ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1943】 北大塚ラーメン (東京・大塚) チャーシュー麺・中


 正直言って何かがおかしい毎日。忙し過ぎて疲れていて、朝飯食う気にもなれず栄養ドリンクで凌ぐ。そのうち昼になってしまうけど、締切に間に合わず、飯を食う時間も買いに出る時間もなく、過ぎていくばかり。外出ついでにようやく解放される時間があって、用事が済んだとたんにくたびれ過ぎてしんどい。移動中の電車で居眠りしてしまう・・・・・。浜松町から東京で乗り換えるはずの山手線だったはずが、目が覚めたら上野でした。


 なんだか腹が立つな〜・・・・。ということで、素直に、「良いラーメンを食って憂さ晴らし!」を猛烈にしたかった次第。そんな爛れた理由で、大塚駅で降り立つ私でした。鳴龍と、暁と・・・・、北大塚ラーメン。他にもあるけど、この内どこかで爆裂してやろうと考えると、「思いっきりチャーシューを食ってはじけたい!」という心の叫びが抑え切れなくなりまして・・・・・・。結局今回は、「北大塚ラーメン」の「チャーシュー麺・中」に挑みます。


  











【店:客や店主ではなく、肉鍋が店宇宙の中心にある】


 そうやって勇んで訪問した店だけど、店内は静か。BGMはない。たまたま空いてたひと席は、給水器の目の前。近すぎる給水器と、カウンターの高さに合っていない高椅子。なんだか窮屈なスペース感なんですが、わけなく許せる雰囲気がそこにあります。誠実な雰囲気がそこにあるのですな。なんだか日本に来て頑張っているという雰囲気を感じ取ります。

 ご店主が厨房奥の真ん中で、寸胴から丁寧に肉を引き上げる。何本も何本も何本も。銀のトレイには肉が山積みになり、それらは神が宿っているようなオーラを店内に垂れ流しております。これを求めて人が集まる。ラヲタ達の体内にある方位磁針は、N極S極に反応するように、麺とかスープに惹かれるものなんですが、今回だけは「肉」だけに惹かれます。カウンターの客一同の目は、熱い視線は熱く注がれ、虫眼鏡で一点に集められた太陽光のように肉に集められて、焦がすのです。












【具:バラの皮と脂身に黄金に染み入る醤油ダレ!この麺顔は、笑うしかない】


 スープでも麺でもない。最初に語るべきはこの麺顔一杯に敷き詰められたチャーシュー! 規則正しいようで不規則のような。それでいて全体的には一体感があるようで、よくよく考え直せばラーメンらしくない。そして、最後は笑える。そして食ってうまい。肉の並びが一見、中世ヨーロッパ都市の石畳のようでもあり、また風にしぶきを上げるノースコーストの波のようでもあり、しかしこの気楽さは大塚らしいといえばそうなのです。








<一面に肉の海〜!さざ波の如く!!>

 一面に肉に埋め尽くされたラーメンは、何もここだけではないはず。なのにこの一杯だけこうも圧巻と思わせるのは、肉の数でも厚さでもなく、意外に「脂身」「皮」にと思われます。豚肉の脂身が存在感を増します。単にボリュームがあるのではなく、「皮つきでそこに醤油ダレが染みているところが、胸に突き刺さる感じ。何度もラーメンレビューでは、私は語ってますが、チャーシューの一番うまいところは、皮に一番近いところです。肉厚な脂肪の縁には、皮がついていてそこが醤油だれに染まって褐色に広がる。それが、敷き詰められると石畳だったり白波だったり心に訴えかけます。こうやって見栄えだけでも随分と楽しめる一杯は、そんなにないはず。

 しかし、見栄えだけではなし。味もいいのです。まず柔らかさは最高。箸でリフトしたり、移動させると脂身は赤身から剥がれるように解けます。また味付けもほどほどで、醤油が染み込んでいるところは白飯に合うような塩気を含むし香ばしい。辛さを加える方もおられますが、私はあえてこのデフォルトの醤油だれの甘さを主張します。醤油に合う甘さは、糖分よりも脂ではないか?と感じてしまう。








<埋もれていた玉子とメンマ>

 一見、小さめの丼に一面の 肉ですから、他の具材の入り込むスペースなど無いと思えるのですが、固ゆで玉子のハーフと、少しばかりのメンマが肉と麺の隙間にあります。無くても残念感はないけれど、やはりあると嬉しいもんです。

 さて、今回は中サイズと言うオーダーだったんですが、意外と丼がこじんまりしている上に、立ち食いそばを連想させるプラスティック製なので、受け取ると軽い。なので肉が敷き詰められている感動の一方で、ペロリと軽く平らげられる余裕を冒頭では感じますが、いえいえ侮ってはいけません。これだけの肉と脂肪を摂取するわけだから、それなりに胃袋に負担がかかります。まさに食った満足疲労感。JR山手線のモニター画面豆知識によると、コアラが1日の中で約20時間も眠り続けるのは、ユーカリの葉を消化するのにエネルギーがかかるから、その温存からだとのこと。私もこれに倣い、北大塚チャーシューの消化に備え、爆睡したいと存じます。












【スープ:カエシがシッカリと肉を受け支えているような醤油感覚】


 スープは「辛さ」を調整できることを、実はあとから知りました。食券を渡す時に「中か並か」を聞かれるので、迷わず「中」と答えただけだった私ですが、どうも他客との受け答えを見ていると、その後にも何かを確認しているみたい。それが辛さの調整だったみたいで、中には2回確認されたものだから、麺の盛りをリマインドされたつもりが、辛さ調整も中と受け取られたケースがあったかも。いずれにせよ、私は初訪問だったから、デフォルトで良かった次第。


<意外にピッチリと感じる醤油のカエシ>

 肉の味わいに拮抗するようなしっかりした醤油の味わい?と思いきや、スープカラーの割には、意外にスルスルと飲み干せるライトな感覚。魚介排除のようなすっきり動物感で、温度感もよく豚肉の旨さが全面的に広がります。しかし食い進めると次第に肉の醤油ダレも加わってか、塩気が少ない円やかな醤油感が滲んでくるような感覚。更に食い続けると案外喉が渇き、目の前に給水器があることに助けられるかも。食事中、左右の隣客から目の前の給水器に延びる手の回数が増えるが、どうも辛さ調整を施したのもあって、2回ほど水のお変わりをされてました(笑)。ちょっと前すみません・・・なんて水を汲むのが見知らぬ人とのコミュニケーションもまた楽しい。


<トッピングの脂身が一斉に溶け出すようなヘビーでクリアーな甘み>

 しかし肉から溶け出すのは、何も醤油ダレだけではなく、脂身のエキスも時間経過と共に染み出してる。麺を平らげたあとは、逆に香味油が加わったような、おもしろい透明層がスープ表面に浮かび上がります。しかし、脂があってこそ旨味だな〜なんて・・・再認識。肉の甘味と醤油感が加わるとテッパン級に安定した旨さ。炭水化物が欲しくなる。「小ライス50円」という可愛いサイズのライスもあるあら試しても良いかも。私は、最後には胃が重かったけど若い人なら是非。













【麺:軽く芯を感じて風味も埋もれず感じる】


 さて最後に麺だけど、これが実は中々いい!どこぞの特注品かどうかは知りませぬが、これ好きかも!肉だけ目的に食いに来たようなもんだけど、スープ然り、麺も然りでして、でなければ一気に東京で人気店になったりしないわなと、これまた再認識。食えんけど大盛り150円也。そこそこコストかけた良麺かも。どういう分担かは不明だけど、女将さんのタイミングで麺釜に投入され、湯切りはご店主だったような記憶??記憶曖昧だけど、間違ってたらすんまそん。


<意外と麺が風味よく肉と合う!合う!!>

 肉へのコストのかけ方を考えると、麺はよくある大量流通系でも文句はなかったかもですが、ちゃんと麺の風合いを感じるタイプで、粉風味もあり、醤油スープと肉脂を吸い込んでも旨かったりしました。形状はやや淡い捩れを感じるウェーブとストレートの真ん中見たいな感じ。正方形の角麺のように見えて、実は少し横に広がった長方形。なので、箸でリフトするときに揃いやすくて当たりもよく、啜っているときには、平打ちに近いシルエット感もあったりして、豊かな個性を感じる麺です。


<汁を吸ってもちょっぴりハードな腰つき>

 それがまた淡い芯のようなのを形成して冒頭から最後食べ終わるまでしっかりとキープ。強い潰込み等の密度感はないけど、しなやかな腰つきは汁を吸っての影響だと思います。それでもスパスパっとカタメのテンピュール感で千切れる様は、「ちょいハード???」なんて感覚もありますし、面白い表情を最後まで浮かべる麺です。大盛り150円は納得あるかも・・・。












 総じまして、「優しく肉まみれになりつつ、埋もれさせてくれる一杯」。おっぱいでは、ありません。どうしても「肉の海」に目と意識がいってしまうのですが、理由はハッキリとはないものの、「大衆系の懐かしさ」も感じるところ。ご店主夫婦の素朴さ、質実さ、真面目さ、人柄の良さがチャーシューのつけダレと肉汁に染み入っているようにも思えます。魂の肉片と言えば大げさか・・・。でもだからこそ、またこの肉食いてーーーーと思えるのでして、低温真空調理とか技術発展した肉食っていても、原点回帰のようにまた食いたくなる魔力を持ち合わせますね。これ好き!間違いなく、また食いに来ると思います。しっかし、たまにしか来ない大塚なんだけど、名店揃いで悩ませるエリアになってしもうて・・・・私を困らせるばかりですな。なので詠います!




   気晴らしに
   ちょっと遠出で
   大塚へ



   憎いまでにも
   肉にまみれて




 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!





 




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