4月1日によくある風景。コロコロ引いた若い方が満員電車でたじろぐといった様子があちこちに。入社式は東京本社でというケースが多いのだろうと思われますが、遠慮がちな若い人を心の中で応援します。
さて年度替わりの最初の日は、大抵仕事にならんもんです。緊張したけど、新しい体制やら異動の挨拶や、引き継ぎスケジュールなど打ち合わせなどしていたら、あっという間に午後5時を回る。まあ、ここから新しい仕事をするでもなく、ベルさっさで退社させていただきました。丁度、この日に開店する情報を知っておりましたので、途中下車で五反田駅に降り立ちます。魁力屋がようやく東京山の手エリアに初進出ですからこれは、祝いがてらに訪問するしかないでしょう! 名物限定「特製醤油九条ネギラーメン」で乾杯とさせてもらました。
【店:定番の店箱+アルファの小奇麗さ】
夜だからよく分からんかったけどテラス席?っぽい作りが不可されてますね〜。大体、関西系のラーメン店ってロードサイドにあって店箱が定められている。クルマが置けるスペースがダーーーーーっとあり、奥まった位置に店。入るとたいてい左側に厨房とカウンター席。右側に家族ズレを意識したボックス席。店前には待ち用のベンチが置かれているというスタイル。店箱については、完璧に踏襲してます。ま、街中にある場合は駐車スペースは無理としても、テラスみたいな小奇麗なつくりはちょっとらしくないな・・・。だけど、混雑緩和や、夜の寛ぎには良いのかもしれません。
また社員教育は、すごく行き届いてます。来来亭、横綱、魁力屋等・・・この同じ匂いのする類は、みな元気よく声がハキハキとして「暑苦しくなる一歩手前」の爽やかさで応対してくれます。麺のカタさや脂の量など、毎回入店する度に聞いてくるのが、実に鬱陶しくなく自然に聞こえてくる。典型的なマニュアル対応なのに、どこかのバーガー店とは何かが違うのですな・・・。
【スープ:意外とあっさりと響く醤油ダレに背脂旨味がしっとりまとまる】
配膳の瞬間は、ちょっと周囲の驚きの目を期待したりして・・・。そのはずが、隣の客も同じものだったので肩透かし。それでも山盛りの九条ネギはそのボリューム感と青々しさから圧巻なオーラを放ってやみません。その姿、往年の石立哲男のモジャモジャ頭を彷彿とさせます(そういえば、わかめラーメンCMをやってたっけ)。少しばかりネギを食ってカサを減らし、少し沈めてからスープをまずは啜り始めるところから、本格的な味わいスタート。
レンゲを鎮めるとまずはするっと流れ込む背脂。そのレンゲの湖には、ライト系な豚鶏スープと醤油のキッパリとした色合いを感じます。割とキッパリとした醤油の色合いに、背脂系の味わいが溶け込みかすから、少しぼやけた醤油ブラウン。これがまた旨そうで、ところどころ、一味が浮かぶところもありなむか・・・。啜り上げると、いい意味でのチープな醤油感が優しく広がり、カエシのエッジングは仄か。調味料感を残す後味も穏やかで、これは九条ネギのエキスも滲みだしたかとても優しいお味になっております。
京都ラーメンに背脂はやはり欠かせませんな・・・・、もはや出汁の決め手といった感覚!
背脂が味の決め手といった感じ。味の補強材といったブーストをかける役割というより、出汁そのものに染み込むような優しさを感じる背脂感覚がナイス! そこが「背脂チャッチャ系」とは少し線引きをしたくなる立ち位置ですかね。もちろん、脂多めという調整も可能なのですが、こうやってデフォルトをしみじみ味わうと、背脂の使い方など改めて参考になる次第です。
【麺:極細ストレートのクシクシ歯応え!流れ流麗にして枯山水】
京都系の中でも特に細さが印象的なこちらのブランド。下から掘り起こすように麺を発掘しながら食うしかありません。たいてい「カタメ」というのが多いチューニング。割と汁を吸いやすいタイプが多いため、最初は少しカタメくらいで後半に丁度よくなる・・・という立てつけです。
麺のクシクシ感に、九条ネギのザクザク感が妙に馴染むで悪くなし!
九条ネギの切り方と柔らかさに影響を受けているのでしょうが、麺とどうしても絡みあうので麺単独でツルツルという具合にはなりにくい。やはり前歯でのクツクツとした感覚が冒頭では鮮烈でしかも粉の風味感も手伝いこれはこれで中々よい!その後は、ネギと混じるに任せるのみ。ネギの甘さと柔らかさが邪魔にならないからいいね〜。奥歯で束になったそれをプレスすると、クニリと潰れる感覚と、ザクリと弾く感覚が交じり合って歯応えのカオス!
【具:ネギ多くして、見栄えがまるで盆栽でも見るような心象ですな】
大体、ネギ入れ放題なのに敢えて金を払ってネギを食うのですから、これくらい目立つくらい山盛りにしないと、関西人は納得しなかったのかもしれない。そんな背景を勝手に空想したりして、ネギ山を見つめて過ごす。入れ放題のネギもそんなに悪くない。透明ポットに入っているから、乾かないし底の部分の鮮度も視認できるし。ちなみに沢庵も入れ放題。
とはいえ、単に量だけの問題ではなく、そのネギの柔らかさと甘さは少し別格だと思えます。仕入が違うはず。冒頭、ネギのみを食してスペースを作る際にも、サラダのように普通に食えるから不思議と言えば不思議。薬味だけを食っているわけですから・・・。縦細切りも中々流麗でもじゃもじゃとしたアミューズ性もあってグッド。来る年波から歯の間に挟まるのが懸念されるのは仕方ないにしても、それでも柔らかく容易に噛み千切れるところもいい感じ。やはりネギの中でも一目おかれるわけですな。
総じまして、「五反田に木屋町河原町出現!」を感じさせるような印象ですな。友人と飲んで歌って、〆はいつもこういうラーメンというのが定番という京都人も多いはず。私の京都帰省時のワンパターン行動ですが、なんだか五反田が、京都の飲屋街にでもいるような気分になってくる。店箱も定番の作りだし、これは五反田にとても馴染むのでは? これからちょくちょく寄らせていただくことになりましょう! これは個人的には嬉しい出来事です。何だか気分も少し軽くなったかも^ ^ 。なので詠います!
爆烈な
都のネギの
しなやかさ
仕事変わって
ワシも弾けん
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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