<いつまでも、いつまでも、大切にしたい丸長系の店>
ちょっとした偶然からネットで見つけ、慌てて食いに出かける土曜日昼間です。休日出勤前の気合い入れにもちょうど良いということで、今回は「大勝軒 喜多見」へとやってきました。しかし情報に従い、開店時間11時ぴったり店の前に来たものの・・・暖簾が仕舞われたままで、臨時休業かとすごく落ち込みます。嗚呼肩すかし・・・と膝がガクッと落ちる気分で、駅前に戻りマックの100円コーヒーで気持ちを落ち着ける次第。でもね、胸騒ぎというか、諦めきれないしつこさというか、もう一回確認しないとやりきれない!と思い、もう一度店前までやってくると、ちゃんと開店営業してやんの!(笑)。そして遅ればせながら入店すると、すでに満席寸前の空き席1つのみ。地元常連で埋まっている様子です。
丸長のれん会の古参らしく、ご年配のご夫婦が仲の良い連携で営業をされておられます。うう・・・いい貫禄を見せつけてくれる大将です。ラーメン店なのだろうけど、炒め物と一緒につけそばをいただくというツワモノもおられ、まさに大食い野郎にやさしいお店。私は、そこまではついていけないので、一番オーソドックスな「ラーメン550円」とさせていただきました。なんと素晴らしい低価格ぶり!。きっと以前の消費税分だけ値上げしたって感じですね。8%との差分は、切り詰めているサービス精神が泣かせます。
【魚介の甘味と旨みにナチュラルな醤油の塩気!豚骨の透明系のエキスがじっとりと広がる・・・昭和の味わい】
それにしても、店主ご夫婦もいいご年齢であらせられます。詳しくは知りませんが、きっと喜多見の駅前近隣の風景をずっと見てきたんでしょう。その間、お店もそれなりに改装なんかしたんでしょうか(妄想の話)。いまでは小洒落て整然となった駅舎や、高架になった線路、周囲のマンションなど変化を見つめつつも、変わらぬ味わいを何年も何十年?も守ってきた自信というオーラに圧倒されたオレなのか?。この数年間で、急にラヲタになった新参者な私を見下すかのように、その一杯はこっちに近寄ってくる次第です。店主はニコヤカなんですが、ラーメンから「小僧なんかに分かるのかい?」なんてつぶやきすら聞こえてきそう。
その麺顔は、現代のラーメンのように整形手術のような、綺麗だけどどこにでもある型にはまった美しさとは、真逆のナチュラルな風貌。 熱い風呂から上がったばかりでボテッとしばらく涼んでいるような太麺が、でろんと横たわっているような印象ですな。 うむ・・・むしろこの気取ってないところが高品位という感じがしてならない!。しかもスープの醤油感がとてもキリリとしていそうな感じが伝わってきます。そして丼の周囲には微かに貼りついた魚介成分のような欠片が見て取れます。 表面もキラキラしており、ラード??なのかとても熱を貯めこむようなイメージあり。観察してゆくうちに、冒頭に気だるく感じた麺顔が、徐々に実力派のような凛々しさを感じ始めてしまいます。
まずはレンゲを静かに沈めてスープチェック。醤油が効いたと思いきや、魚介のニュアンスの深さを感じ取れるベージュの明るい溶け込みも感じるスープ。しかし豚魚でなく醤油と割り切れる清さもナイスな風貌。しずかに味わいだすと・・・・醤油の塩気と魚介の甘味がナイスバランス!。見栄えが魚介エキスを感じる部分があったので、魚介甘さを予測して味わったのも影響したのか、思うほどに魚介が全面に出ておらず!。醤油の塩気とうまくバランスをとった味わいです。甘目なのか、辛目なのかも一瞬ではわからないほどな僅差が、これまた脳を混乱させて旨みと感じさせるようです。ラード系の香味油と豚骨?の清湯系ベースの味わいも、すっきりしているようで、しっかりとコクを感じさせます。透明感あるようで、しっかりと腹もちの良さげなボディを感じさせます。
「こりゃうめー!」もう食っている最中はこの思いしかなかった。左となりの客は明らかに地元民のようで、ラフな服装に競馬新聞。配膳までは一心不乱にレースのチェックしてましたが、配膳と同時につけそばに一心不乱。レトロな割に、食い手を一気に惹きつける様は、どこか魔力的すらあります。
【たおやかなストレート太麺で柔らかそうに見えて、じつはくっしりとした風味食わせる名人芸!】
腹減らしている人に、おなか一杯になってほしい。それも早くおなか一杯になってほしい。そんな願いからなのか・・・大盛り2つ、並盛り2つの計4人前を、中華鍋茹で釜で一気に仕上げます。大将が平行作業の間は、おばちゃんが替わって茹で釜の面倒を見ています。しかし、ご高齢というのもあって、平ざるで麺を上げるとき・・・・力が足らないのよ。完全に上げきれないか・・・。上下に振ってちゃっちゃと湯切りしたいんだが、茹で釜の表面に接着してしまうかも。そして、平ざるで麺をすくうのも力仕事。だからつい左手がでてしまう。しかし触ると熱い。だから、左手をすぐに冷やせるように、水の入った鍋が近くに置いてあります。一連の作業を見ていてスゲーぜ!。
ひょっとして、ちょっと残念感がある麺かもなー・・・なんて思っていたら、大きく裏切られました。「旨い!スープも旨いが麺も旨い」。素人考えで茹ですぎなんじゃねーのーって、どこか覚めてみていたオレだったかも。しかし、実際に食ってみると、湯切りのドタバタなどどこ吹く風という感じで、「くっしりとした良きグルテンの風味満載」なので、食っているこっちがギャフンとさせられた。なんと軽く芯を感じさせるような多加水でして、モチモチした部分と、クッシリした部分が両方感じ取れるようなイメージ。しかも、これ並盛だぜ。550円の。腹感覚で言うと、茹で前200gオーバーだと感じます。
それにしても感動が続く・・・後半は少し醤油スープが染み込んで、淡く褐色に染ますし、また腰もやさしくなり、すべりも増します。これは、「つけそば」に大いに期待という感じですかね。汁系では・・・・前半のクニクニ、後半のモチモチ、最後はクチクチ。そんな歯ごたえの変化を回想しておると、つけそばではどれに当たるのだろうと想像してやみません。
【THE CLASSICALといった・・・レトロ贅沢なチャーシュー!】
この数年でレアチャーシューが一気に出回りましたが、かえって昔ながらのチャーシューの良さも改めて考えさせられたような感じです。こういうレトロなチャーシューは、これまた新鮮に感じるし、また汁を逆に十分に吸わせて食うと旨いと思えます。スープ生成に貢献したと思われるエキスの抜けた肉感覚。味付けも薄味でして、これだけでもあっさりと食える一品です。それをやや分厚めにカットし、食感的にはパサッとした歯ごたえで食わせます。そこを我慢して一気にスープに沈めこみ、しばらく放置。麺を半分くらい食い終えたところでサルベージして食うと、本来とは違った味わいに出会えます。やはり肉と醤油の相性は抜群で、肉なのに胃もたれの心配ないくらいいくらでも食えそうな気がします。
そのほか、メンマはいかにも定番な深い染み込みのもの。関西ではもっと白いのが好まれる傾向で、醤油に染まるのが低いのが多かったけど、最近そういう傾向も無くなってきてるんだってね。(大阪時代は、麺哲系チェーンの「メンマ食い放題」で度が過ぎて怒られた記憶@梅田)。
総じまして、「いつまでも永く営業を続けてもらいたいと願う店!切ないまでも恋しき味わいの店!」という感覚でしょうか?。ここは旨いわ!。これは、つけそばも急いでまた食いに来ねばと思えてしまう!。いやいや、もやしそばも旨そう。常連らしき方は、みな定番外しで美味しく食っている。などと考えていると、おばちゃんの方が、広東麺の具を勢いよく火を天井近くまで立てて、中華鍋をふるい始める。手際だけ見ていたら、年齢を感じさせないたくましさ。仕事人というオーラも垂れ流し、それも味わいのための調味料なのかもしれませんね。いやー、この店は近くにあったら通いたい店。狛江市民にとってはとても貴重な大勝軒だと思いますよ本当に!。世田谷って深いねー。ということで・・・なので詠います!
懐かしき
時代を超えて
いつまでも
昭和の味わい
優しく包む
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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