長袖季節になっても・・・冷やし中華〜
朝目覚めて「寒っ!」て思ったとある休日。やれやれ冷やし中華もマジでキツくなってきたよ。半袖を着て自宅を出ようとしたら、これじゃまずいと思って長袖に着替えたわ。そろそろ冷やし活動の終止符を探りながら・・・今回も冷やしを求めて「十条」までやってまいりました。
狙うは「煮干そば 流。」さん。冷やし系じゃなくて、ガチで「冷し中華」を特別限定で提供中というからスルーできなかった次第。秋雨が降ろうともこんなことを企画実行してくれる心意気に、私は感動。今回もよろしくお願いいたします。
<全体> 実にクラシカル!王道スタイルから玉子を引いてメンマをプラス
たまたま学生集団さんと、ガテン系集団さんの後に行列。よく並んで食いたいと言い出す方々がおられるので妙な予感がしたんですが、バラバラでもいいっすよ!ってな感じでスルスル行列がハケるのだった。いい人たちに恵まれた・・・。なんと7〜8程度の行列順番が、10分程度で入店完了。ありがとうございます!。そしてすんなり出会った麺顔はこんな感じです。
おおお!これはまた王道なるクラシック感が漂う麺顔!限定メニューですが奇を衒わないところが好印象!。丼までクラシカルで雰囲気高めます。真紅の紅生姜が目にも鮮やか。町中華以外にあまり見かけなくなりましたが、ちゃんと伝統を踏襲しているところがいいね。そしてその反面・・・オリジナリティも実は溶け込む!。卵焼き・錦糸卵はここには乗りません。でも全然さみしく感じさせないのは、メンマの存在感。これ写真で感じる以上に、メンマが主張してるので、メンマ好きならたまらない麺顔だと思います。
<スープ> まさしく冷やし煮干そば!冷めた感覚に煮干エキス!そしてメンマの風味!
王道な冷し中華なら、平皿ってイメージもあるんだが、フツーのラーメン丼。実は汁なし系と言うより汁が多いのです。冷し中華と言いながら少し冷やし麺・冷しラーメンにも寄せてるという印象かも。それだけスープに自信有りかと察し、まずはレンゲで掬いあげて味わいます。
するとこれが、気持ち良い煮干感がぶわーーーーっと広がる!。酸っぱくない!塩気が控えめ!とっても優しくて嬉しい!。さすがは煮干の名手!冷やし煮干そばと呼びたくなるような風格を感じさせます。しかしやっぱり「冷し中華」をイメージしてる。なぜなら、あまりニボニボしてないから。特有の苦味が極端に控えられており、その反面とても柔らかい煮干しの甘みがジワジワと広がるイメージ。煮干を水出ししたのか?と思うほどストレスないエキスの溶け込みです。醤油の色合いもほのかで尖がないどころか黒子な存在。嗚呼・・・まさに健康食と思える旨い魚介出汁です。
冷し中華の命題として、紅生姜が染みてくる。そして和辛子はお好みでとは言うけれど無視はできない。それぞれ溶けて溶かして行くが、心配したほどそれらが煮干しの風味をマスキングすることはありませんでした。むしろこれにより「冷し中華」の個性・アイデンティティを確立したかと思う味風景の移り変わりです。さらに付け加えたいのは「胡麻油」感覚。ダイレクトにそれを垂らしているわけではありません。メンマの味わいにそのエッセンスが含まれており、これが染み出したもの。これが実にスープの印象を高めているのだから恐れ入るよ!。
<麺> 自家製麺:モッチモチの明るい多加水弾力!中太の淡い捩れで食感楽しい!
入り口に面したところに製麺室があり、せっせと製麺に励んでおられました。店のサイズの割には人件費がかかっております(余計なお世話)。さて麺ですが・・・これが麺顔見た目のクラシカルさから一転してとても明るい色合いと弾力!。柔らかい煮干出汁に、こんな明るい麺を合わせてきましたか!。ナイスマッチ!。
明確な中太さ、そして薄い黄色の発色にボコボコした捩れ。淡く縮れが入ったフォルムで、どちらかというと汁なし系やつけ麺でよく見かけるイメージです。それがヒタヒタな汁に浸ってまるで温泉気分?。箸で掬い上げて自慢の肺活量を生かしズボボボボボボボボーーーーっと啜りますが、勢い余ったから飛び散る飛び散る汁の滴が!!(爆)。後で布巾でカウンター拭きました。休日でどうでもいい普段着だから問題なしです。だってツルッツルな麺の地肌とサラサラなスープですし、ボコボコ形状だから啜った時の麺の「駆け抜け感」を確かめたかった次第!。その高速抵抗感は・・・・新幹線のぞみのパンタグラフと送電線の接地感。オレの吸引力は、新幹線のトイレ水洗音「コッ!」に匹敵。
バウンドするように口の中で麺をキャッチしました。そして前歯で千切ります。この時点でもまた嬉しさがこみ上げるよ・・・その弾力感に。見るからに加水は高め。ローラーの通しもそれなりに多いのか、グルテンのもっちり感が半端ないね。それに冷し系だから締められてるわけだから風味が増す!。うどん好きなら分かるはず!。暖かい麺でも、あえて茹で上げてから一度冷やす。そしてまた温め直す。麺は茹でて冷水で締めると風味が増すのよ。それは麺の基礎力(風味・歯応え)が上がるから。そんな小麦粉自体も甘みを感じるような雰囲気ありありで、薄い黄色っぽい風貌が良いね。香り・甘み・・・煮干出汁との濡れ絡み。旨さはさすがでございます。
<チャーシュー> ふかふか食感!脂と肉のバランスよく塩気と甘味ナイスバランス!
チャーシュー増しにしとけば良かったな・・・と思っても後の祭り。旨いだけでなく、スープとの相性が良かったのです。ご店主は「現金で結構なので」と追加オーダーを勧めておられたが、タイミングと言い出す勇気がなかったオレは小心者・小市民でございます。
豚の肩ロース。それだけで味わいイメージできそうですね。見るからに肉身と脂身の配合バランスがよく、一見スカッとしたように見える肉も、実は脂が染みていそうです。そして下味がしっかりしていて美味かった!。肉の基礎力よりは、ややしっかりとした味付けが施され、適度な塩気が含まれてるのがいい感じ。そこにゆったりとした煮干スープが滲み入るのだ・・・。ここで煮干エキスと脂身の出会いもあり、また別の発展も生まれるような気分。ちくしょーーーー、クルマで来てなかったら、絶対に肉追加して、ビールをあおったのに!。ちなみにこちらのビールは「サッポロ赤星」であったこともオレを苦しめた。
<メンマ> ボリューミー!そして胡麻油滲み食感軽やか!旨し!無限に食えそう!
苦しめついでにもう一つ!。メンマが凄いよこのお店!。「メンマめし」というサイドメニューもあるほどで、相当の自信!そして傑作メンマだと思います。少し既述しましたが、胡麻感が少しあってそれが妙に食欲をそそる。
日常的メンマ感もキープしてるのもナイスなところ。それでいて、歯応えはシャクリ!っとしており、部分的んはクニっとした柔らかい部分もあります。これこそ「磯野波平」に食わせたい。噂によると・・・波平は、元々とってもメンマ好きだったんだが、若い時食い過ぎてひどい腹痛をおこした。それから嫌いになったんだって。桜新町に届けたい。
<〆のスープ> 最後は温かいスープでほっこり気分を味わおう〜
冷し中華食って・・・〆のスープとはいかに。サービスですからちゃっかり頂いちゃいました。ここでしっかりと動物系の出汁の明るさに出会う気分。鶏ガラあっさりの出汁は・・・心を解放する旨さです。
食い終わってからも、ゆったりと居座りたくなる気持ちにさせる。いえいえ、人気店で店外では雨の中、行列客がいらっしゃるので、味わい早々に立ち去りました。
総じまして「温かい風合いを感じるような・・・王道冷やし煮干中華!」
・・・と言う感動。もう秋分を迎えようとするタイミングで、こんな冷し中華を限定提供してくれたことには、素直に感謝です。クラシカルな世界に独自センスで表現するパワーにも絶賛。自宅から不便なロケーションですが、ちょくちょく今後も訪問させていただきます。そんな感謝と応援気分が高まったとことで・・・とっとと最後に詠って、いつのもように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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