<煮干禁断症状には即効性のある処置を>
本当におかしいもので、唐突に「煮干そば食いたいーー!」とスイッチが入る。夏の暑さにヘバッてた時節には、感じない欲望が突然に火山の噴火のように爆発します。「伊吹」へ行くか!?と思いついたけど、あの行列に辟易する・・。なので、代わりに思いついたのが「中華そば屋 伊藤@王子神谷」さん。角館煮干の直系ですからね。ドライブがてらにちょこっと突撃してみました。
鄙びつつも人情溢れてるような商店街。休日とは言え、昼飯タイムのピークを越えたまったりとしたムード。辺りは人っ気少ないけど、店内は7割程度の入り具合でまったりするにはいい感じです。地元の方なんだろうか、丁度同じタイミングでオレと入店した方と、テーブル席をシェアする流れになった。ところがそのお方・・・、当然のごとく、まるでオレの「ツレ」のようなナチュラルな流れで、セルフサービスの水を自分とオレの分まで用意してくれた。当然に恐縮気味にお礼を述べますが、そんなに意に介せずなご対応。袖すり合うも何かの縁ってなのが、自然と生活に染みついているんだなーって、下町人情っぽい感情を感じましたよ。
<暴力的でないピュアさ滲む煮干と塩気!>
いつものアジアンな女将さんの、親切な接客と配膳が大変いいね。見るからにアニマルオフなスープ感と思いきや、表層に浮かぶ煮干エキスの浮き出しの合間に・・・アニマル系のエキスも微妙に浮いております。このカオスは見ていて堪りません!。ニボったイメージそのままで、今の体調には非常にうってつけのスープ表情です。しかし、実際に味わってみると、暴力的でないところが秀逸でして、それでいながらピントが合ったようなスッキリ感がある煮干しテイスト。これがたまらん。
もう少し補足すると、煮干しのニュアンスがしっかりと出ているけど、苦味が尖らず出汁としての「わきまえ」が感じられるという感じかな・・・。煮干しをすりつぶして溶かすようなのもいいが、それは別ジャンルかと思いたい。「煮干そば」として汁そばライクに食うには、この程度の濃ゆさが一番バランス取れてると思えてなりません。ゆっくりと味わうと、煮干しの苦味の奥にはしっかりと甘みも感じられるし、そういうの今は嬉しかったりします。決してライトな煮干しではないのだけど、だからこそスルスルと飲み干せるところが素晴らしい。
塩気は淡く感じる程度で、煮干しの引き立てかと思っていたけど、今更ながら・・・実は高めなのかも。煮干しの香ばしさの骨組みを作っているのは塩気のようで、相席の他客が準備してくれたセルフの水が、異様にうまく感じたりしました。
<パッツパツさが痛快!煮干向けそばの教科書!?>
パツパルしたストレート細麺がたまらなく感じいい!。低加水と割り切るほどでもなくて、中加水と低加水の真ん中程度の位置づけかな・・・。それでいて芯のようなところが淡く感じられる一方で、汁にも麺の風合いも徐々に溶け込んで行くのがわかり、シルトの相乗効果を感じます。
麺が旨いから、具材がなくても寂しくない。スープの煮干し味と麺の炭水化物の混じりっけだけで食い進める。そのシンプルな過程がとても質素ながら、いろんなことをその間教えてくれてるのか。煮干しエキスがスープに浮き出した部分が、麺に貼りついたりすると、ちょと嬉しくなって薬味ネギを摘まみ混じらせたりする。そのまま一気に啜り込んで、奥歯で麺をプレスし潰す。薬味ネギの清涼感と、煮干しの味わいにグルテンの甘みが入り混じり・・・膝を打つうまさなり。
煮干し系は、いろんなところでエキセントリックなのを提供しておられますが、何が基準かわからなくなったら、この一杯をオススメします。苦味って苦いだけじゃないんだと、私は今回の実食で再認識させていただきました。
総じまして、「遠くても通いたくなる魔力の煮干」と言う何だかそのまま何の捻りない感想でごめんちゃい。なんだか「煮干そば」ってジャンルを確立したんじゃないか?と思えるほどのまとまり、スッキリさが、食い終わった帰り道でも考えさせられます。今回は突然襲った煮干禁断症状。一番即効性のあるのがこの一杯だと確信するに至ります。ラヲタの処方箋的一杯とも言えるかも。多分また年内にでも来ます。たまには売り上げに貢献せんと、肉そばも食いますかねー。ってなことで、そろそろ夜も遅くなってきたので、いつのルーティーンで最後にさらっと詠って締めます。
いわし雲
眺めていたら
ぶるぶると
ニボ汁欲っす
禁断症状
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

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