本当に気をつかった一週間が終わった気がします。この年齢で新しいことするのは結構辛い(笑)。楽しいとワクワク感と辛さは正比例するようになるのが、中年以降のオヤジの辛いところであります。ここのところ、10日間くらい走り続けた気がしますが、振り返るとそれなりにラーメン食っとるな(笑)。結局暇でも忙しくても食う私です。
それしても忙しすぎてこの日だけは、早めに帰宅させていただきました。金曜日夜なので遠征しても良かったのですが、帰宅方向にさる名店の支店が新規オープンとあれば、行かねばなるまいです。「中華そば つけめん 甲斐 高円寺店」。甲斐とくれば、しみじみとした煮干しの中華そばがイメージでして、支店展開もしない店だと思い込んでましたからね。突然のビックニュースに疲れがぶっ飛び、早速訪問してまいりました。
【店:静かなる新規OPEN】
これが数年前だったらちょっとした事件? なにせ甲斐のランキングによるプレゼンスが一番高かった時期もありましたからね・・・。などと思いつつ新高円寺駅から歩くけど結構心配になる距離感。青梅街道沿いというロケーションもあってアクセス良いかと思ったら近くにコインPがあったりします。さて店内はさぞかし混雑してるかな〜と思いきや、贈花はあったものの落ち着いた雰囲気をすでに醸し出しております。割と空いていてラッキーだったのだが、少しだけ心配になったりもします。客層はバラバラ。まさに老若男女というやつで、四字の中で一番好きな若女の隣が空いていたのでそこに滑り込みます。さて今回は、醤油か塩かと迷っていたのだけど、なんと久我山では見慣れぬメニュー「揚げねぎ」なるそばがあるではないか! 思わずそれに反応してしまった次第。この時点ではやっぱり定番の中華そばにすべきだよなと・・・少し後悔もよぎったりしました。
【スープ:レトロなスープと思いきや、揚げねぎがニュアンスを凄く変えて旨し】
しかし配膳の瞬間は「甲斐らしい実直な個性」を感じる麺顔です。落ち着いた醤油感に昔ながらのメンマと、香ばしいそうなバラ肉チャーシュー。どことなくレトロ・ブラウンな色合いに占められますが、唯一いつものイメージと違うのは、やはり「揚げねぎ」。これが見た目のイメージを相当塗り替えます。
<揚げねぎの威力が、落ち着いた醤油ダレにすごく香ばしく馴染む>
動物エキスを感じつつ、いい塩梅の魚介を感じるか・・・というイメージで臨むと、冒頭からその揚げねぎの香ばしさに魅了! いきなり食欲のボルテージが上がる感じで、醤油ダレの香ばしさや肉のエキス感もそれに呼応するかのようです。これはいい!揚げねぎの「少し焦げた」エキス感がたまりません。野菜系の香ばしさがラードによく馴染み、相当ハイセンスな香味油となって麺顔を覆い尽くす感覚。この時点でもうレンゲが止まりませず、麺へと移行しようとすると後ろ髪を引かれる思い・・・。派手な香ばしさには、落ち着いた醤油ダレといった関係性も感じられ、タレと香味油の最強のバランス感を感じます。
<煮干の下支えに動物系がスッキリと染み渡る感覚>
しかしこれまでも、揚げねぎベースのラーメンはそれなりに食ってきたのあります。特にネギ星人と自虐するほどですから、青白に関わりなく食ってきた・・・。その中でも特に印象に残る感じで、揚げねぎの「ドヤ顔」級の香ばしさに抑えを利かすような「素朴な煮干し
感」がひかえているような気がしてなりません。その魚介の輪郭は埋め尽くされてるけど、味のボリューム感に下支えする魚介の旨味を、どことなく根拠もなく、感じてしまうのだけど・・・・。
【麺:歯応え・滑り・スベリと全てバランスよし!】
これ以上、私を嬉しくさせないでほしい・・・・・。と思えるこの麺。久我山での麺イメージとは随分違う(変わったのか?)。気持ちよいほどにストレートででやや平べったい麺。久我山での麺が素朴一辺倒だったため、そのギャプで随分と洗練されたかと思える出来具合。これはつけめんでも相当期待を寄せてしまうな・・・・・。
<やや平打ちでスパスパ・クツリと小気味良い歯応え!そして風味!>
平打ちっぽく長方形な切り口で、茹で上げ時間とタイミングコントロールがよく、ほんのりとアルデンテ気味な仕上がり感。前歯を押し立てて千切ると、スパスパっと小気味よく切れ込むかと思うと、しっかりと芯でクツリという低反発。その瞬間、風味が漂う・・・・。それがまた揚げねぎエキスとすごくマッチしているから、次から次へと箸がとまらなくなる。決して少ない麺量なのだが一気に食いつく程しまうほど魔力あり。スープの浸透による麺のグルテン風味がコラボとしてたまりません。奥歯に運んでプレスしてクチリと潰して、あとは喉奥へと落とし込むのみ。
<表面はハードコーティングのようでスルスルと滑る>
ややざらいても良さそうなのだけど、意外と表面はコーティング感あるような艶感があり、スープの浸透と持ち上げ感が意外にある。なので幅太麺であるのだけど、蕎麦のごとくスルスルっと啜り上げられるような感覚。軽い腰つきが軽いわけでもないので、滑る感覚はハードコーティングされたかのようで印象的です。大体、こういうやや幅広系のストレートで滑りがよければ、うどんでも、パスタでも私は何でも好きなんですわ・・・。
【具:オリジンを保つ肉とメンマ】
ここだけは、甲斐オリジンを感じる部分ですね。やはりこういう系列大事なところもないと、寂しく思うからね・・。
<久我山譲りのしっかりチャーシュー!>
揚げねぎは張り付いておるが、バラ肉の三層が美しく、脂身と赤身の部分に旨みが凝縮しているような落ち着き感がいいね!特に醤油だれの染み込み具合は、久我山と同じ匂いがいたします。香ばしさと肉の甘さが程よいバランス。白飯にも合う味わい。少々分厚目なのも好印象ですし!次回は、チャーシュー麺にしてもいいくらいです。
<やっぱり揚げねぎのヌガー感がスキ!>
味わいは言わずもがな、揚げねぎは、ほぼ香味の仕事がメインですが、こうやって散らばると鰹節みたいな風貌で視覚的にも風情がありますね。また食感的にもいい仕事します。麺に張り付くとか、単体で浮遊して奥歯に張り付いてヌガーのような粘る食感とか・・・。その瞬間に葱油がジュワーっと滲み出たりして旨味を加速するとか。ともあれ、揚げねぎだけで、新しい甲斐を感じるには十分のエッセンスであることは確かです。
総じまして、「何やら新しい定番の誕生?高円寺スペシャル!?」と言うような、落ち着き感あり。突き抜けるスープ感が、すごく気に入った一杯です。すでにまた同じものを食いたくなっている私。どこかにあるようなメニューですが、甲斐のスープがこれほど伸びしろがあったとは、驚きです。それにこのご時世で600円代からスタートですから、愛情を感じざるを得ません。ここは、メニュー制覇を致したい。そして、また久我山にも顔を出したいと強く思えるのでした。なので詠います!
緊張の
一週過ぎ去り
帰る道
来た甲斐あって
啜るねぎそば
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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