めっきり東京と神奈川を行き来する機会が増えまして、最近では品川区・大田区・川崎市のエリアは、電車移動中で車内で爆睡し通過するのみのエリアと化しております。もったいない・・・、せっかくいいラーメン店がこのあたり点在しているのに。この日もそういう感じでして、ちょっと御昼過ぎでいいタイミングだと思って、大岡山やら幡ヶ谷あたりを攻めに行こうと考えていたら、乗り換えを眠って乗り過ごしてしまう。気がついたら西小山あたり。しかし、むさこ(武蔵小山)には、最近注目の店があるではないかと、抑えの切り札をいよいよ発動!ということで、今回は、楽観さんの新しい支店へと向かいます。私のスマホのスケジューラーには、仕事以外のラーメンメモも記されておりまして、他人に見られるのが大変恥ずかしかったりする。予定では、楽観さんへは週末に訪問ことになっていたのだが・・・・。
駅を降りて・・・というか地下から地上に上がって、目がくらむところに、近くの不動産屋のお兄さんが近寄って来て分譲住宅の案内をして来る。こんな感じで、ほいほいと家が売れるはずもないと思うのだが、非常に効率悪いだろうと思うとかわいそうになってきて、少し話しを聞いてあげる。すると、嬉しそうなセールストークが続いてしまう。妙な情けは不要だな・・・・と、ゴメンと断ち切り学校横の路地を北へ北へとジグザクと突き進む。鄙びた古本屋や電気屋があると思えば、バルやカフェがあったりと、面白いミスマッチな街並を通り過ぎるのも楽しい。そんなこんなで、楽観さんに到着だが、「あ!楽観!!」と思わせる鮮やかな青色が目立つ。個人的に、中華屋は赤か黄色で、ラーメン専門店は、青(紺)が安心を感じる私であります。ここに来るまで何食おうかと考えていたけど、何となく・・・・塩系を食いたいので「パール」とさせていただきました。時間がとても半端な平日昼間の1時半。先客ゼロ、後客3名というまったりとした気分で、存分にひたりながら食いました。
【スープ:よく効いている魚介、オリーブ風味?・・・・・、そして玉ねぎの甘み】
<魚介とペッパーが繊細のようで・・・ワイルドに効いた感覚>
しかし、何故に「パール」なのか・・・・。醤油系の「琥珀」はスープの色合いから来るのだろうと容易に予測しますが、塩系のこの一杯には「パール」が謎めいている。勝手な推測だけど、麺顔にふんだんに浮かぶ「玉ねぎ微塵」を真珠に見立てているのだろうと考えます。首飾りでも出来るほどにもたくさんな真珠が散りばめられているという寸法かと。しかし、写真を見ると「琥珀」にも相当の玉ねぎ微塵が投入されておりますので、推測は成立しませんね・・・・。そんなこんなで、最初の一口目で感じるのは「魚介の風味」の厚みと甘みであります。
最初は、そのスープが透明なわりに、とても胡椒の浮遊が多いなと感じていたのですが、魚介の粗い欠片もかなり含まれていると感じます。丼のふちには、魚介の細かいエキスが貼り付き、見た目以上の魚介質感を感じる。しかし、そう濃厚でもなく、マッタリとした風味と感じられる。すっきりとマイルドの合間といった感覚か・・・。ううむ・・・これは、どこかオリーブオイルの感覚にピッタリくるのだが・・・。
ところが、ところどころ感じる、ブラックペッパーがこれまた歯に当たって噛むほどに、とてもいい雰囲気を魚介に与えます。そういうところ、和洋折衷てきなミスマッチ感がむしろ旨いと思わせてくれる。食ってから改めて思うに、とても計算高い仕上がり感、繊細感もありつつ・・・・、やはり見た目はワイルドな面持ちもある。繊細とワイルドが織りなすハーモナイズが、評価すべきところでしょう。
<ふんだんな玉葱微塵の麺顔!食べるスープ感覚>
さてそのパールを象徴する玉ねぎ微塵だが、これだけ一面に広がっていれば圧巻であります。もはや、八王子系を超えたか??とも思えてしまう(吾衛門@西八王子の玉ねぎマシに匹敵かもね・・・そういえば、一緒に食べたラーメンご隠居はお元気だろうか・・・)。このフレッシュ玉ねぎもまた、厚めの魚介風味を中和する役目があるように思える。そして、野菜しか出せないナチュラルな甘みが旨さを補強する。
さらに言えば、ここまでの微塵ボリューム感なら、歯応えも楽しめます。レンゲで掬い上げるたびに啜ったあとに咀嚼をする。食いながら啜る、啜りながら食うという感覚。まさしく食べるスープ的なニュアンスも楽しめる・・・・・。見た目の色合いは地味な一杯かもしれないが、いろいろとアミューズ性豊富な一杯だよなと感じ入る次第。
【麺:スープ個性を受け止めるハードタッチな細麺!】
<多加水っぽい細麺がとても密度感あり!ハードラバーなシッカリ歯応え>
麺がなかなか見た目と反してハードであります。多加水のように見えて密度感がとても高く、潰し込みというより練り水の個性を感じる。パールという名にイメージ一致するような白めの地肌感が上品に思える。そして、少し角っぽいフォルムもまた見た目の流麗さが映えていい感じ。その弾力感は、カタメなラバー(rubber)のような強い弾力性を感じます。なので細麺ながらもクッシリとしているし、歯応えが一本一本ハッキリとしているような感覚。麺のシルエットを感じながら千切り、咀嚼して食う。あまり見られない印象かもです。
<とにかく高速にスベリ、とにかくまとわり付かせる>
まあ、そんなハードさだから、外カタがどうのこうのと言う以前に、とても地肌がかっちりとしていて、基本的には高速に滑る。しかし、玉ねぎが細かく多いのと、メンマもなかなか細メンマの小さいサイズなので、いろいろと絡む。それらを巻き込みながらも、スルスルと吸い込むように食えて、滑らかに・・・・ツルツル、コリコリ、クシクシ、シャリシャリという感じで歯応えは輪唱するのであります。
【具:じっくりとサクサク噛んで味わい尽くしたい密度感】
<シッカリ肉味感じる炙りロース肉の存在感>
しっかりとした締まり具体とグリル具合を感じるロース肉。ハンディバーナーでの仕上げで香ばしくもあり、繊維質を食うという肉を味わう喜びに富んだチャーシューであります。基本的には全体的にタレが染み込んで、筋にそって容易に解れる。味は塩味メインで、白飯というより、個人的には酒とやりたいような質感。これはチャーシュー麺にして食うと楽しいでありましょう。肉がまるで・・・・小さめスマホが将棋倒しになっているような麺顔になるのでしょうか?だれか試しに注文してほしい:笑。
<意外と古風にも感じるメンマ>
全体的にコンテンポラリーな一杯だと感じているけど、魚介の使い方やメンマの味付けには和風というか、トラディショナルな部分も見え隠れするよに思える。そういう点ではとらえどころのないハイブリッド感がありますな。やや醤油系の味わいが深いものの、基本的にはフレッシュタイプで、サクサクと小気味良く千切れるタイプ。海苔と合わせると完璧に和風に思える味わいかと推察します。
総じまして、「名前はクラシカルで女性的ながらも、コンテンポラリーでダンディーな一杯」と申せましょうか・・・。最近は、女性もラーメン屋行列に多く見受けられたり、また二郎系でもお姿を見る機会も増えましたので、ダンディーと言い切るのも少し躊躇いがありますが。そう考え直すならば、「魚介という和風で定番な味わいテーマを、オリーブで洋風に折衷したカオスな一杯」とも言えるような気がいたします。
そんな「カオスな一杯」ですが、武蔵小山という土地柄にもまた妙に合っていると思えるから不思議。駅前は整備され整然とし、いかにも東急沿線って感じするけど、一歩路地に入れば、城南エリアらしい生活感ある風景が溢れる。どことなくカオスな生活空間。カオスな土地に、カオスな一杯。楽観さんも馴染んでいるような気がしますし・・・・。なので詠います!
昼下がり
疎ら長閑な
商店街
気だるい空気
ゆったり昼飯
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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