進化系大阪ブラック!Part 1
○○ブラックと謳わないものの、これは!?と感じたので今回は「大阪ブラック」と独断して、こちらをピックアップ。ちょっと無理矢理ですが・・・大阪・高井田系ラーメンオマージュと感じた次第です。高井田系って関西に転勤してた頃に巡り合ったのですが、本場本道のはもう少し大衆っぽくて、いい意味でチープさが気軽に旨い感じ。それを東京でも通用するレベルにブラッシュアップした一杯と感じております。
大阪市東成区から東大阪市エリアが主流かしら。私が関西にいた頃に、深江橋の名店「金久右衛門」がクローズアップされ始め、それと同時期に耳にすることが増えたっけか。そしてその後、ケンドウコバヤシが人気番組「すべらない話」で紹介したラーメン屋エピソードが、実は高井田系であったことから、一気に関西のグルメ本なので紹介されたり、注目が集まったと言うような記憶です。高井田系ラーメンが濃ゆい醤油ラーメンあることから、高井田ブラックと表現されることもありますね。
一時期、本場の高井田系が東京新橋にも出店してたのですが今は撤退。実に残念で東京ではもう滅多に食えない味・・・。と言うことで、今回はそれをオマージュしたのを、2杯ほど思いつく中の一杯を、レビューアップさせていただきます。
<全体> 黒醤油に溶けるマルチョウの脂!九条葱に降り注ぐ胡椒!ワイルドさに蕩ける旨味の存在感!
まぁ、こちらのご出身が「豊中・麺哲」であって高井田系ではないとご指摘を受けるかもですが、細かいところではこの一杯にオマージュポイントもありますので、広い心でご容赦いただきたい次第。それはこんな麺顔!
おおお!ジャンキーさが一面に溢れておりますが、お盆に乗せられたり、肉が整然と並べられたりで、非常にまとまりがある風貌も感じますな。圧巻はやはり九条葱。それに降りかかった大量のブラックペッパー。どちらも容赦ないほどにワイルドな展開ですが、それだけに旨さをそそると言うものです。そして黒醤油の深い色合いの出汁!。それに溶け出してるマルチョウの脂の染み出しが素晴らしく旨そうに輝きますね。そしてそのマルチョウですが、所々で浮き袋のようにぷかぷかと浮いている様にちょっと愛らしさすら覚える安堵感あり。ちょっとお高い設定なんだが・・・一気に興奮してそんなケチケチ感も吹き飛んでしまいますよ〜。
<スープ> 濃口醤油に溶け出すマルチョウの明るいコク!胡椒の刺激!塩気と甘味の崇高なバランス感覚!
外国の方もよくやって来るのかな?券売機には英語表記のボタンが備わってる。そこには和表記にはない「Osaka Shoyu」と訳されており、やっぱり大阪を代表する醤油ラーメンを意識したものと解せます。
キリリとした醤油のエッジング!マルチョウ始め豚の円やかな甘味!
光の加減でわかりにくいですが、濃口醤油のしっかりした色合いが出てます。そのためカエシをイメージしがちですが、一口飲んでわかり易い円やかです。醤油自体はキリリとした塩気のエッジングを残すのですが、動物系の旨味が分厚いので全体的に柔らかな味わいに仕上がってるイメージ。ベースの鶏豚もありましょうが、これは明らかにマルチョウからくる円やかさです。
脂の粘度をほとんど感じさせない。そして醤油と非常にマッチする。さらにとてもライトなのだが味わいとしては濃ゆい・・・そんな脂。もはや出汁の素と言っても良さそうなほど、かなり味わいを支配してます。ここまでだったら、優しい醤油ラーメンに過ぎないのだが・・・ブラックペッパー(ブラぺ)が溶け出した頃から、味わいが複雑化します。
塩気を呼び覚ますブラペの爽快な刺激!風味を溶かす葱の甘味!
降りかかったブラぺが、出汁に全部溶け出した頃合いから、刺激がじわじわと生まれ塩気を呼び覚ますようです。ペッパー感が強さを増すと、塩気を引き出すような感覚が生まれて、そこでジャンキーな味わいが力を増すイメージ。ニンニクはないため、爆発的なパンチ力はないが、小刻みに刺激を与える味風景でしょうか・・・ここが軽やかで好きです。
ジャンキーさが一気に全体を支配しそうで抑える部分もあり、それが九条葱。独特の甘味が醤油出汁にマッチするし、少しばかりの清涼感も溶け出すようです。なかなかいい仕事ぶりをしてるのが九条葱。以前、高井田系の店では葱をダブルで投入してもらったら、苦味が滲みて大変だったのと比較すると、なんと上品なことか!。ジャンキーに見えて実は優しい。マイルドヤンキーならぬ、マイルドジャンキーな展開です。
<麺> 高井田系オマージュなる丸太イメージのストレート麺!漆喰のようなきめ細やかさ!甘味を豊かに感じる素地風合!
この一杯のために麺を変えているようです。先日食した肉醤油とは明らかに別物。やや太めに変化してるので、ベクトルとしても高井田系と合ってると感じました。
高井田系を感じさせるグラマスな丸太フォルム!きめ細かい地肌でスベリも滑らか
高井田系の特徴は「丸太」に感じるストレート麺。それに似た感覚がこれにはあると感じました。ただ同じじゃないね。大阪で食ったのは、微妙に外カタな感覚も合ったような記憶だし(あまり確信もてないが)、大衆っぽさが感じられたかな。ところがこれはいい麺だ!。さすが自家製麺!麺のスペシャリスト!。
漆喰のようなきめ細かさがあり、乳白色に褐色が軽くさしたような美しい地肌。全体がしなやかな腰つきで、滑らかなスベリだしが上品と感じます。グラマスなフォルムなので明暗がくっきりとして美しい。太そうに見えてライトなスベリなので、案外と啜り切れるのも快感です。
素地の風合いに潜む仄かな甘味!出汁をすい込み一段と増す旨味!
麺が異様に旨いのです。甘味を感じるほどに。結構個性的な出汁に絡んでも素地の風味や味わいをしっかりと伝えます。序盤ではシンプルな風合いだったが、出汁を吸い込んでからの甘味が旨味と変化するところが素晴らしい!。出汁を吸い込むほどに旨味が増すのでした。大盛にしてよかった!。
また調子に乗って肉や葱を絡めまくって食らいつくして堪能しつくす流れですが・・・大盛の量としても満足レベルで、250gは超えていたかも。非常に食べがいがあるので、体調とはご相談かもしれません。こちら意外と麺量が多いのかもしれませんね。旨さ故しっかり食らいつくして汁完しましたが。
<マルチョウ> 豚の中で一番の旨味の多さ!蕩けるほどの脂甘味!濃厚なれどライトな脂の蕩け!
さてマルチョウ。大人になってから知りました。子供の頃に食ったのはシマチョウと言う部位だったようです。漢字で書くと「丸腸」。文字通り丸い形をしており、ホルモンやで七輪網焼きで食らう定番ですね。小腸が「マルチョウ」、大腸が「シマチョウ」。マルチョウは傷み易いから、大昔は食肉加工場近辺にしか出回らなかったと小耳に挟みました。大阪・鶴橋エリア(東成区)で焼肉ホルモン文化が深い遠因かもしれませんね。
ホルモン焼き好きな人にはわかり易い旨さ。七輪で焼いた時、プチッと皮が焦げて破れる時の脂のしたたり・・・そんなイメージの脂が溢れています。皮が裂けて煮込まれた感じですが、コロコロっとした仕上がり。クニュクニュとした柔らかいグミのような食感がたまりませんな。噛み締めるとグミのようですが、実にサラサラとした脂が溶け出し、優しくライトな脂甘味が口の中に広がります。うう・・焼くのも旨いが煮込みもいいね。豚の中で一番の旨味の多さ!蕩けるほどの脂甘味!。時々ブラぺと混じって刺激的な味と溶けるのも実に興奮する旨さ!。これはすごい!。
<チャーシュー> 窯焼豚ロース!赤身の深い滋味と風合い!醤油出汁とブラぺに塗れて旨さ最高!
デフォルトでしっかりと大判肉が3枚も敷いてあるのが嬉しい。葱の上から少し溢れたブラぺがいい感じで肉にもかかってます。これは豚ロース肉。窯焼風に仕上がっており、なかなか上質感出してます。赤身本来の肉味がしっかりと感じ取れると共に、黒醤油とマルチョウの脂が溶けた出汁に濡れ少し吸い込み・・・これがなかなか旨い!。肉質も繊維が細くてソフトな感触なのが、また上品にも感じさせます。
やっぱり・・・酒と合わせたいが。辛いことにご法度な時期。最近思うが・・・ノンアルコールビールでも置いてあれば合わせてみようかと!。こちらは日本酒も揃えてる店ですが、ノンアルもちゃんと常備しておられます。購入しておけば良かったと思う少し後悔しております。肉にはやっぱり、しゅわしゅわした苦味が会うよね!。
<九条葱> 何という鮮烈な食感!弾ける葱汁!出汁とブラぺに塗れた甘味が最高!
さて最後に九条葱。このざっくりと大きめにカットされたのがいいね。葱の食感を感じ易いサイズで、薬味と言うより立派な具材。噛み締めると葱の汁が口の中で淡く弾けるような感覚です。苦味が一切なくて甘味がしっかり。ブラぺの刺激ともよくマッチしますし、麺に絡めても、肉に巻かれてもすごくいい仕事をしてくれます。葱増しのボタンがないのが少し残念なのだが・・・ワガママが過ぎますかね?(笑)。
総じまして「クラシカルさに存分な創作意欲が重なる進化系大阪ブラック拉麺!」
・・・と言う感動の嵐!。正直言って、もっと早くに食っておくべきでした。すでに高井田系を超えたような展開とその旨さですが、定期的に食べたい!店を代表するレギュラーメニュー!。緊急事態宣言解除されたタイミングで、酒と合わせて食らいたいと誓うのでした・・・これは激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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