休日に、渋谷に子供を映画を見せにつれていって約2時間のぽっかりと空き時間ができましたので、一杯すすって参りました。もう子供も成長すると、これまでと見たいものと趣向がだんだんと違ってゆき、親と一緒というより一人で静かに自分の世界に浸りながら鑑賞したいそうです。ま、男親としては良く分かります。ミッション・インポッシブルなら、一緒に観られると思ったのですが、ちょいと寂しかったりする。そんなこんなで、渋谷の坂道をゆっくりと登って、辿り着いたのは「麺屋ぬかじ」さんです。もうすっかりと、渋谷の坂道を登ってまで食べに行こうという活力がなくなってしまいましたが、休日ならではの行動力ですかね。坂道途中にあった野外ビヤガーデンを発見し、帰りに寄ろうと心に決めて、今回は純粋にラーメンだけを楽しみに参りました。
さすが渋谷にあるお店。とても若者たちが入りやすそうな明るい雰囲気と清潔感。そしてオヤジも入りにくさを感じにくい、シンプルな美しさが印象的な店内です。白木基調のカウンターがまた綺麗。客層は、若くても少し落ち着いた感あるカップルとか、品のいい熟年ご夫婦など、いかにも渋谷って感じ。そしてランチタイムに当てはまったらしく、生卵とライスは無料サービスとのこと。味玉インだったので、生卵はかぶるため、白米だけをサービスいただきました。そんなこんなで、私が入った途端に、がら空きだった店内が一気にほぼ満席になり、外待ち2名にまで膨れ上がる。私がラッキーだったというより、私が福の神だったりして(笑)。
【レビュアー泣かせな王道!シルキー豚魚のようでもあり、魚介鶏白湯のようでもあり、醤油ダレも印象深く!】
うだうだ考えていて待ち構えていた一杯が配膳されると、なぜだか初対麺という感じがいたしません。初訪でこういう体験はままあるのですが、何と似ているかと推測してしまうのは、ラヲタの悲しい性ですね。個人的には、大阪転勤時代の一杯に良くにているような印象。ライト豚魚であったり、はたまた魚介鶏骨を得意とするブランド「麺や輝」をなんとなく印象にひきづってしまったけど、麺顔の印象は、また随分と違うかも。こちらの方が東京っぽいセンス感をやはり感じてしまいますか。
食べ歩いている輩にとっては、特に驚きもしないスープ感なのですが、この王道たるが故に、カテゴリーに悩みますな・・・。豚骨と鶏エキスは確かに双方入っておりましょう。魚介の甘さと落ち着きも深みに感じます。ただ、鶏と豚が拮抗しているようなイメージ。もしもこれにモミジが入っていたなら、鶏白湯と言い切ってしまうところですが、脂の口まわりの張り付き方がナチュラルで、コペコペしていないため、鶏ガラだけのピュアなコラーゲンかもしれません。と、同時に豚骨のエキス感も捨てがたいのですよね〜。
また醤油ダレも意外にしっかりと効いている。動物系コラーゲンとしっかりと早々によりそうため、味の因数分解がやや難解かもね〜。余計な塩気が一切なく、甘み系かと言えばそうでもなく、塩気のバランスをこの醤油ダレがうまくカバーしています。この後、麺を真剣にすすりあげるに至っては、麺の風味とカエシの味わいが、非常によくマッチするのがわかりますし〜。なお、味変化に黒七味を少し振るのも風流かと。関西オリジンな私は、一味よりも七味が馴染み深いんです。
【つるつるのモチモチ麺のようで、しっかりと芯を残す歯ごたえとフレーバー】
渋谷にて坂の上にある崇高な拉麺・・・といえば「はやし」が頭に浮かびますが、そんなこともあって、それと比べてみたりする麺の風貌。どことなく似ていると思えてしまった次第。もちもちな多加水が印象的な風貌なんだけど、締まりというか、密度感がほどほどにあって、やさしい食感のくせに芯をきっちりと保持しています。なので、前歯の当たりは最初はスパスパっと入り込むものの、途中からはクシリとした熟成度を感じる低反発感に変わります。
表面もややツルツルとしているものの、スープのコラーゲン感が程よく張り付いて、ツルツルと滑る。いや、ニュルヌルっと滑るような印象かも。内頬よりも、のどごしのシルエット感が高い印象で、スープによく馴染む玉子麺といった風合いを感じました。これなら大盛りにしても良かったんだけど、ランチタイムでサービスのライスがあるため、そこは自重した次第。
【「の」の字渦巻くなバラチャーシュー!極深の染み込みの味玉!】
丼ものによく馴染むような醤油ダレの甘さが印象的なチャーシュー。割と深めに染み込んでいるのが印象的。そしてきっちりと丸められてスライスされております。脂とタレの深く混じり合ったところが実にうまい。一口食べたとこで、何を思ったか・・・ライスの上へとチャーシューのお引越しをしてしまいました。とにかく、脂の塩気が味わう内に甘く香ばしくも感じられるという代物。
まあ味が深い、タレが深く染み込んでいるといえば、味玉がすごいことになっている!深い褐色に染まった白身に、飴色に輝く卵黄。芋羊羹状態の部分から、とろみの部分までの状態グラデーションがこれまたそそりまくりです!これも思わず、一口食ったところでライスの上へとお引越し。
ライスはたちまちプチ丼物に進化して、その上に少しだけレンゲでスープをまわしかけ、箸とレンゲを交互に使って美味しくいただいた次第・・・。結果的には、生卵サービスをご遠慮して大正解だったかもと、一人ほくそ笑んでしまいました。
総じまして、「繁華街にしっかり根をおろす、コンテンポラリー系定番麺」と言ったところでしょうか。全体的にハイセンスと感じる一方、基本的所作が実にしっかりしているので、これは年齢層幅広く受け入れられるはずです。そんなこんなで、年齢とわず坂道を登ってやってくるのでしょうかね。なので詠います!
ほのぼのと
秋晴れ高く
坂道を
登り辿って
ほっこり一杯
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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