日本中どこに行っても同じ建物!たとえば「NTTドコモ」のビル。これは、携帯電話のデザインを意識した建物で、全国各支店支社で、同じような建物があちこちに見受けられる。ファーストフードとファミリーレストランもそうで、全国津々浦々に同じような建物があるため、街の風景がどこか均一的にも感じられる。これらの建物は、形式的でありながら、機能美でありなむか・・・・。
・・・などと考えながら、ラーメン業界において「来来亭の店箱」の作りも、全国どこへ行っても同じなのです。何だったら目をつぶってでも、どこの座席でも座れる(笑)。この店箱と、派手な黄色い看板には、個人的にはつい懐かしさを感じて、ふらふらと入店してしまいそう。実際に、昼飯食い損ねた我ら父子はここで食ったりしたわけで・・・。
【スープ:背脂と酸味醤油のせめぎ合いにて・・・・昔をなつかしむ】
<ふわふわ&ぷかぷか背脂の甘みと、一味のじりっとした辛味がなつかし>
いやはや・・・ありそうでないような、ふわふわ&ぷかぷかな背脂感。ガッツリ背脂煮干しとも違い、ライト感覚の豚鶏醤油スープに、敢えて背脂投入という京都近辺のラーメンスープ感覚がたまりまへん。正直申しまして、私が京都で少年時代を過ごしておりましたころは、これほどのハッキリとした背脂感はなかった。ですが、それでもぷかぷかと白いのがスープに浮いていたのは憧憬の記憶であります。少年のころ、父親につれてこられた中華屋はとっくの昔にないけれど、今回はこうやって自分の息子と来来亭で京都ラーメンと対峙すること自体、とても不思議な感覚です。子供用には、「一味ぬき・醤油薄め」で注文通しましたが、背脂少なめを言い忘れていた(汗)。それでも、何もひるむことなく、するすると食い続ける息子に、血は争えぬと思えてしまいました。
やはり、背脂は甘みを醸し出す一流の調味料ですな。いわゆる皮下脂肪そのものなのだけど、秋になり冬に備える季節は、どうしても脂肪を蓄えたくなるのは、DNAの記憶というやつか。とっても甘く感じて、「もっとくれ!もっとくれ!!」と体が震えながら訴えかけるようで怖い。そこに、一味がぴりり!というか、じりり!というか、甘さを引き締めにかかるエッジングを感じさせます。この一味感覚も、子供のころは苦手だったのでありますが。時代は移ろい、こういう味の引き締めがないと納得いかなくなっている。年を積み重ねると、こだわりだけが純度を増すようで怖いな。
<やはり酸味のある醤油感覚と一味の組み合わせもナイス>
スープのボディは、豚肉&豚骨の煮汁。豚骨は割って沸騰させてコラーゲンを徹底的に煮出すタイプではなく、じっくりことこと煮込むタイプ。臭みは少なく、全体的にスッキリした味わいです。そこに鶏のサッパリコクがプラスされて、後で加わる醤油ダレの性能が存分に引き出されると思われます。
そしてその醤油ダレですが、基本的にスッキリタイプ。そして後味の酸味が鮮やかなタイプでもあり、後口酸味に一味が結びついて旨味の輪郭を高めますな!熟成の酸味か、一味との化学反応の酸味かも不明ですが、ともあれサッパリ豚コクと酸味のコラボが何とも言えずたのしい!思えば私が子供のころから食べ続けて来た動物系主体だったのだろうね。カツオをはじめ煮干し、いりこなど魚介系は、うどんや蕎麦メインの出汁で、和風のラーメンなんて想像もしなかった。なのでラーメンと言えば、ギトギトであろうとなかろうと、動物系の出汁がメインであったような・・・・。
【麺:細めな麺の中に、博多系に近いしっかりした低加水を感じます(カタメチューニングに限る)】
<麺はカタメが基本ですな・・・京都系ラーメンの場合は(滋賀本店だけど)>
何を血迷ったか、来来亭にきて太麺やら、ネギラーメンやら、いろいろ試してみたものの、やはり基本はラーメン+麺カタメ+ネギ多めでございましょう!このチューニングは絶対基本ですよ!ようやく本来のチューニングで愉しむことができたというもんです。で、その感想ですが・・・・実にいいですね!博多麺とまでは行かないまでも、しっかりと細麺の中にクッシリした歯ごたえと芯の存在が伺えます。そして風合いも。前歯で案外スパスパと千切れさせながら、奥歯の潰しでクッシリと食わせます。それがまた、九州で言うところのバリカタに近いような感覚です。
<すべりはざらつきとネギのゴツゴツ感が一体となったところで・・・・>
さてスベリについては、適度な抵抗感があるから良い!といえましょう。ツルツルっという一般受けはあまり期待しません。されど、質実なザラつきが好印象に思え、時間が経つにつれ適度に汁を吸い込むのがまたいい。徐々にしなやかになったところに、ネギのザク!とした歯ごたえが妙にコントラストを感じさせます。ざらつきを通り越したところに、ゴツゴツザクザク感が待ち受けていて、妙に食べ応えを感じさせる細麺であります。
【具:プリピロ&テロテロチャーシューに魅了ですな!】
<薄切りチャーシューのテロテロってしたところが実に頼りなくて楽しい>
もう・・・・なにも申すまいです。京都ラーメンのチャーシューの代表格的な定番な「ぺろぺろ」感。超数切りのデカいミルフィーユ状な肉は、一枚では頼りないものの、数枚合わせ技なら十分な食べ応えを与えます。それどころか、ミルフィーユ状だからこその面白い歯ごたえと、ジューシーな肉汁の溢れ方を演出します。
<これくらいのネギ増しは当たり前なのが京都流>
ネギ増しというチューニングで、このくらいのネギ増しが実現いたします。少ないか少なくないかは、あなた次第です。ちゅーか、もしも有料だったら、50円では高いけど、20円ではそこそこって感じがする程度かと。20円妙な形で儲けるよりも、お客さんに還元してまた来てもらおう・・・・そんな精神を感じなくもないですね。
総じまして、なつかしの一杯をまたフラフラと食ってしまった・・・。今度は父子でですが、血は争えないないと思えた休日昼下がりでございました。これから、いろいろオモロい、旨いラーメン食わしたるわ・・・・。父子鷹、東京西エリアのラーメンを食い荒らそうか(うそです)。なので詠います。
改めて
定番食うなり
ネギ増しで
故郷の一杯
血争えぬ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!

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