ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン973】 春木家本店 (東京・荻窪) 中華そば

【コレ食ったわけ:古寺巡礼気分で訪問したら、結構洗練されとるがな(笑)】

  思い起こせば数年前、関西で目覚めたラーメン魂。東京に転勤してきて恐らくここで骨埋めると思うねんけど、せっかくやから東京ラーメンの遺産的一杯を求めたいがな! ネットでいろいろ調べました。いろいろ捉え方がありましょうが、現存している東京ラーメン(荻窪ラーメン)はココが大元だそうです。荻窪ってなんとなく大衆系なイメージしかなくてね・・・・。でも意外と街中(住宅街)の中にあって、適度に小ぎれいだから、少しばかり違和感ありますな(笑)。どうせ大元だったら、仙人が住んでいそうな雰囲気があってもええやん・・・・なんか、少しばかりの期待が交錯いたします。




【スープ:春木屋と春木家・・・それぞれ同じ方向性なれど、個性に微妙な差があるのね・・・・】

  もとから、春木家本店さんは、中華そばと和蕎麦を提供する「そば類専門店」みたいなもんです。メニュー表のポールポジションには中華そばがあるものの・・・・・その他は和蕎麦一色という感じ。因に、春木屋荻窪本店さんは、春木家本店の中華そば専門のセカンドショップとして出発したらしいと知りましたが真偽は不明。開店から戦争・戦後の混乱を挟んで、一旦暖簾を下ろす・・・・代替わりなどを経て、少々ややこしい変遷があったようですが、関連性はあるようですね・・・・。このようなまめ知識を詰め込んで、荻窪ラーメンに今宵もお世話になるのです・・・・。さて、そのお味は・・・・、


「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「懐古系というよりも・・・・、クラシックの名曲を聴いているような気分で食えまっせ!」


1)旨味:大衆系と言うより伝統系と呼びたしスッキリ魚介醤油

  東京ラーメン・荻窪ラーメンの元祖ということで・・・古典的な一杯を連想していたのですが、大凡その通りでありました。しかしながら、どこか今でも洗練されたとして通用するもんがあると思える・・・・その凛とした雰囲気に脱帽です。ティピカルな醤油ブラウンには、ライトな豚コクが奇麗に決まっています。その上に、ほんのりと甘コクの煮干し風味が漂う・・・。元来煮干しとはこういう使い方をしたもんだと、語りかけてくるようです。大衆系お馴染み〜な、親近感というより、品のいい古典系な一杯・・・・・というような仕上がり感!

2)塩気・甘味:軽い醤油輪郭が塩気、ライト魚介が微かな甘味、仄かなバランス

  程よいカエシのエッジが、塩気として響きます。とても自然な成り立ちがする塩味感。その一方で、魚介の雰囲気が甘みとして対峙し、結局一体感となってまったりと漂う感じでまとまります。メンマ等トッピングから影響を受けている塩味もなし。ただ・・・・当たり前過ぎる塩味度合いが、胃袋に染み渡る嬉しさよ・・・・。


3)香り他:やはりクリアラードと魚介先導の甘い香り

  嬉しいのは、ラード効果です。注文時に脂「濃いめ・普通・薄め」を選択できるのですが、今回は普通としました。とても透明感のあるラード(カメリアか?)にほんのりと魚介の粉が伺えて・・・・スープの熱を逃さんと蓋をしてくれています。スープと丼が接するポイントが・・・・透明なので、ラードの存在感がありありと視認できます。表面がきらきらと光り輝き、天井の蛍光灯の姿を反射しますわ(笑)。




【麺:東京ラーメンの細さ・縮れ・固さを語る上で、デフォルト確認をさせていただいた気分】

  スープがクラシックの名曲だとしたら、麺もそれ相当!歴史を感じる旋律ではあっても、完成されたメロディラインは、時代を超えても通用する。更に言えば、今でも新鮮に思えて来るもんです。まさにそれと同様な感じ・・・・を受けます。


「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「まさしく・・・・中華「そば」なのね! 蕎麦屋のラーメンのまさに源流っちゅーのがよう分かりまっせ!」


1)風貌:昔ながらの正当派を感じる・・・質実な極細縮れとはこのこと!

  関西で学生やってたころ、荻窪が東のラーメン聖地と思っており、雑誌で見かけたピクチャがこんな姿だったよな・・・。今回、固めとお願いして提供いただいたその麺は、見事なハリがありありと見てとれます。所々、曲線が強い半縮れなお姿と、歯ごたえありげな感覚がビューティホー! 昔はソバージュみたいな縮れありのストレートを思い描いてたけど・・・・、オリジナルは、想像以上に縮れ度合いがナチュラルでんな。


2)感覚:芯を感じずとも、固めがキッチリと表現できているではないか!

  固めと伝えて、その通りな歯ごたえ。撮影によるタイムロスで麺の固さに影響が出ぬか・・・・真剣勝負でっせ(笑:うそです)。それにしても、固めの加減が自然ですね〜。芯を感じる断層感はないし、クッシリという強調感もない。さりげない固さだから、強いて言えば「くっさり」なんやろか・・・。麺全体で受け止める弾力の固さゆえに、「固いテンピュール」といった感覚。色白な麺も・・・自家製麺なんやろな・・・・。なんだかうなずける旨さを感じます。


3)スベリ他:比較的汁の吸い込みが少ない感じがするのです

  すべりは、表面のラード層をくぐり抜けるから、そこそこスベリがありますし、快感な喉越しです。その反面、スープの染み込み具合がそれほどでもなく・・・・。中加水でもやや低めと感じたそのニュアンスは錯覚だったか? もっと汁を吸い込むものと思ってたけど、この予想外の感覚の方が、実は好きだったりする・・・。





【具:肉に暖かみを感じ、海苔にトレードマークを見いだします】

1)チャーシュー(手切りの優しさよ・・)

  「手切りの断層」と個人的に名付けています。肉の赤身脂身の断層ではなく、スライス時に包丁を前後に往復させる際に切り口に出来上がってしまう・・・・・・波の層のこと。これがまた「手作り感」を強調するようでして、見た目で旨しと思えてしまいます。さて肉そのものの味の印象ですが、醤油ダレニュアンスのある酸味がぷーんと前半漂いまして、割と酒の肴にも合うような質実な仕上がり具合! 見た目以上に柔らかくもあり、適度な歯ごたえも食べ手に感じさせる憎いヤツです。ほぐれすぎることなく、「肉を食っている」感を十分に与えてくれる、優等生なチャーシューです。

2)メンマ・海苔他(必要十分なのだ)

  細長い茎が強調されたメンマですが・・・・・薄味で、コリコリした歯ごたえで、中々ナイスな印象。これも伝統なの? コンテンポラリーな印象も受けると言えば・・・・それは脚色が過ぎますが、それでも今でも通用するニュアンスは持ち合わせている感じがいたします。その他、海苔と薬味ねぎ・・・・。海苔の三角形を見るたびに「荻窪」を連想してしまうアタクシ・・・・・。






 総じまして、ラーメンの知識補完としての訪問でしたが、いやいやどうしてどうして!これまさしく堂々と王道の醤油らーめんとして通用してまっせと申し述べたい。昭和の銀幕映画スターの若い頃の勢いってのが伺えたような気分。ラーメン界の吉永さゆりと勝手に命名してしまいましょう。いやいや、美空ひばりと言うべきか・・・・・。どちらのファンからも顰蹙を買いそうだから、やっぱり命名やめときます(笑)。なので詠います!



  夏が来て
  すする蕎麦の音
  荻窪

  
  これぞオリジン
  東京らーめん
  
  
 お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。


 


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