琥珀に滲む麺線美の誘惑
ここは、移転前の開店当初から定点観測しておりまして、個人的にはすごく思い入れがあるお店です。どのレギュラーメニュー食っても最高に美味い。やはり一番人気は「塩煮干」で、その完成度の高さが素晴らしい。初訪問ならまずこれを食うべしです。そして「山椒塩」も捨てがたい。今や都内にポツポツと存在する和山椒のラーメンですが、私の知る限り東京都内でいち早くレギュラーとして提供し始めたのは、ここ柴崎亭です。今や封印してますが、「痺れる・痺れない」の2パターンあって、山椒出汁に実はこだわりが深い様子?。
そして三枚看板ともいうべきトリは「鴨中華そば」。これも猛烈に美味い!。今回妙に思い出したように急激に食らいたくなり、遅い昼飯として突撃して食らってみましたー。
<全体> ワックスの如く艶めく漆黒の深み!そして透明感!桜色の肩ロース!更に麺線の誘惑!
醤油感が漆黒のようでもあり、また透明感があって素晴らしい。むしろ眩しさすら覚えピカピカに光っており、ワックスのような艶めきです。そして表層を漂う香味油の流れも優雅!。
へへへ・・・やっぱり柴崎亭と言えば麺!。出汁に透けて見える麺線は最高に整った美しさです。枯山水の庭園を思わせる整然さ?女性のしなやかに流る長髪の如く誘惑的。箸で崩すのが勿体ないとはこのことです。チャーシューも桜色で春を感じさせるような色合い。メンマは凛々しく、青葱がアクセントとなって見栄え麗しきことこの上なしです。
<出汁> 凛々しい醤油清湯のエッジング!分厚くゆったりと広がる鴨油エキス!乾物溶込む円やかさ!
「キレ」と「コク」が共存する素晴らしさ。醤油ダレのキレがいいね。熟成風味を塩気に乗せてアピールするけど、パンチで推すタイプではなく、下支えとして香りで華やかにさせる感じです。切れ味といった見事さを覚えてしまう。
またベースの出汁に鶏ガラや乾物類(鰹節、昆布等)の旨味が煮出されている?。とっても丁寧な処理のようで濁りが一切ございません。そこに分厚く旨味を与えるのが香味油で、表面に層ができるぐらいに分厚く投入ですな。この旨味が「鴨」の風合いを全体に広げて華やかに感じさせます。
<麺> 誘惑的に美しい麺線!汁持ち上げ素晴らしく風合いをしっかり残す歯応え!
麺の茹で加減指定不可。しっかりと粉の風合いを残す程度の短めの茹でバランスです。細い割には熱ダレもあまりなく、最後まで素地を感じる旨さです。そんなに密度が高いわけでもないようで、その割にはクスクスっとした歯ごたえは実に小気味よく響きます。
前歯でちぎる瞬間からほわっと鼻腔をくすぐる素地の香りが素晴らしい。そして全体的に物腰柔らかで揃いやすいため、スープの持ち上げはハンパない!。さらさら抵抗感ないスープですから余計に、麺の毛細管現象に反応するようです。やや乾いた風味の麺に、たっぷり持ち上がるスープの湿り気。この相反する一体感が最高でございます。
<チャーシュー> 大判スライス豚肩ロース!出汁と熱でゆっくり蕩ける旨さが秀逸!
肉も旨いのがこの店。大きなブロックから剥がれるようにスライスされた肉はとても大判。優しい桜色をしてますが、ゆっくりとスープとその熱が浸透してゆくのが、見てて楽しいです。
あゝ薄味がいい!。赤身の肉味と脂身の甘味が、出汁の熱で上気して味わい深し!。半レアの感覚としゃぶしゃぶのような感覚が同時に味わえるようです。また一気に沈めて出汁と熱を与えて、多少白くなったのを食らうのも旨し!。より一層脂の蕩けと肉と出汁の味わいが深く旨しです。
<メンマ> クニャコリッっとした歯応えが爽快!鮮やかな色合いの極太材木型メンマ!
メンマ旨し!極太な材木型でわりと短めで、繊維質がしっかり密集しているが細かくて柔らかいのです。束になった繊維質を前歯で齧るようにして食らうが、これも結構熱を持っており、歯応えが痛快!
出だしはクニャっとしてるようですが、ある時点からサクリ!コリッと弾けるように千切れます。そして薄味だが素材感ある旨さが広がるのがナイス!。
総じまして「目と舌で味わう崇高鴨中華そば!これも看板メニュー!一回食っとけ!」
・・・と言う感動の嵐!。この店は「塩煮干」「山椒塩」と並んで「鴨中華」は、外せないラインアップ。これら全部が素晴らしい上に、週末毎の「限定麺」が強力な旨さです。まさに感服!激しくオススメ!。旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!