「半玉」だったんですが、それでも食べ応え十分でして堪能させていただきました。半玉は50円、替え玉が100円。半玉っていう設定をしてくれるところがええやん!今日は結構この麺だけでも興奮させてもらいました。
※麺の感覚:中心部の芯を旨しと感じてするすると食わせる魔力!やや全粒粉配合の風味も併せ持つハイブリッドな感覚!
※麺お形状:やや細麺の、うねり少々&捩れほぼなしな麺、微妙に手もみな雰囲気が、ハンドメイドと感じないこともない!
【鶏を仕上げ方がナイス!鶏そばの命の具材!】
鶏肉は2種類!まず一番に目をひくのが、材木状にカットされて香ばしい焦げ目が美しいもも肉?これは、野菜スティックの食い方で先っぽからハグハグとクチに押し込んで行くと、肉の柔らかさと塩味な焼き具合の香ばしさが広がりまして、ご飯に合うというより日本酒と一緒に食したいという幸福感を味わえます。また、ロール鶏肉チャーシューは、最近、白河らーめんでも見た事あるようなトッピングですが、いやはや・・・文句なぞありませんわ・・・。しっとりとした歯ごたえ、さっくりとした前歯の入り方が、とても印象的なやわらかさでございました。
次に、玉子は完璧の部類にはいりますな・・・・。ジェル部とゲル部の二層ある黄身、やわらかく味が染み込んでいる白身。そして・・・・中が冷たいと思うこともない自然さ。どれも適っているので、じっくりと堪能させていただきました。
残るメンマは、細身で小さくカットされたものの、量も適度です。色合いも薄味を感じさせ、品質の良さもアピールしているかのようです。少し酸味を醸し出すところが個性?美味しくいただきました。
※具のおさらい:鶏肉2種、味玉、メンマ(細身)、薬味ネギ(青と白)
総じまして、鶏そばというオッサン泣かせなジャンルに、よくぞチャレンジシップあふれる一杯を提供してくれるお若いスタッフさんに感謝です。これは、濃厚もまぜそばも、つけそばも・・・・食してみたくなりますよ!だって細麺でこの存在感。中太麺での感覚を想したい!それにこの単純で複雑な塩が、つけだれになって皿に濃厚になるさまをみてみたいとね! 高田馬場・・・・まだまだ未開拓な店が多いですが、これから長くて長〜い東京生活ですから、焦らずせめていきますよ(笑)。なので詠います!
また行かん
馬場の近くの
鶏そばに
三歩進んで
一歩下がりつ
お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。