ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1264】 高円寺ラーメン タロー軒 (東京・新高円寺) ラーメン


 いつの日かの・・・休日出勤の朝に立ち寄った一杯!高円寺駅から南に下がったところにありまして、気合いの朝ラーを食する次第。とにかく家で仕事もするのだが、やはり環境を変えないと仕事も進まないもので、土曜日は潰したわりには進まなかった。やはり、仕事は仕事場でやるものと決めて・・・ぼやけた祭機運立ちこめる朝の町並みを突き進み、ラーメンを食い、会社へと向かうのであります。そんな姿を見て妻は、どこか基本的に不思議ちゃんなのであるが・・・・・、日本中の同年代の会社員はみなそんな感じで仕事しているものだと感じている様子。大変ね・・・とはいうものの、特別なこととは思っていなかったらしい。義父は会社員ではなかったので、そういう感覚は、いくつになっても疎いのだろうか・・・・。さて、我が子にはなんと伝えているのだろうか、私の今の働きぶりを・・・。

  



 ・・・などと考えながら、24時間営業のこの店の大将も、さぞかツラいだろうな・・・仕事のことが・・・・。オーダーを通して完成を待つ間、となりの深夜勤務あけのタクシー運転手さんとこの店の大将との弾んだ会話に、聞き耳を立てる。すると大将の悩みは、若い人がこれまで入っては、やめていく、入っては、やめていくので、仕方ないと悩んでいた。休みを多く当てるなどしているが、特に若い男の方の入れ替わりが激しいとのこと。逆に、パートのおばさんパワーは感服しておられて、その仕事っぷりのタフネスぶりを評価しておられた。ぜひその女性の勤務中に突撃したいものだ。


 「昔は、暖簾分けしてもらうために、がむしゃらで働いたもんだったが・・・・今は違うのかな・・・・」


 この大将のぼやきとも、寂しさとも思えぬ言葉が、夏の朝日とは裏腹だ。隣のタクシー運転手のおじさんは、「ま、そんなもんだかから!今の時代はさ」とナチュラルに合いの手を入れる。微妙な空気感が漂ったと思っていたが・・・・、私をのぞくお二人さんは、まるで旧知の仲のように、気にもかけず別の話題で盛り上がっていた。そんな話が佳境の一歩手前で配膳されたのがこの一杯。なかなか朝の待つ間の5分でいろいろなことを考えてしまった。

  



 





【スープ:24時間働く男にはぴったりな・・・・あっさり醤油な大衆系!背脂ワイルド感もありなむ】


<ライト・ケミカルな程よいあっさり醤油感!大衆的で惹き付けられる>


 配膳の瞬間としては、深夜か、駅近く、サービスエリアでよく見かけるような背脂醤油風の麺顔。ぶつ切りみたいな青ネギの不揃いぶりが愛嬌を感じます。24時間営業でほとんどカウンター営業ですからね・・・・つらい環境がなんとなくこの麺顔から伺えるというもの。されどよくよくパーツ毎に見てみれば、これはなかなか発見するところが多いですよ・・・・。


 まず、スープカラーはいかにも豚コクの煮出し感じる半濁りかと思えるシルキーな半透明感。そこに浮かぶ背脂がまるでミクロネシア島嶼を連想させます。それに醤油ブラウンの発色が、レンゲ透かしてみればこそ分かるトパーズブラウン!鶏ガラの脂と相まってキラキラと光り輝くようではないか・・・・。丁度朝日を受ける位置にいたのだが、人もラーメンも清々しくリセットしてくれるかのようにパワフルな感覚です。


 そして塩分もなかなかええ塩梅+ちょい高めなのが分かるね。この塩分の余韻であ、ケミカル!というご愛嬌を感じ取るわけですが、この営業スタイルでそこに問題は何もない!むしろそれとオヤジさんの味わいと知って好んで食べにくるというものでしょうな。年をとって塩分を控えなければならない身には、ちょっと注意が必要かもしれませんが・・・。それでもあっさり醤油感覚は、程よい塩気でグビグビと飲み干せる程度の濃度感覚。深夜に食っても、朝に食っても程よく合うというのは、あっさり醤油スープしかなし得ない味わいだと思えてなりません。





<コクプラスな背脂が胃袋的にはしっくりと来ますな・・・>


 あっさり醤油系であっても、それだけでは昼間の栄養源補給には身が持たないという恐れもありか・・・・。この微妙な背脂感が個人的には京都ラーメンを彷彿とさせるが、脂は胃袋に満足感を与える成分ですな・・・・。このスープを空腹の時にじんわりと味わうと、それだけで背脂の溶け出しを感じ、それだけで胃袋が満たされるような錯覚を覚えるよう。


 丁度この背脂がケミカルな後味と結びついて味わい的には複雑か、厚みをますような気分にさせる。既に液状になっているラードってのも口当たりいいけど、背脂だとタイムラヴがあるような、後から後からくる充実感みたいなものがあるような気がする・・・。








【麺:想像以上にしっかりとした麺、茹で上げのコントロールもよかった感覚】


<想像以上にしっかりとした茹で上げコントロール感!やんわりと芯を感じる>


 意外にもしっかりとした麺であったのが印象的でありました。帰りがけに店内に固さをアレンジできるようなPOPを発見した。なかなか24時間営業の中では気の利いたサービスでありますな。そして麺自体にも残念感はまるでない。中〜多くらいの加水感で、表面にはほんのーーーーーーりと薄皮一枚の透明部分が冒頭は見て取れて、中と表層という二段構成を感じる。やがて2〜3口食ってあっという間に全体に馴染んできますが。でも中のクッチリとした部分は中盤まで十分に感じ取れて、クッチリとした柔らかい芯の部分は感じられる・・・。





<背脂感背負ってややヌメる感覚がナチュラルでスルスルと朝から一気に食える>


 それに表面がするするとしていて、あとから脂が貼り付いてヌメっている・・・というような感覚。粉感という高尚な麺ではないものの、練り水の特性で占められているという大量生産的な均一感も少ない。その地肌が基本的にはしっとりとしているため、背脂エキスなどと潜るとピタッと貼り付くような加減を感じる。滑り方がナチュラル。朝から寝起きな胃袋であっても、これならスルスルと一気に食えそうな気がする。







【具:チャーシューの量に嬉しい誤算を感じる!】


<デフォルトでこのボリューミー感!分厚めが3枚とはお得感アリアリ!>


 さてさて・・・・特筆すべきはチャーシュー!これは24H店とは思えぬ大胆不敵な感じですよ。バラ肉ロールチャーシューは大きさはそこそこなれど、厚みが満足感アリアリ!しかも、このサイズで3枚がデフォルトでありましたから、正直嬉しかったです。たまたまのサービスだったりしてね(笑)。味わいとしては、醤油ダレを意識していながらも、それが深く染み込み過ぎているということはない。塩気は効いていますが、サクサクとほくほくと食える感じで、崩れる感じはあまりしない。自然な肉料理の歯ごたえを感じて肉の旨味を感じとるタイプ。これはなかなか・・・・。また背脂に混じり入れるとさらに旨さが膨らむよう・・・。





<ストレートパーマの様なワカメ感覚>


 ラーメンにワカメは必然かそうでないか・・・・、私は後者。でも受け付けないわけではない。今回のワカメは何となくそんなことを再認識した。見た目からして、ストレートパーマをかけたかのような直線的な風貌。そして「すぐふえる」系みいな奇麗なディープ・グリーンの発色。そこにフコイダンを連想させるところはまるでない。されど、大衆ラーメントッピングとしては、よくお目にかかるタイプでして、このラーメンの立ち位置には良く合っていると思わせます。







 総じまして、多忙極まる状態で、どこか知らぬ知らぬうちにどこか自分の気持ちが拗ねていたのかもしれぬと、この一杯食って思い直した次第。いろいろな仕事があって、それぞれで苦労があるはず。まあ・・・・明日を悩んでみてもそれで何が変わるでもないので、今のことをやるしかないわな・・・。お大変でしょうが、24時間いつでも食えるという存在感は、この界隈では光り輝いておりますので、いつまでも頑張っていただきたいと思う次第。なので詠います!



   照りつける
   眉間に旭
   受け止めて


   人気少なし
   これから出勤



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。






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