晩秋となれば・・・やっぱり鴨肉!
立冬が過ぎる時節ですが、やっぱり今は秋深しって感じです。街並みのイチョウは黄色く色づき、これから年末に向かってまっしぐらって感じでしょうか。こうなるとやっぱり鴨が食いたくなります。今回は、年末調整のために午後出社するタイミングで、乗り換え駅の渋谷で途中下車。新進気鋭で間借り営業スタイルの、名店「図鑑」さんへと参りました。
階段を上がったところのオープンフロアに男性が立ってたので、「一人!」ってな感じで座席確認したところ、めちゃメンチ切られ(睨まれて)、態度悪る!ってムッと思ったのですが、単なる客をスタフと思い違いしてしまっただけでしたー。すまんすまん。そのあと、まさかその客と隣り合わせに座らされるとは、これも想定外だったが・・・(汗)。
<全体> 琥珀深まる醤油!秋感深まる肉厚鴨ロース肉!淡麗旨口と野趣感覚が入り混じる美しさ!
そんなドタバタがあっても、麺顔を見れば忘れてしまいます。このそそるような迫力がすごいね!。元々少し単価が高いのですが、どうせならと調子ぶっこいて鴨ロース増しにしてみましたところ、鴨肉絨毯状態で気分痛快でございます。
そして醤油の出汁感がすごいね・・・。とても深みのある醤油ブラウンが鏡のように煌めいております。表層を流れるエキスがまた旨味の分厚さを感じさせる!。そして薬味にもいろいろ凝るのがこちらの店でして、思わず蘊蓄説明書きに目が泳ぐ・・・。
<出汁> 鴨と地鶏の複合的肉厚煮出し!昆布&本枯鰹節&煮干の渾然一体となった甘味!旨さ重厚!
メニュー見ると、塩・醤油の順なので得意は塩みたいですが、いやいやどうして醤油もやっぱり旨しです。まず動物感がしっかりと感じられる一方で、しつこくないのが好印象。鴨と地鶏のガラと肉を丁寧に煮出した感覚で、鶏類の脂の旨味がとても重厚なのにすっきりと感じられる妙技です。
そして醤油感がとても円やか。これはしっかりと乾物が溶け込んでおり、醤油の味輪郭と結びついているような感覚。特に個人的には鰹節との融合が素晴らしいと感じますが、昆布の落ち着きや、煮干甘味が加わり、旨さの渾然一体感が素晴らしいのです!。願わくばもう少し温度が高い方が好みですが、香りや味が飛ぶことも予想され・・・一概に言えませぬな。
<麺> しっかり伝わる小麦粉の甘味!出汁との絡みと吸込みに心地よいすべり感覚!多加水系中細ストレート麺!
見た目からツルツルした光沢感が美味そう!そんな中細系多加水ストレート細麺です。とても汁を吸い易く、そして絡んで持ち上げも良さそう。なのでスベリはとても滑らかで気持ちよく啜り切れます。口当たりは非常にライトで、シルキーにするすると口の中へ納まります。プツプツと歯切れが良いタイプ。奥歯へ運んでクチリと潰すと、小麦粉の特性なのか・・・素地の甘味を序盤ではしっかり感じます。そしてゆっくりと出汁を吸い込むと、鴨の旨味と麺の甘味、そして出汁の塩気が一体化する旨さの広がりです!。
メニュー表に大盛設定がないのが残念に思っていたところ、他客がダメもとで聞いてみたら対応OKなんだってさ!。早く知っときたかった!
<岩手がも> 脂のりが分厚く甘味しっかり!赤身は野趣感たっぷりあれどクセが少なくすっきり食える!
やはり鴨はロースが良いですね。脂身の肉厚さがたまりません!。しっかりローストされた焦げ目がそそるし、脂が滲んで垂れる様相を見てると、よだれが垂れそうです。噛み締めるとソフトにつぶれて旨味が洪水のように溢れ出すー。それがまた赤身に染みて相乗効果のように旨しです。
その赤身は、鴨らしい野趣な風合いと味わいと重厚に伝えます。ううう・・・酒が欲しい。個人的にはクセが少ない肉質と感じており、意外と上品にも感じました。繊維質も柔らかいし、とっても肉厚にしてはフカフカとした食感なのがいい感じ!。
<チャーシュー> 脂身しっとり!赤身ふわふわ!仄かに薫るロースト感!出汁を全体で吸込んで旨し!
鴨肉だけでなく、豚肉もまた素晴らし。脂身が蕩けるようにしっとりしており、赤身はふわふわと感じるほど柔らかいです。これが鴨出汁を吸い込むから、豚と鴨のあいのり的な美味さが広がる楽しさです。豚肉の増しも可能ですので、こちらも激しくオススメかと。
<薬味> 生胡椒の柔らかい刺激!ポルチーニペーストのコクとスパイス感が鴨エキスと相性絶妙!
生胡椒粒があしらわれております。こんな小さな粒少しばかりで・・・と侮ること勿れ。出汁に浸して潰れると、山椒とも違った鮮烈?清涼さ?が、とても優しく広がり、鴨出汁のニュアンスが少し変化します。
またポルチーニペーストも一興!。キノコ類の滋味がコクの広がりとして伝わり、中々面白い展開です。タルトゥファータと似たような展開でしょうか?。
<青菜> 全体的に芳醇さが濃ゆく広がる味わいの中で一服の清涼を感じさせる箸休め!
やっぱりあって嬉しいです。色合い的にも緑が美しい色バランス。また仄かな青菜の甘味と清涼さが、口休め?箸休め?的でとても、味わいとして機能的に働くようです。
<味玉> シンプルな味構成に塩味の風合い柔らかし!濃密で華やかな旨さ!
ちょっと変わったコク?スパイス感も滲むようで、それが面白い!。中華スパイスのようでもあり、はたまた塩麹のようでもあり不思議な余韻が滲みます。全体的にトロトロですが、スープには溶けない程度の濃さです。
やはり出汁の旨味がほんのりと浸透して、玉子のフレッシュな旨いと相まって非常に濃密な旨さ!。中々絶品で上品な味玉でございます!。
総じまして「まさに図鑑に収めたい美しい麺顔とその味わい!鴨の野趣と芳醇醤油と乾物の出汁感!まさに旨さの味絵巻!」
・・・と言う感動!。怪しく猥雑さが入り混じるスポットで、上品な質感ある極上鴨そば!。これで間借り営業ですからすごいよね。渋谷駅から軽く歩ける距離だけど、開店間なしで行列覚悟かも?秋が深まるこの時節・・・鴨中華そばなんていかが?。激しくオススメ!。旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!