休みの日。妻子は実家の用事でおでかけということで、昼飯は一人で食うことに。ならばと・・・・ラーメン本をパラパラとめくったり、ネットでいろいろ調べてみると最近妙に小田急沿線が気になります。全く縁がないので、新鮮に感じるのでしょうか、確かに訪問履歴を見てみると空白地帯です。などと考えていると・・・・どうしても「白河系」で気になる店がある。それが「一番いちばん」さん。あの「とら食堂」での修行経験とか・・・マスコミ露出が多いとどうして食いたくなります。今回は、小田急線界隈を攻めようと下北沢から乗り込んだものの、経堂?祖師谷大蔵?狛江??などと狙いを定め切れずに、この白河系のことを考えていたものだから、多摩川を越えたころからもう「どうせなら町田でこれを食う!」に決めてしまっていました。
・・・・・などということからダラダラとお店にたどり着いたことから、通常の昼営業時間中に来たものの、訪問時スープ切れ一歩手前でありました。最後から2番目でギリギリセーフ! しかも麺も足りなかったことから、直前でストック生地を慌てて麺切ローラーにかけて材料確保という状態。ここ、そんなに有名店なのか? マスコミ露出ってすごいのね・・・・。
それにしても、妙に静かな店内。無駄口をささやかないというか、張り詰めた雰囲気。客層がみなそれなりの大人だったためか、はたまたご店主の真面目で実直な作業にオーラを感じて無口になったのやら、真偽は不明。比較的厨房内が見えやすく、麺釜の扱いだけみていると、無駄のない動きは実に興味深く、自然と口数少なくなるものかもですね。4杯が1生産ロット。なので順番が分かりやすく、待ち構えること12〜3分で配膳が完了。むぅ〜・・・・照明の状況もあって、アダルトな雰囲気醸し出す麺顔ですな(笑)
【スープ:色気がある白河系・・・実に分かりやすくて旨しな醤油と鶏油の円みです!】
<醤油が余韻として・・・想像以上に甘いコクと香ばしさが広がる>
この醤油ダレが実に円やかで、素朴さアピールの中に、どこか流行性を感じます。いや〜実に旨いと思います。脂との相性がいいのでしょうか。タレの旨味自体は、醤油の中でも塩気のエッジは丸め。酸味というより塩気の中に甘みを感じさせる、コクまろな感覚を想像します。白河系と効くと素朴でシンプルな醤油系を想像しますが、それにプラスアルファの何かを感じるのだよな・・・・・。
強いて言えば「色気」。そんな薬味があったら販売して億万長者になりたいもんですが、醤油系好きなら・・・・正直に旨しと思える「ツボ」を押さえてると感じてしまいます。ご店主とスタフ殿は、朴訥と仕事をなさっている。でもこのスープは、一周回って新しく感じます。想像以上に、醤油タレのコクと香ばしさが鮮やかです。
<鶏油系のゆったりとした脂の旨味が・・・想像以上に芳醇に広がる>
色気をもう一つ感じる部分があります。それは「鶏油!?」感覚かな・・・。香味油がよく響いています。これは、保谷の私がよく行く好きな店と・・・どこか同じニュアンスを感じます。しっかりクリアリーでも、まったりとした動物感の旨味をオイリーに感じさせる部分が秀逸。すごく素朴系な「とら食堂」って印象なのですが、味わいは芳醇な一杯。こうなれば、とら食堂にも行きたい気分ですが、それも叶わず。
全体的には、醤油系のシンプルさが表にでているスープ。その補強としての動物系の芳醇さが鮮烈に味わいとして染み渡ります。オヤジがふらりと仕事帰りに、酔いと共に食うにしては、極めて立派に仕上がっていますな。夫婦とかカップルで、ちょっと「良いラーメン」食べたいというとき、彼女(or Wife) にはウケがいいかもです。何となく。理由無く。
【麺:優しい平打ち縮れ感・・・モチモチ度合いもソフティーでハイセンス感】
<モチモチ度合い大人しげでシルキー・・・・ちょっとセンスある素朴感>
白河系は麺が命ですからね〜(笑)。この平打ち縮れを食う為に訪問したようなものです。青竹で手作業で打ち込むのを想像しながら食えば、旨さの感じ方が倍増ですよ。などと想像しながら麺をすすると・・・なるほど、多加水の中でもモチモチ度はハードだ。柔らかいけど密度感を感じる。グルテン的な何かの反動が面白いんだよな・・・。でも全体的には、モチモチ&プリプリ感は、大人しげでナチュラルであります。
勝手にモチモチ系のハードルを上げていまっているだけなのかもしれませんが、でも全体的に優しさを感じるモチモチ感&プリプリ感でして、トータルではソフティーと感じます。細麺だったらシルキーと答えたいのだが。というわけでモチモチ度合いに、大人のセンスを感じたりする。
<麺釜の魔術師(なんてね〜)!眺めつつ、ただ遠慮せずズルズルと・・・ただ啜りスベらす>
麺釜でゆったりと麺全体を泳がせながら茹でるタイプ。こういうの大好き!やはり人間も麺もストレスなく仕事をしたいもんです。テボは、味玉を温めるだけのために用いておられます。一方ワンタンは、麺と同様に泳がせながら麺釜で茹で上げておられます。カウンターからぼーっと観察してい私はアホですな・・・・。でもね、キッチンタイマーなど無機質なものは排除で、時間感覚と手の感触だけで、タイミングを見計らう・・・・それがかっこいい!やはりゆで切りは平ザルの方が効率的に思えます。はやりラーメン職人っていいもんです。まねできません。
たまたま・・・昼の部最後のロットとなった私。麺釜の湯も、お疲れさま的な湯釜の濁りもありましょう。でもそれもまた一興というか、ヌメりが旨しと思える最大のポイントだと思えるです。麺は完璧に湯切りされておるものの、表層のヌメリが風合いとしてこれまた旨い。一番釜もいいけれど、後半も中々味わい深い。閉店間際の一杯が旨しと思える。これが、旨い店も条件かもしれないと帰り道に感じました。
【具:豚と鶏の二種チャーシュー!歯応え・味とも剛と柔のコントラスト感!?】
いやはや・・・・、 豚肉に骨の付け根の残像を感じる肉片でして、あばらの部位の脂身と肉質の旨さのバランスを正直感じます。肉質部分は適度な歯応えを残しまして食むと吸い込んだスープのエキスと肉本来の味わいを感じます。それと同時に・・・・香りを感じる。薫製の如く乾いていて香ばしいフィーリングを感じるのは気のせいであったのだろうか。うっすらな食紅に気をとられたか。
しかしそれだけでは無かった。鶏肉チャーシューがあったのだ。沈んでいたから分からんかった。モモ肉の「パフっ」とした部分も淡白ながら楽しい。そして、モモ付け根部分の先端か!?・・・・軽い塩味と薫製っぽい風味が実に旨い。スープが染み込んで尚更!地味にチャーシューにノックアウトされとる私・・・。
総じまして、「毎日でも啜りたい・・・・」という感覚で、これまた近場にあれば毎週でも通いたいという感想です。
それにしても、町田界隈で立て続けに清湯系のクラシカル醤油系をいただきに上がりましたが・・・どれもハイレベルですね。しかも、地元の味というより、瀬戸内や東北の味わいだったりするから、何かこのエリアに引き付ける何かがあるのでしょうか(笑)。そういえば、町田駅近くには、八王子系の名店もあることですし・・・・すっきり系醤油では、町田界隈は競争激化ですね。食べる方としては嬉しい限りですが、どの店も頑張っていただきたいと思います。
さて、いろいろスッキリ系を食べたところで、そろそろJ系や、ガッツリ煮干しなども食したくなります。師走って時間もお金もないから、しばらく遠征はできないかな・・・・。さびしいですが、なので詠います!
白河の
清きスープを
追い求め
豚の脂や
煮干恋しき
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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