<もう一つの源流を今回は「冷し中華」で求めてみた結果>
春木家本店二回目の訪問。前回は普通に中華そばを食ったような記憶ですが、言わずと知れた「春木屋」の大元となるのが、こちら「春木家」です。元々は蕎麦屋だったのが中華蕎麦をメニュー化し、セカンドブランドとして「春木屋」を開業させたのが始まり。なんだか、富士電機と富士通、豊田自動織機とトヨタ自動車、そのような感じになっております。そういうようなことはビジネスではよくあるよね。とまあ、そんな感じで、春木屋で冷し中華を食ったらなら、春木家でも食っとけ!ってな単純な理由で訪問とあいなります。
住宅地に入り込んだ立地なので、訪問時間が早いとポツーンと一人ぼっちで過ごすしかない。しかし、小上がり席には予約席札があったりして、平日でも暗くなると落ち着いた感じの宴が繰り広げられるようです。いかにも本家という感じの落ち着いた店内は、掃除は行き届いているってな感じで好印象。暑かったら静かにビールでもと思ったのですが、平均的にはジョボいサラリーマンには、肴の単価が高価そうなのでちょっと怯んでしまいましたー。黙って静かに冷し中華だけ啜って帰ろう・・・。
<まさしく蕎麦屋ライクのキン冷え極細縮れ麺!つーーーーっと啜った喉越しもナイス!>
さて店主の奥さんらしい方から恭しく配膳を受けたその麺顔は、もうかれこれ二ヶ月近く毎日冷し中華を食い続けている身としては、飽きが来るほどに定番なお姿です。なので、興味は冒頭から麺に絞ってしまいました。こちらは、蕎麦屋としては本格派らしく、十割蕎麦にこだわるような雰囲気。そんなこだわり店主が打つ中華麺ですからねー・・・ちょっと日常とは違った麺を期待したいもの。しかし第一印象は、極細な蕎麦ライクな風貌と捉えました。べつにそば粉が配合されている訳ではなく(そういうのを正直期待したいのだが)、あるある〜な中華麺。多少がっくり気分で軽めにすすり上げてみると、これが意外に滑りが気持ち良い。口当たりのライトさが内頬と喉奥にタッチする感覚が、蕎麦ライクにつーーーーっとすすり上がるのです。極細系で微妙によじれたりボコボコとしたフォルムなのですが、腰がしなやかなためか、ツルツルじゃなく、つーーーーーーーっと滑らかに吸い込まれていく感じ。
前歯の千切りは、大きな束ではスパスパっと大胆に切れ込む一方で、細い束だとクチクチっと潰れるように、グルテン質の香りが薫るような錯覚が過ぎるかも。奥歯で潰す時は、是非ともモヤシと共に食していただきたい。十分に絡めて一緒くたに食うより、麺を啜ってから好みの具材をつまみ入れる方が、こういうトラディショナル冷し中華には絶対に合うはず。ようやく冷し中華の美味しい食べ方を悟ったか(笑)。
<王道以外なにものでもないティピカルな醤油ダレ!多めの和がらしとともに!>
皿が黒いから、醤油ダレの素顔が分からなかったけど、これはもう王道以外に何ものでもありません。この夏何回味わってきたことか・・・と思えるほどに、馴染んだ味わいです。しかし、その中でも「和出汁感覚」がこれほど優れているというのも印象的です。鰹の出汁がしっかりと効いている。そこに冷し中華定番の酢の酸味が加わるけど、穏やかに飲み干せる冷やしのタレです。蕎麦のつゆを流用しているのか?、だとしたら流石蕎麦屋の中華麺!と褒め称えたい。
その一方で、薬味の和がらしが異様なほどに小皿に盛られております。全部使わなかったら、残りを使い回すのだろうか・・・。なんて思うほどに多め。今回半分程度は消費して見ましたが、和がらしも大変質が良いではないか!丁寧に粉から手で練られた感が伝わり、からしの風味が深い。なぜだか急にシウマイが食いたくなって来る。
<ついでにトッピングもティピカルだ!>
これぞ教科書にしてくれとでも言いたい、錦糸卵・きゅうり・チャーシュー・・・3兄弟の千切りです。今回はモヤシとナルトが加わってくれてますが、一方で紅生姜はオフです。チャーシューは千切りになっても肉感が十分に伝わり、十分にうまい。錦糸卵は自家製だと信じたい。もやしはクタクタになる手前でいい感じでシャキシャキが残っているのがいいね。別メニューで「冷したぬき」なるメニューがありますが、もしここに天かすが投入されればどうなることやら。意外にイケるのではないかと実は考えています。
総じまして、「教科書的文句なしの東京ど真ん中王道冷し中華!」と言うしかないほどに、質実と言う感じでしょうか?。年取って、昼飯や晩飯で経済的に困ることのない紳士なる予定のない私には、少し品が良すぎたかもしれません。されど、たまにはこういうの食ってみたくなるのも年のせいか?。また明日も、冷し中華を求めて人生という旅を続けますわーーー。いつか終わってもいいという一杯に巡り会えるんでしょうか。そんな心配をしつつ、もう遅いのでとっとと詠ってもう寝ますー。
夕立が
駆け抜け宵の
涼やかさ
足取り軽く
冷や中求めて
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

- 作者: 伊藤圭介,昼間たかし,田川英樹
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