休日出勤の帰り道・・・、平日よりは、少し早めに帰宅できたのですが、結局帰宅経路のお店に訪問です。自由度がきく土曜日の夜なのに、どうも遠征する気力が薄れて来た(泣)。でも、このお店は、前回訪問以来とても自分の好みにマッチしておりまして、そんな気苦労も消し飛ばしてくれるくらいに、個人的にはハマっているのです(笑)。
【スープ:こってりなのだけど・・・丸みとさっぱりさの良さを併せ持つのです】
1)さっぱりベースをコッテリ系に味合わせしたニュアンス
「こってり」と思って待ちわびて対面する麺顔に、意外さという驚きを感じます。表面の淡雪のごとき背脂が上品に浮かんでおり、表面を揺らめく層をなしています。その奥には、意外なスッキリ醤油スープがのぞいています。こってりという言葉の響きと、イメージから少しばかりの粘度を想像していたのに、気持ち良い裏切りです。
確かに、こってりを象徴する背脂とスープを一緒にすすると、こってりと言うよりは、「マッタリ」と感じる・・・。しっかりとした豚コクを舌全体で感じますし、節系か昆布系のぴっちりとした落ち着きも感じます。濃い味わいなのに後味が非常にさらりとしていて、これはレンゲでのスープ飲みに拍車がかかりますかな(笑)。全体として、崇高な醤油スープに、嫌味なく濃い味を段々重ねていった・・・・と言うような上品な印象です。
2)塩気がしかりしているようで丸味も合わせ持つ感覚
味の濃さ具合と塩気のシナジーがまた良い印象です。 薄口醤油のまろ味少なめのカエシ、それに丸くてしっとりした塩味がナイスな印象。さらにその塩味が・・・・節系と昆布系のアミノに結び付く一体感! じっとり塩を感じるという風でもなく、シャープでもない独特な塩世界観がありますな〜。改めて考えるとこれは塩らー系ではないわけで・・・・、醤油系の淡麗な海なのにどうしてか塩気を感じる・・・。恐らく、トッピングの影響?なるほど・・・・チャーシューも、メンマも独特だったことに今更気づきます、
【麺:カッツリ大好き派なら試していただきい!】
以前もアッサリ系の方の中華そばを食ったため、そのときのレビューに詳細はゆずります。ただし、この麺の考え方としては、なかなか参考になります。明らかに低加水系。食べ始めの「カッツリ感」は、すでに快感そのものです。スパスパと前歯で処理する抵抗感が何ともはや・・・・ナイス!
ストレスを強く感じる圧延。それと角が立ったストレートな切り口が実に男前に感じます。その男前ぶりな麺を・・・・熟成させて滑らかにしたしとやかさがナイス!いわゆる「寝かす」というヤツですか・・・。ストレスだったその麺密度にしなやかさが加わったよう! それが喉越しや奥歯のすり潰し感でよく表現されます。因に食べる後半では、ややスープを吸い込むこの麺は、さらにしなやかになり、歯ごたえもやや柔らかくなっていきます。このあたりの変化も、時間差で面白く感じる次第! この自家製麺は、とてもお気に入りなのです。
【具:ハイセンスの中に古典を感じる・・・】
1)チャーシュー:タレの深い染み込みで店主の自信を感じる
タレに自信有りと感じさせる堂々とした染み込みを感じました。そして香ばしい焼き仕上げなチャーシュー。脂部分のとろけ具合と、しっかりした歯ごたえの身の部分。噛み締めると肉味とタレ味が滲み出る旨味! そして一口食って残すその断面からは、エキスがスープに貢献する・・・・。しっかりとした味わいがキレと感じます!
2)メンマ:最強の深いブラウン
いやはや・・・・これほど深い色合いのメンマは他にはないねと思えるほどでしたよ(笑)。少し塩っぱい系で柔い酸味?コリコリした歯ごたえありまして・・・・八王子系にみられるメンマとは違った古風な色合いと味わい! 洗練された一杯の中にあってコントラストをイメージしますよ。
総じまして、多忙で見失いそうな日々でも、帰り道によい一杯、崇高な一杯があれば、どこか気持ちがほっとする・・・。なんか多忙だ多忙だと文句ばかり最近言っておりますが、そういうステージに入り込んだのだろうと、逃げずに受け止める覚悟で食う次第!それでも、この夜だけは、時計を巻き戻して、昔の気分で食いたかった(笑)!そして旨かった!! なので詠います!
忙しく
ラーメン恋しく
もう一度
楽しき日々を
思いては泣く