秋になると激しく恋しくなる「鴨」を求めて・・・渋谷道玄坂へ
- <全体> 野趣と言うよりお洒落でハイセンス!色鮮やかで図鑑にコレクションしたくなる麺顔!
- <スープ> 鴨エキス芳醇!白出汁風カエシが円やか!塩気の中に甘味と微かな酸味すら覚える味風景!
- <麺> 全粒打ち込み多加水系ストレート細麺!汁浸透と汁持ち上げがナイスでスベリも滑らか!出汁を吸い込んで麺の風味と一体化した旨さ!
- <チャーシュー> ローストと仕上げの炙りが香ばしき!野趣感じる風合い深し!ロースとモモの2種鴨肉旨し!
- <味玉にハズレなし!> 塩味玉と言うより塩麹味玉!シンプルな味構成のようで風合いが柔らかく濃密な旨さが妙に華やか!
- 総じまして「美しい麺顔に込められた鴨の野趣と淡麗白出汁!まさに旨さの味絵巻!」
あら、本当に怪しいエリアの中?入口辺りにあるのね。お洒落なバーの昼間限りの間借り営業ということで、ここで淡麗質実な拉麺を提供とは少しミスマッチなところが素敵です。半分オープンテラスのような作り。真冬は寒そうですが、きっと中へと場所をシフトしてくれるでしょう・・・。
とてもお若い方2名でオペレーション。拉麺屋さんも令和になるとすっかりカッコいい職業です。メニューは「鴨」の塩と醤油が基本。塩が先に紹介されてるもので、訪問客は殆ど「塩」を選択しているご様子の中、鴨好きとしては、多くの鴨肉を食したいが故、塩の特製とさせてもらいました。鴨肉なら少しお酒が欲しいところだけど・・・平日なので無念!
<全体> 野趣と言うよりお洒落でハイセンス!色鮮やかで図鑑にコレクションしたくなる麺顔!
メニューを拝見すると「鴨の編」印字があります。一方屋号は「図鑑」。今後いろいろとバージョンを変化させてゆき、まるで「図鑑」に美しき拉麺を次々と収録させてゆく・・・そんなコンセプトなんでしょうかね?。食う前から既に楽しみ!。そんなワクワクが止まらないまま、その一杯は配膳されました。それはこんな麺顔!。
おおお!ビューティホー!テラス側のテーブルで曇り空の自然光のまま撮影したので、分かりにでしょうが実物はとてもきらびやか!。野趣を感じさせる鴨肉は、整然に飾り付けられ収まってる。そしてスープはエキスじみた迫力ありありなのだが、黄金に近い色で輝き、少し霞を含む透明感。まさに塩の鴨清湯というイメージで、淡麗な質感が実にいい感じです。さすが都会のハイセンスも溶け込むといった感覚。白ネギの薬味さえ、ざく切りでも正方形にカットされて全体に散らばる風景が、舞い散る花びらのようで風流・・・。こりゃ写真メモ撮るにも気合いが入るね!。
<スープ> 鴨エキス芳醇!白出汁風カエシが円やか!塩気の中に甘味と微かな酸味すら覚える味風景!
器の影で分かりにくいですが、透明感と微かな霞が交錯する質感。鴨油らしいエキス感が全体に溶け込んでおり、あた香味油としても表面に漂うイメージです。一般的な塩ラーメンのようなニュアンスとは少し違い、白醤油系・白出汁系の芳醇さが全面に出ているようです。
鴨の味わいと旨さは言わずもがな。全体的にとても上品に煮出されたようで、野趣ある脂感なのにとてもすっきりと感じられます。昆布などを伴う乾物系も軽やかに溶けるかという印象。また、トッピングの余韻か香ばしさも少し感じるため、鴨感覚が更にアップ。芳醇なのに重くないイメージで、これは旨い!
また香味として柚子皮の半生?ジュレ?っぽいのが乗っており、これが少量とは言え全体に風味を与えます。鴨だけを楽しみたいなら外すのもありですが、このたった僅かな清涼感が、スープに新しい旨味をアピールさせるようです。記述のイメージは白醤油系で、甘味もある白出汁のような風合い。塩気の中には、優しい香味野菜の甘味すら顔をのぞかせるようです。ここに酒の影響か、ほんの微妙な酸味がある??錯覚のような酸味が、柚子の風味と結びつく。それが全体としては華やかな塩気と感じるようです。
ただし、蘊蓄によれば、「粟国の塩」「海の精(沖縄)」「シチリア岩塩」「天日湖塩(モンゴル)」「藻塩(広島)」とあり・・・・白醤油の紹介はございませんでした(汗)。白醤油・白出汁感覚は、味の例えとしてご理解くださいまし。
<麺> 全粒打ち込み多加水系ストレート細麺!汁浸透と汁持ち上げがナイスでスベリも滑らか!出汁を吸い込んで麺の風味と一体化した旨さ!
光沢すら感じるツルツルした多加水ストレート細麺。軽く全粒の打ち込みが見て取れます。汁を吸い易く、また揃い易いため汁の持ち上げ自体もよさそう。ズボボボボーっと吸い上げるにはもってこいですが、かなりスープが熱いので、大胆に啜るのは後回しにしましょう。口当たりは非常にライトで、シルキーにするすると口の中へ納まります。
プツプツと歯切れが良いタイプ。奥歯へ運んでクチリと潰すと、いきなり鴨の旨味と麺の甘味、そして出汁の塩気が一体化する旨さ!。熱に抵抗感なさそうと思いきや、意外と最後の最後まで熱ダレせず、フレッシュな感覚を持続してくれます。まさに出汁を吸い込んでなんぼ!な旨さの展開が、最初から最後まで楽しめるイメージで、できることなら替え玉したいくらい。
蘊蓄によれば、北関東の「きぬの波」と北海道産の全粒粉のブレンドとのこと。何の全粒粉かは不明。
<チャーシュー> ローストと仕上げの炙りが香ばしき!野趣感じる風合い深し!ロースとモモの2種鴨肉旨し!
岩手鴨を大々的アピールです。岩手の養鴨場らしい。特有の鴨くさみを低下させたようですが、鴨肉らしい旨味の濃さはありあり。むしろスッキリとした野趣感を楽しめそうです。鶏の場合、胸肉をロースと呼ぶので、合鴨ロースとは胸肉のこと。それとモモ肉という組み合わせです。どちらも絶妙なロースト加減でありながら、仕上げに炙りを感じる香ばしさが素晴らしい!。
肉自体も鴨特有の濃密な香りがありながら、やはりロースは脂身の旨さと楽しみたい。皮にあたる部分が焦げ目になっており、この香りも味の一部となって実に旨し!。絶対に酒が欲しくなる!。モモ肉自体は鶏の中でも滋味深い部分ですが、ここに鴨特有の野趣の風味を感じて・・・嗚呼、噛み締めて飲み込むのが実に勿体ない。
できることなら、なるべく熱伝導をさせないように、ほんのり温かみがあり、汁と少し混じった程度で食べ切ろうとしました。しかし、一枚だけ汁にガッツリ浸って放置してしまい・・・これは麺と絡めて食らいましたが、それはそれでアリな旨さ!。
<味玉にハズレなし!> 塩味玉と言うより塩麹味玉!シンプルな味構成のようで風合いが柔らかく濃密な旨さが妙に華やか!
どうも味玉が二種類あり、塩麹と醤油麹とあるみたい。味噌や醤油でおなじみの麹。つけダレにこれを忍ばせているようです。塩に麹菌を培養させたもので、最近ならスーパーでよく売ってますね。肉を柔らかくするのは知ってたが、味玉に使うのは初めて出会いました。
醤油出汁もいいが、塩出汁のシンプルな味わいもいい感じ。それにちょっと変わったコクもあるようで面白い楽しさがあります。全体的に茹で上げは早い仕上がりで、沸騰9分前後と言ったところか。全体的にトロトロですが、スープには溶けない程度の濃さです。やはり出汁の旨味がほんのりと浸透して、玉子のフレッシュな旨いと相まって非常に濃密な旨さ!。円やかに感じるのは塩麹のためかさておき、なかなか最近食った中では、トップクラスの上品な味玉で旨し!。嗚呼・・・味玉の旨さにやっぱりハズレはないね!。
総じまして「美しい麺顔に込められた鴨の野趣と淡麗白出汁!まさに旨さの味絵巻!」
・・・と言う感動!。ファッションと猥雑が入り混じるスポットエリアで、気品ある上質鴨塩そば!。間借り営業の楽しさってやつもミスマッチ感があって非常に楽しめます。渋谷駅から軽く歩ける距離だし、サラリーマンの外出ついでの昼飯にも好都合。秋が深まるこの時節・・・鴨中華そばなんていかが?。激しくオススメ!。旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!