<真面目さ、質実さ、良心・・・それらが一体化した若手のホープ>
あの店元気に頑張ってるかなぁ・・・なんて少し気になって、また訪問してみたい店がいくつかあります。そのうちの一つがこちら「らーめん いろはや」さん。真面目そうなお若い店主が、今風の流行を追うことなく、質実でハートフルなラーメンを提供してくれてる。それが、実に応援したい気持ちにさせます。また、最寄りはJR阿佐ケ谷駅とは言え、ロケーションとしてはかなり歩くし、車だったらつい通り過ぎてしまう立ち位置ですからね。目の前に交番があるので、ドライバーなら余計な目移りせず通り過ぎたいもの。
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阿佐ヶ谷ZIPPY 全11巻完結(ガンガンファンタジーコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 岩佐あきらこ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- メディア: コミック
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でも昼飯ピークをずらして、実際に心配して訪問してみると、ほぼ満席の盛況状態。後で調べてみると、食べログでは「TOP 5000」の称号を与えられており、私が心配する必要は全くなかったのだ。客層が実に多彩で、地元のオヤジも居れば、小さいお子ちゃま連れた親子ランチの姿もあり、またカップルが噂のラーメン店でデート食という光景もある。根付いているというか、いやはや皆さん旨いものには本当に貪欲なのですねー。
若いご店主は、いよいよノリにノッてるか!と思いきや、朴訥に仕事にご集中です。足掛けもうすぐ2年くらいになるのだろうか、厨房や店内は埃っぽさもなく清潔感は開店当時のまま。店前のビニールテント屋根は少し陽に焼けた感じがあるものの、店全体からは生真面目さがありありと伝わってくるようです。らーめんは、今時700円を下回る価格のみならず、常時大盛サービスと言うから頭がさがる。だって旨いんだもの。もう良心の塊としか思えん店ですな。
<若手とは思えないほどに、深く安寧を覚えるオーディナリーで優しき味わい>
この店に来るまでがちょっと寒かったものだか、店に入って座ると本当にほっこりしました。そして、大きく儲けなくとも、お客にはしっかりお腹一杯になって欲しいと言うような、心の味を思い出すような店の雰囲気に、ただ温もりを感じる。・・・待つのも悪くないね。もうちょっとほっこりさせてもらってもいいよと言うときに限って、早く配膳されて来るものです。そんなタイミングの麺顔はこんな感じ。
もう、この地で何十年も親しまれて来たかのような、堂々たる存在感。そして包み込む優しさですよこれは!。圧迫感がまるでなく、親近感に溢れる麺顔は、薄い醤油カラーが透き通っており、表層には真円の旨味油が無数に浮かび漂います。レンゲで最初に一口をすする前に、すでに味わいが予想できそうな気もします。
一見は「満来・ほりうち系」に似てなくもないけど「無縁」な感じですね。スープは、ストレスなく煮出したような豚肉鶏ガラのエキスが芳醇で、その他野菜系の旨味もあるように思えます。乾物系の豊かな滋味もありつつ、思った通りの優しい仕上げ。そこに甘ったるさはなくスッキリしてるから、オリジナリティを何と無く見出します。全体的にはほぼ動物系の個性。
塩気はと言うと、醤油の風味は強くなく風味として塩気と混じっているようなニュアンス。塩気を求めて行くと旨味にぶち当たり、尖りが一切ないのが魅力的。無化調だとわかる優しい塩気なので、小さいお子ちゃまでも安心して与えられる醤油スープです。むしろトッピングの塩気の方が強く感じられ、味わいを増すイメージでしょうかねー。
<仄かに明るいもちもち感! 中太ストレート麺は世代を越えてウケる味!>
店先に製麺機があるようにこちらも自家製麺。もちもちの玉子麺は、表情明るく、麺の密度感も中程度で加水は多い傾向です。なので微妙に縦伸びすら感じる弾力感があり、広く愛されるタイプでしょう。サイズは中太ですが、前歯を当てるとプツプツと小気味好く千切れてゆくのが楽しくなります。
みるからに表層はツルツルなので、口当たりがとてもライト。すすりあげると太さの割りにはチュルチュルとすすり上がってゆき、汁を吸い込む感じも多少見られます。なので後半になるほどしなやかなとなり、その交換としてスープは多少は霞がかって行くようです。
奥歯でのプレスは、クチっとした短いタップで安易にすり潰されます。残るの淡いグルテンとスープが結びついた味わいのみ。そこが旨いと思うのもつかの間で、無意識に全部飲み込んでしまいます。全体的に柔らかいので、喉越しのシルエットは感じませんかねー。
<価格抑えめなれどホスピタリティ感じる二種チャーシュー>
流行を追わない二種チャーシュー。言い方を変えれば基本的で忠実な二種チャーシュー。スープ生成に寄与したと思われる豚肉の、バラ肉とロース肉を自慢の醤油だれを浸透させた・・・ような馴染深いタイプです。見た目よりも薄味。薄味だけどスープを今度は逆に吸い込んだようになり、一体感が素晴らしい。
バラ肉は脂身の部分が、余計な部分が削げ落ち、残った部分の甘みだけが残った感じで、噛むたびに楽しい。スープにいつまでも浸していたい気分にさせます。一方、ロース肉の方は、ややスポンジめいたスカッとした感じですが、しばらくスープの中に放置すれば、スープを吸い込んで「あっさりジューシー」な肉に感じます。ご飯のお供というより、お酒のアテの方が似合うと個人的には思う次第。
<今時、味玉が50円とはもはやボランティア価格!?>
泣かせる。今時泣かせる。味玉が50円です。しかもいい味玉。昔子供の頃は、味玉は固茹でばかりであまり興味がなく、卵黄がむしろスカスカして喉が乾くと思っていた。ところが、今は飴色のような鮮烈さとトロトロと蕩け、芋羊羹にも匹敵するほどのマッタリした濃厚な味わい。100円は当たり前だと思ってる。それが半額で平然と提供してるから、こちらのご店主は、本当に大きく儲ける気がないみたい。お客目線で還元してくれてると思えてなりません。もはやボランティア価格ですよ。
総じまして、「逞しき優しさ溢れる!大切にしたいらーめん店!」と言うのが素直な感想かしらん!。ここは、長く営業を続けて行ってほしいなーとさらに応援気分ですよ。若いご店主が、これからも続けてもらって、そのうちご家族やら増えたりして、店がさらにハートフルに満ちてゆくようになれば、本当にいいなー。食い終わってた移転して、心満たされつつ、阿佐ケ谷駅までの長い道のりで、ぼけっとそんなことを考えていたー。今後この店の定点観測も楽しからずや・・・。そんな応援モードを忘れないうちに、とっとと最後に詠って締めたいと思います!。
傘を持つ
吐く息白く
氷雨降る
辿る一杯
芯から温め
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

