遠出の外出要件があって神奈川県郊外エリアへ。普段食えないエリアだから、少し冒険してみましょうと今回は藤沢駅あたりで、麺探索をいたしました。もう何も考えず、塩ラーメンのいいところをネットで探してみたところ、ヒットしたのが「ら塾」さん。駅から近いのも好都合でしたし迷わず訪問いたしました。
ちょうど昼時でしたから、混んでいるかと思いきや、少々余裕ある店箱で、調理場もゆったりとしって使い勝手が良さそう。扉を開けてすぐ左側にある券売機で食券を買って・・・・手に取ろうとしたら、おばさんの手がにょろりと出てきて、「こちらへどうぞ」と促される。示された先には、すでにコップが置かれていて導かれる。しかし、そのコップには水は入っておらず、水汲みだけはセルフという面白いルールです。 待ちながら・・・実はデフォルトで880円という価格は強気だなって少し思ってた。ここで外したくないな〜なんて、少し祈りが入っていたかもしれません。
【スープ:ピッチリとした凛々しい塩ダレ感と、明るく香ばしい鶏ガラスープにらしさを感じる】
<まさに佐野JAPAN的な塩ラーメン!すっきり明るい鶏ガラメインな塩味!>
しかしこれは、事前チェックが薄かったから、配膳時には驚きがあった!この麺顔は、私の地元「あおば@武蔵野市」の塩ラーメンにとても似ているではありませんか!揚げねぎの部分なんかもそっくりであります。ということで、「佐野JAPAN」の系譜か・・・・と瞬時でひらめきました。SNSで高得点な塩だけを狙っていたから、これは拾い物です。好きに決まっています。
興奮を抑えつつ・・・レンゲでするると、期待を裏切らない、すっきりとした鶏ガラメインなスープの広がり。煮干しも投入されておりましょうが、下支え的でほのかです。そのほのかさがまた全体の落ち着きを与えているようで、とてもスープバランスが整合しています。クリアーなラード系の香味も気持ち良く広がっているような感覚。昆布や節系といった乾物の甘みも感じられ、塩ダレのエッジングがとても落ち着いています。じっとりとしてる塩ダレ感と、クリアーな風合いの鶏ガラベーススープが、ベストマッチですね。
<揚げねぎとフレッシュねぎ微塵の使い分けがまた心憎い〜>
そんなマッチングが良いスープに彩りを与えているのが、「ねぎ」。フレッシュねぎは、微塵がとても細かくて、スープに溶け出すと甘みエキスを放出すると同時に、スープの身体の一部になるような溶け込み感がすばらしいね〜。いきなり食欲をそそりますやん! また更に上を行こうとするのが、揚げネギの香ばしさ。これは油の甘みも結びつけてくれるし、軽く焦げた部分が食欲を誘う。汁に浸った塊は、ヌガーっとした歯ごたえになったあと、歯に張り付きます。また、フレッシュと揚げが渾然一体となったりして、スープに溶け込んだり、麺に張り付いたりして・・・・、終始食っていて飽きさせない。この系列は、少しお高いけれどスープ量は多く、じっくりとスープを堪能できるため、個人的には好きなんですよね〜。
【麺:どこまでも細くてストレートな気持ちのよい麺!歯ごたえもストーリー性感じるかもね〜】
<女性的な極細ストレート、男性的なカツカツとした歯ごたえ>
麺は少し個性があるような気がします。とても極細感のあるストレート麺。それがとてもきっぱりとした流れるような見栄えで、どこか女性的に感じるしなやかさがあります。こういうのは、啜り上げてもうまい。そして、茹で加減がまた絶妙。大きな麺釜でゆったりと麺を泳がせながら茹でるという職人気質を感じるスタイル。タイミングを見極めるのは勘のみで、あとは手際よく平ザルですくいつつ、手首をスナップさせながら湯切りをするのが、見ていてかっこいい。そういうところ男っぽい。歯ごたえもそれがのり移ったかのように、極細の中にアルデンテ感が存在する。カツカツとした歯ごたえが小気味良い。次から次と箸が進んでとまらない。
<汁を吸い込んでからはシルキーなスベリそのもの>
スープも多いが、麺も少し多めに感じる。食うのが早い私でも、後半は麺がややスープを吸い込んで歯ごたえがクチクチっとした汁気の多い反発感に変化します。しかし、ここからがまた全体的にしなやかになるのでして、啜り上げがまさに「ソバ」という感覚で、ズルズルズル〜っと勢い良くっすり上げられる。口元を駆け抜ける感覚は、まさにシルキー!!舌触り、内頬のタッチ、喉奥に感じるシルエット・・・すべてがシルキーといった感覚で実に快感です。
【具:ほどほどなシンプルさが渋いかも!「足るを知る」ような充足感あるトッピングたち】
<大判ロールバラ肉スライスチャーシューが、またあっさりとしてうまし>
チャーシューは、絵に描いたような「大判のロールチャーシュー」で、バラ肉の文様が、関東ローム層のようで美しい。箸で持ち上げようとすると、自重で崩れながら、リング状に解ける。味わうと、実に嬉しい薄味の塩ダレ感覚。肉本来の味わいも残る。こういうタイプは・・・・個人的には、麺を巻いて食うのが私の流儀でして、しっかりと堪能させていただきました。
<なんだか、昔からあるメンマっていう風合いが素敵かも>
あとは実にシンプル。メンマと青菜・・・というか茎のみ。茎がまた少しばかりで、色合いだけの飾り付けと思いがちだが、ほんの少しでもあるととても良い箸休めとなることに気づきます。あのフレッシュな苦味がいい。そして、メンマは、よくある薄い醤油系の味わいで、筋がしっかりとしたシャクリシャクリとしながら柔らかく裂けるような歯ごたえ。熟成が効いたようなメンマならではの風味が、どこか懐古調です。
総じまして、「生真面目の乗り移った佐野JAPAN系の塩ダレ」といった・・・そのままの感覚。だって、捻りようがないキッチリとした正統派な風合いが素敵だったからね〜。あしからずです。また、少し距離あるかもだが、神奈川で食ったというところも、なんだか本物食った感を感じてしまう、私自身の軽薄さもあり、ご容赦いただきたい次第。やはり湘南まで来ると陽も近く感じて清々しい。しかし、風は冬に向かっていく冷たさも感じるね〜。年末挨拶のカレンダーの山がオフィスに到着したが、もうそんな季節。時の流れは実に早いね・・・。なので詠います!
陽が注ぐ
風は冷たし
湘南の
魂注ぐ
JAPANな塩ダレ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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