<応援気分で訪問したら、すっかり人気店だった>
この日は、朝から気になってた若い店主の店へ出かけて、一杯食いたいモードでした。応援気分な感じで、美味かったけどその後どうなってるかと、いろんな店が時々気にはなっていたのです。アレコレと店を思い浮かべながら、ツイッターを眺めていたら目に飛び込んで来たのが、このお店ー・・・下北沢にある「中華そば こてつ」さん。開店当初は、閑散としていて、しかしながら味わいは格別であったわけでねー。まあ、昼酒あおるつもりもあって、開店時間に合わせて突撃します。
ところがそんな心配は失せました。開店前にすでに三人がシャッター前で陣取ってます。四番目に接続しようかと思っていたところでちょうど開店時間。その後続々と常連客が押し寄せて、一気に満席となりました(いやいや逆に危なかったオレ)。

世田谷ライフmagazine VOL.63 (エイムック 3869)
- 作者: 世田谷ライフマガジン編集部
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2017/10/26
- メディア: ムック
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ここは安くてうまい店。デフォルト中華そばじゃなくて、今回は「塩ワンタン麺」とさせていただきましょう。このメニューは、数年前の年末に都内を一ヶ月連食したほど、個人的にはハマるものでしてねー、無類の「塩ワンタン麺好き」なのです。
ちなみに、「ワンタン麺」「特製中華そば」「チャーシュー麺」は、醤油・塩とも850円同一価格でして、実に悩ましい。やはり特製が一番いろいろ楽しめてお得でしょうが、しかしチャーシュー麺も捨てがたく、おまけでワンタンが少し乗る。でも今回は一口でも多く、オレはこの店のワンタンを摂取したかったのだからしょうがないー。
<ワンタンがナイス!餡の大きさと質!餡と皮とのバランス!ボリューム感!>
ワンタンに関する個人的なこだわりは割愛。ここのワンタンは、サイドメニューとして別一品で食った方が素直に美味しいかも。何と言っても肉餡の大きさがナイスで、鶏豚合挽肉に軽い塩胡椒、そして生姜の風味が嫌味なくしっかりと効く。食べ応えと味わいの良さ、そして風味が駆け抜けるのです。
そして皮(本当はワンタンと呼ぶべき?)のちゅるちゅる感が言わずもがな。薄いタイプで今にも溶け出しそうなのだが、それでもしっかり破れないで喉越しを楽しませてくれます。6つばかり入っていたのだろうか、全体的なボリューム感も感服といったところで、熱々で火傷しそうになったら、冷酒で舌を冷やすのがまた楽しすぎるのです。
<塩ダレにほのかな魚介乾物の滋味!そしてベースストックの鶏ガラが明るく響く!>
比較的醤油が人気なのですが、塩もなかなかのハイレベルです。全体的に鶏ガラの明るい味わいが響いています。そんな中で塩ダレに、乾物系の滋味がしっかりと広がり、魚介系の落ち着く風味も少し滲むといったところがナイス。そして、香味油がさらっと色気を醸し出し、淡麗さに華やぎをもたらす風合いが秀逸です。
食い進めて行くうちに、ワンタンと麺の風合いがスープに滲み出す。ゆっくりと甘みを増して行く味わいに、薬味のネギと三つ葉の清涼感が寄り添って行き、最後の最後まで崇高なる味わいをキープしているところが素晴らしいー。
忘れる前にチャーシューにも一言。低温仕立ての肩ロース肉は相変わらず格別。夏場の冷やし中華には、これが太くカットされて大量にトッピングされるのだけど、今回のように少しだけスープ熱で火照ったような肉感覚も肉の甘みが増してようと思います。放置して熱が通り過ぎると反り返って風味が飛ぶので要注意です。私の場合は、薬味の上に乗せて退避させておきましたー。
<芯を感じさせるほんのりとした粉感!パツパツし過ぎない余裕のしなやかさ!>
麺もまた非の打ち所がありません。しっかり芯が残る程度の茹で上げですが、パツパツとし過ぎない程度で、全体的にはしなやかさが生きています。麺線がとても綺麗で、捩れも一切ない。前歯で淡いクツクツ感を楽しむとグルテンの風合いが鼻腔に駆け抜けて行きます。奥歯へ移動させてプレスしても同じような風味の強さ。すり潰すようにしたところで、グルテンはスープに混じって糖分へと変化して行くのか。急激に別の旨さを感じてしまいます。
また漆喰のようなきめ細かい地肌がいいね! ニュル付く滑りも少なめで、素直な舌触りとうつ頬を駆け抜けるタッチ感。そして喉越しのさらりとしたシルエットが、いかにも上品です。
<残った酒をあおりつつ・・・心の中で合掌!>
最初の三分の一は、麺を待ちながら。中盤の三分の一は、ワンタンをやりながら。残りの三分の一は、食った後の余韻を楽しみながら。混んでいたので銘柄は確認しなかったが、日頃の晩酌で馴染みのある味わいと言った感じ。しかし、冷酒の温度感が非常に良くて、最後までキリリと味わえました。この店に来るときは、90%以上の確率で冷酒を飲んでいるオレですー ^ - ^ 。
総じまして「心の味を感じる!ネオ・ハートフル・塩ワンタン麺!」と言う感覚。近年、巷に溢れ出したネオ中華そばとは、ハートフルさと言う点で、少し区別したい質実さが魅力的です。最後になりましたが、新しい取り組みがあったのが今回の発見でした。それは背脂を好みにより追加補強できると言う仕組みが設けられたということ。塩ワンタン麺出なかったらー、ぜひやってみたいところ。応援しにやってきたところ、逆に宿題をもらってしまったという結末でしたー。ともあれ軌道に乗ってるところが、非常に安寧を覚えるところです。今年はもう少し訪問頻度を上げたい店になりましたー。そんな休日長閑さを忘れないうちに、とっとと最後に詠って締めたいと思いますー。
ゆるゆると
休日昼間の
散歩路
極上ワンタン
ほろ酔い日本酒
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!