<夕立去っても蒸し暑さ変わらず・・・それが京都の夏>
夏の京都帰省で、夜に友人達と飲むことに。そのうち一人から待ち合わせの場所と時間の確認メールがあった際、「仕事してから行くから待ってて」とのメッセージと共に、二郎系のラーメン画像が添付されてた。
「なんだアイツ・・・仕事ってラーメンのことかよ!」
いっちょこれから飲む前に、一杯やっつけてからの夜飲み会という訳ですな。健常な胃袋が羨ましい限り。私も対抗して二郎系と行きたいところですが、それなら・・・・ちょうど気になる一杯があったということで、こちらへ。
そしたら時間前だというのに、ヤツから電話がかかってきて、それがいざこちら側では、ラーメン配膳のまさにその瞬間。流れで写真撮影でもしようかというタイミングとビンゴ!。これ一番困るのよね・・・・。電話に出れないし、また向こうが電話を切ってくれるまで、写真アプリに切り替えられないから(方法知らないだけかも)。しかも、なかなか相手が電話を切ってくれなくてね・・・。お隣の女性二人客から妙な視線を感じながら・・・焦ってやり過ごすしかありません。そして配膳約1分後に実食可能となりました。
【京料理の出汁を引くような・・・染み入る甘味、落ち着く味わい、日本人の喜び】
同時に配膳を受けたお隣の女性二人組は、私より先に実食を進めておられて、その感想の声が先に耳に届きます。「チョー美味しくない!?」「そ、チョー美味しいよね!?」「だよね、無理しても来て、チョー良かったよね!」「そうそう、チョーいい香りしてるし!」「アメリカ行った時のラーメンなんかより、チョー美味しいよ」・・・すごいチョーチョーの波状会話。しかも、どちらも可愛かったりする。それほど、この一杯の迫力に飲み込まれて語彙を一瞬だけ失ったものと推察いたします。
そんな私は、この一杯のスープをいただいた瞬間に、脳内で叫んだことは、「わ!これ・・・めっさ旨いやんけ!」「めさめさ出汁効いてるやんけ!」「いやいや、めさ上品やんけ!」・・・などと、めさめさとか、やんけやんけの嵐。とにかく、当初からオーラに飲み込まれてしまいます。
薄味です。しかも、関東でよく食べる鶏そばのような、鶏油のエキス感が明るく迫ってくるような感じでなく、薄っすらした旨味が寄り添ってくる感覚。円やかな鶏出汁加減で、ゆっくりと時間をかけて煮出した透明なエキス感が広がります。それは塩加減についても同様で、実にエッジが丸い。これを薄いと言ってはいけません。香りと薬味の幸せがこの後、待ち受けるのですから。
聞き逃したけど・・・カボスだったっけ?? この柑橘系の皮のキリリとしつつも、切れ味のある清涼感が、スープに投入されると凛とした筋が一本通るような変化に驚くはずです。しかもそれだけでなく、テーブルセットにあるとろろ昆布を後で投入すると、これまた京料理の椀物のような、深みと透明感を合わせもつような出汁に昇華するといった感じに。おそらく、何も考えないで京都お観光客は、こういうのを京都と感じるんだろうな・・・。それでもいいけど、何れにしてもよく出来たスープなので、誇りにしても良いと思う。
【上品さが際立つ丸く軽やかな口当たり!密度感低めで出汁を吸い込む温麺感覚!】
麺顔の命は、トッピングの配置センスもあるけど、基本は麺の流麗さだと思います。多少中で泳いでるけど、具の下では枯山水の庭のごとく、細いパラレル感が美しい規律を感じさせます。そんな麺は、口当たりが非常に軽い。丸い形状と感じるほどに、とってもライトで地肌のスベスベ感が気持ちよくて、軽くすすり上げる感じ。どこかしら・・・・温麺のようなフィーリングすら覚えまして、これもスープのライト感とよくマッチしています。
歯切れの良さがとても小気味良いし!まさしくスパスパと切れ込むのが楽しいし、これも上品な感じかも。奥歯でプレスするようなイメージをあまりせず、ススッと飲み込んでしまいそうになるほど、ひっかかりがないし。加水は少し多めに感じるものの、しっかりと汁を吸い込んでくれるし、滑らかさもアップといったところかも。
【意外と主張感じるメンマ、意外としっかりめな歯応えを与える鶏肉】
一点だけ、全体の味わい流れにポイントがあるとしたら、個人的にはメンマかな。少し味の濃さがあって、沁み込むタレの風合いはどちらかと言うと醤油系スープに合わせたような印象。こちらのメニューでは、醤油系を「黒」と分類整理されてますが、一度、黒でこのメンマを食うと理解が進むと思えました。
また、鶏肉は完璧。それ自体もうっすらと味と塩気を感じさせるので、スープを少し吸い込ませてもよし、そのままでも十分に冷酒のアテになるほどの、やや深い淡麗系の旨味が濃いです。それに、少しだけ歯ごたえを感じさせるところがあって、やはり肉はそうでなくては!と感じてしまったりします。
味玉は出汁が深く染みて、円やか&揺らめく甘さ・・・・。デフォルトでハーフが付いています。このオレンジさがとてもこの一杯の中では色気がありますね。これはスープのタレが深く浸み込んでいるようなイメージで、全体の味わいと一体感ありです。塩系でありますが、実は甘みのあるスープ感。それを卵黄の濃厚さの中で感じ取れることでしょう。
総じまして、「京風と言うより京料理風らーめん」とお伝えしたい一杯。京都以外の人がイメージする「京風」と言うワードは、あまり使いたくなくて、変えてみました。今回の京都ラーメン旅は、2杯だけですが、一乗寺の「極鶏」とは、同じ鶏でも対極的な攻め方。これ二つとも京都の底力ラーメン!。今回は、あえて二つとも同じ点数をつけます。京都人の裏表みたいで、ちょっと嫌な感じを与えてしまったらごめんなさい。深く考えず、どっちも美味かっただけだから。 また来るか?・・・・もちろん!今度は京都の寒ーい冬の中で、訪ねて食いたい!。頻繁に来れないけどね。と言うことで・・・なので詠います!
京の夏
夕立去って
蒸し蒸しと
気分変えるか
まろやか鶏塩
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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